表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/33

31

『では、ゲームが終了致しましたのでこれより脱落した皆様がそちらへ帰る準備を致します。本日襲撃を受けた№11、№20のお二人は、これから処置を致しまして検査後そちらへお返しいたします。これよりは、お部屋に自動で鍵が掛かることはありませんので、各自の判断で手動で鍵をかけるようにしてください。お部屋の備品は、自由に使って頂いて結構です。門が開きますので、塀の外へお出かけになって頂いても結構ですが、海に落ちないように気を付けてください。それでは、早めに終わりましたので、五日後の迎えの船が来るまで、ごゆっくりおくつろぎください。大浴場は、只今より解放されてご利用になれなす。中庭温室のプールは温水が張られますので、明日までお待ちください。尚、今夜のディナーから地下の厨房よりお食事が持ち込まれますので、ビュッフェ形式でお召し上がりください。それでは、係の者が参りますので、分からないことはそちらにお訪ねくださいませ。この度は、リアル人狼ゲームにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。この後も、お楽しみいただけましたら幸いです。』

モニターは、ぷっつりとそこで切れた。

「…え、プールって言ったよ?」健太が、言った。「篤史、温水プールだって!凄い!」

そこへ、相良そっくりの、ちょっと年上かという男性が飛び込んで来た。

「紫貴!」

寧々が、びっくりした顔をした。

「え、彰さん?!待ってください、まだ終わったばかりですのに。」

彰と呼ばれた相良そっくりの男は、他には目もくれずに寧々に駆け寄ると、その手を握った。

「だから言っただろう、君は疲れやすいのだから、無理はいけないと。あら…いや相良がついて来たらゲームが崩れるとか言うから私は見ているしかできなかったのだからな。」

寧々は、回りを見ながら困ったように言った。

「はい、分かりましたから。落ち着いてください。」と、呆気に取られて見ている、皆を見た。「あの、私の夫なのですわ。心配して見守っていてくれたようで。」

相良が、頷いた。

「私の兄なのだ。だから、寧々さんは私の義理の姉ということになる。」

皆は、納得して頷いた。

彰は、サッと寧々を抱きあげると、言った。

「皆、妻と遊んでくれて感謝する。お礼にここから帰る日まで、最上の夕食を準備させるので、楽しみにしてもらいたい。では、私は戻るので。」

そうして、ズンズンとまた、寧々を抱いたまま去って行った。

嵐のように去って行った彰と寧々を見送って、隼人が顔をしかめて相良を見た。

「…え?どうして相良さんのお兄さんが準備させるんだ?」

相良は、顔をしかめた。

「ここが兄の持ち物だからだ。ここは貸し切りのホテルとして使うこともあるが、基本別荘なので使う時には屋敷からメイドを連れて来るか、新規で雇うかするのだが、今回は兄も来ているのでシェフも連れて来ていて、それらに作らせるということなのだろう。」

ということは、とんでもないお金持ちだ。

皆が思っても見なかったことに目を白黒させていると、そこへ藍が駆け込んで来た。

「相良!久司が狐だったんだ!」

拓三が、目を丸くさせた。

「藍!」

すると、後ろからわらわらと初日から消えて行ったはずの、皆が入って来た。

「私なの!私が真だったのよ!」

美沙子が、すっかり寛いだ格好で飛び込んできて、皆に宣言した。

他にも、全員が入って来て、誰に話しかけたらいいのか分からないと目を泳がせておろおろしていると、志乃がやって来て、言った。

「お疲れ様。みんな、ここの四階で自由に過ごしていたのよ。ご飯も、キッチンから持って来てもらってあって、好きに食べられたし。みんながゲームしてるの、上でモニターで見られたんだ。それにね、ゲーム機もあるから脇で藍くんとかゲームしてたよ。吊られた方が楽だったんだよって鈴音さんが、みんなが来るたびに話していたわ。ほんと、見てる方が楽だった。」

充希が、顔をしかめた。

「なんだよーこっちは必死だったのに。勝たないと帰れないと思ってたんだぞ?だったらさっさと噛まれても良かったんだ。」

相良が、嫌な顔をした。

「だからではないか。君達が一生懸命考えてくれるのが目的だ。早く終わってリゾートがしたいなどと思ったら、必死にならずにさっさと人外COして消えるんじゃないのか。こちらはここを貸し切っているのだし、そんなお粗末なゲームでは意味がないのだ。」

言われて、皆が確かに、とバツが悪そうな顔をした。

言われてみたら、そうなのだ。

真剣なゲームをするために、あんな風に死んだふりをさせていたというわけだ。

「…ってことは、ここからは遊んでいいってことか?あと五日間?」

相良は、頷いた。

「そういう契約だったからな。自由にしてくれていていい。普段はプールにも水は張っていないし、大浴場も湯を貯めていないのだが、終了しそうだとなって急いで準備していたから、どこも使えるようだ。プールのある所は、温室になっていて花も植わっているので見るだけでも美しいと思うぞ。」と、足を居間の扉へと向けた。「では、私は上に戻る。好きに過ごしてくれ。」

久司も、一緒に後を追った。

藍が、言った。

「え、みんなで振り返りしないの?」

相良が、藍を振り返って首を振った。

「私は最後まで皆と議論していて疲れたからな。少し休みたいのだ。」

久司が、足を止めた。

「じゃあ、オレが付き合おうか?別にオレは進行とかしてなかったし疲れてねぇ。」

相良は、頷いた。

「頼む。ではな。」

そうして、相良は出て行った。


残された16人は、わらわらとソファに分かれて座りながら、それぞれ話している。

篤史が、納得行かない顔をした。

「あのな、今の今までもないオレ達は、殺されると思ってゲームしてたんだぞ?お前ら上で、何をしてたんだよ。」

それには、鈴音が答えた。

「ごめんね。あの、私達は気が付いたら四階の部屋で寝てたのよ。側に男の人が立ってて、お疲れ様でした、こちらのご説明を致しますって、まるで何事もなかったみたいな感じ。で、私は別の部屋に連れて来られたんだなあって思ってた。そしたら、四階には居間があって、そこでモニターでこっちの様子が見られたのよ。見てたら、みんな死んだみたいになって追放されるから、怖っ!と思ったわ。何も知らないうちに追放されて私はラッキーだった。」

美沙子が、頷いた。

「私もそうだったわ。襲撃されたなんて知らなかったけど、目が覚めたら上に居て、鈴音さんから襲撃されてもう次の日だよって言われてね。みんな、朝の5時くらいに運び込まれていたみたい。その日追放された人と、朝に襲撃されてた人がまとめてこっちに来てたから。だから、今頃正俊さんと涼次さんも、上で目が覚めてるんじゃないかな。」

健太が、ふうとため息をついた。

「なんだ、絶対死ぬと思ってたから、ほんとに怖かったのに。してやられたなあ。」

拓三が、頷いた。

「だな。でも、命でもかかってなかったら、相良が言う通りここまで真剣にやらなかったと思うし。仕方がないと思うけど。」

美久が、言った。

「でも、私達は四階から出られなかったのよ?早くゲームが終わらないかって、もうそんなに頑張らなくてもいいよって上でモニターに向かって言ってたぐらい。だって、終わって時間があったらここの施設が使い放題だって教えてくれたの。見取り図を見せてもらったけど、ほんとに凄いよ。海辺に海中水族館があるんだって。温室から渡って下に降りられるの。後で行ってみない?」

将也が、笑って手を振った。

「ずっと言ってるな。それは後で。」と、久司を見た。「振り返りしよう。君は狐だったんだな?」

久司は、頷いた。

「そうだ。涼次と相方。」と、離れた位置にあるホワイトボードを振り返った。「持ってくる。待ってくれ。」

久司は、ホワイトボードを引きずってみんなの座るソファの方へと持って来た。

そこには、これまでのCOや、占い位置などが書かれてあった。

「じゃあ、初日から行こう。」

久司は、ホワイトボードを指した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ