0-2 これは新手の投資勧誘なのでは?
最初にも述べた通り、うちの学校は全寮制だ。長期休みに部活はなく、地元に帰省することとなっている。
せっかくの春休みだ。何をしようかな~とか考えながら、普段は寮に預けて使えないスマホを眺めてごろごろしていると、LINEの通知が入った。誰だろう?アプリを開けてみると、
「え、本当に誰?」
こんなアイコンと名前の人知らない。断じて忘れているとかではない。なぜなら友達ではない人からだからだ。怪しい、詐欺アカウントかなんかじゃないのか。恐る恐るトーク画面を開けると、
『ねぇ、競技科学やる気になった???????』
詐欺アカウントなんかよりもっと恐ろしいものだった。え、亡霊か何かですか?まぁでも分からなくはない。皐月生は全国いたるところから来ているため、近場で同級生がおらず、会って遊ぶなんて簡単にはいかない。一番仲のいい友達の家に行くには新幹線で数時間なんてのも普通だ。そのため、皐月生の休暇中のコミュニケーションはほとんどLINEに頼っている。恐ろしくて名前も出したくないが、この人もおそらく薬師川先輩あたりに僕のLINEを聞いたのだろう。とりあえず怖いので無視したかったが、もうすでに既読を付けてしまった。どうしよう・・・
『あ、亘理くん、見てくれたね!』
やべ、バレた。てかこの人暇か?
『ねぇ、どうなの?』
まずい。この感じならスタ連も辞さないだろう。ブロック・・・は流石にかわいそうだから、ミュートしてトークの奥底に放り込んでおこう。
休暇の初っ端から変な人に見つかってしまったが、気を取り直してスマホをいじりだした。Twitterでもやろうかな。え、青い鳥いなくなった?幻覚でも見えてるんじゃないのか?
2日後、目が覚めるとうるさいアラームを止め、スマホの通知を確認した。僕は母親の都合上、朝は早起きだ。僕は母子家庭で母親が公立の先生であるため、母親が仕事に行くまでに起きて朝食をとっておかなければならないのだ。しかし、Twitter(現X)の通知の確認も大切だ。さてと、FFさんたちから何か返信来てるかな・・・ん?DMがめっちゃ来てる。え、何か炎上した?それとも青い鳥を創造したらイー〇ンにキレられた?怖いんですけど。いや、あれか?エロ垢か副業垢を間違えてフォロバしちゃったか?
そこで僕は少し嫌な予感がした。
「いやないないないない、流石にTwitter特定してDM凸るはライン超えてるって。」
フラグだった。見事なまでのフラグであった。
『ねぇ、なんで見てくれないの?』
『もしかして嫌いになった?泣く』
『競技科学やりたいでしょ?ねぇ』
『もしもーし、LINEミュートにしても地の果てまで追いかけてやるよ?』
怖い。流石に全部は読めなかった。ヤンデレ彼女かよ。(ちなみに言いそびれていたが、星崎先輩は女子である。そこそこ容姿もいいし、彼氏ぐらいいそうなもんだと第一印象では思ったが、薬師寺先輩曰く彼氏はいないらしい。分かる、これは彼女にしたくない、失礼だけど。)
だめだ、これ逃げられない。平和だったはずの一日が壊れた瞬間だった。




