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「…死んでいる。」相良は、言った。「そうだな、美久さんを完全に切って来たか。確実に噛める場所を選んだのだ。」

久司が、ベッドの反対側で頷く。

ベッドの上では、志乃がただ眠っているかのように横たわっていた。

廊下で待っていた、皆の所へと合流した相良は、深刻な顔をしている皆に言った。

「死んでいた。これにより志乃さんはやはり真共有で、美久さんは人外だったと分かった。結果を聞こう。久司。」

久司は、頷いた。

「健太を占って黒。」

健太が、顔をしかめる。

相良は充希を見た。

「充希?」

充希は、答えた。

「将也を占って黒。」

二黒が出た。

相良は、それでも淡々と頷いた。

「霊媒は?」

全員が一斉に答えた。

「「「黒。」」」

まさかの、全員黒結果だ。

相良は、頷いた。

「後一人。」と、霊媒師達を見た。「この中に一狼居るはずだ。狐がいる可能性もあるが…とにかく見つけた狼の一人を飼って狐処理を目指そう。今はここまで。7時に居間に集合。」

健太も将也も、言いたいことがありそうだったが、その時には何も言わなかった。


相良が、部屋で座っていると、何の前触れもなく扉が開いて、さっと拓三が入って来たかと思うと、言った。

「…久司守り。」相良は、頷く。拓三は続けた。「君が言った通りになった。美久さんが黒確定、白確定だった睦美さんは、今日志乃さんが噛まれたことで狂信者確定だ。久司さんと充希が健太と将也に黒を出したし、一気に盤面が詰まった。後は狐だが、どう思う?」

相良は、ため息をついた。

「…完全に黒結果を信じることはまだできない。というのも、こうなるだろうという予想通りだからあっさり信じてしまいそうになるが、まだ二人が真だと確定してはいないのだ。というのも、美久さんは黒で間違いないので偽だが、充希も久司も明らかな呪殺を出してはいない。久司は出しているように見えるが、村目線では確実ではない。もし狼が狼を売っていたら、まずいことになるからな。とはいえ、二狼が占い師に出ているとは思えないので、充希はやはり真だろう。だが、久司がまだ分からない。」

拓三は、驚いた顔をした。

「え、最初から信じているんだと思ってた。」

相良は、首を振った。

「確実なものなど何もないのだよ。そもそもが呪殺を出してくれないと、村には説明がつかないだろう。それこそ感情で決めている事になる。状況から恐らく久司も真であろう、という事になっているだけなのだ。なので、今日吊るのなら充希の黒。まだ吊り縄はあるので、問題ないだろう。昨日久司で護衛成功が出ていたなら良いのだがな。もう、三狼捕捉できていることになるからな。」

拓三は、頷いた。

「オレはそう思うぞ?多分、美久さんが自分が呪殺したと言いたいから、久司を噛んで来たんだとしたら辻褄が合うからな。君が、美久さんが狼で久司を噛んで来ると思うってあの日、久司を守れって言ったんだろ?」

相良は、頷いた。

「分かっている。真占い師だとしたら噛まれてもらいたくなかったからだ。こうなって来たら、昨日はああ言ったが私から護衛は外してもらっていい。狼には余裕がなくなった。美久さんが吊られて将也が捕捉され、恐らくは健太も捕捉された可能性がある。この二人は確実に吊られる事になるのに、私を噛んでいる場合ではないだろう。何とかラストウルフを残したいので、抗うはずだしな。」

拓三は、眉を寄せた。

「…だからだ。どうせ死ぬなら君を道連れにしたいと考えるんじゃないのか。そうしたら、村の思考が乱れるだろう。確白が居ない今、ヤバくないか。オレが出ても一日の命だ。ヤバイと思うけどな。」

相良は、ため息をついた。

「ならば、護衛先は君に任せよう。私は早く終わらせたいのだ。寧々さんが疲れて来ていて、できたら落ち着いた場所で治療して楽にしてやりたい。」

拓三は、顔をしかめて言った。

「焦っても碌な事がないぞ。寧々さんと何かあるのか?彼女は既婚者だろう。独身だったら確かに君達はお似合いだと思うが、面倒な事になるからやめておいた方がいいんじゃないか?」

相良は、驚いたように眉を上げた。

そして、何を言われたのかやっと理解できたようで、苦笑した。

「いや、私は彼女とそんな仲ではないよ。そんなつもりもない。実は、誰にも言っていなかったが彼女の夫の事はよく知っているのだ。体力がないのにこれに参加したいと言っているというので、私が様子を見るために一緒に来たのだよ。その夫の方が一緒に来ると言っていたのだが…彼は、あまりにも頭が切れてね。このゲームに慣れているし、それこそ、私よりも。なので、ゲームにならないだろうと皆で止めたのだ。ちなみに、私の親族なのだ。だから、君が案じているような事は無いよ。」

拓三は、そうだったのかとホッとした顔をした。

「そうか。良かったよ、勝ってもそんな面倒があったらって気になったからな。」と、扉へ足を進めた。「じゃあ、行くか。そろそろみんな下に降りただろう。オレが先に行く。後から降りて来てくれ。」

相良は、頷いた。

「分かった。」

そうして、そっと扉を開いて、誰も居ないと確認してから、拓三は廊下へと駆け出して行った。

相良は、外からはそう見えるのか、と苦笑しながらそれを見送って、そうしてしばらく待って、皆が待つ居間へと降りて行ったのだった。


居間の椅子には、もう全員が座って待っていた。

相良は、そこへと足を進めて、皆を見て、言った。

「待たせてすまない。では、始めようか。」と、結果をホワイトボードへと書き始めた。「まず、久司が、健太黒、充希が、将也黒。霊媒結果は確定黒、狩人の護衛先は久司だった。これで、まずは黒を出された者達の話を聞くとしよう。」

健太が、眉を上げた。

「…その二人を真置きしてるんじゃないの?僕達の話を聞いてくれるんですか。」

相良は、頷いた。

「二人共が黒か、もしくは一人が黒だと思っているよ。昨日はああ言ったが、まだ完全に信じてはいない。特に久司は、状況証拠しかないので、君はまだ白の可能性があると考えている。なので、話を聞いても良いと思っている。ちなみに、もし狼だとしたら、君達二人は残った一人のためにも、狐だと思うところを開示した方が良いかもしれないぞ?皆が吊られてしまったら、結局狐に負ける事になるかもしれないだろう。」

健太は、言った。

「僕は、人狼じゃない。信じられないかもしれないけど、久司さんが偽物なんです。だから、オレ目線じゃ噛まれた美沙子さんが真だから、久司さんが狐って事になる。おかしくないでしょう?」

相良は、息をつきながら頷いた。

「その意見は通るな。久司は人狼である美久さんを信じていなかったし、真共有者であった志乃さんに投票していない。一見真に見える行動も、同じ敵である人狼と戦っている狐である可能性もある。狼を全て排除する方が、狼を勝たせるよりも早いからな。」

久司は、片方の眉を上げたが、何も言わなかった。

寧々が、言った。

「でも、私が思うに、狐は狼を排除したいのだから、それらしい所に黒を打って来ると思われるわ。狐にしか見えない視点もあるだろうし。だから、もし久司さんが狐だったとしても、健太さんが人狼である可能性はあると思っているの。」

健太は、寧々を軽く睨んだ。

「それは、僕が睦美さんを庇ったりしていたから?でも、あれは志乃さんが黒かったから…ただ間違えて思考ロックしていた村人なんです。」

寧々は、頷いた。

「その可能性はあると思っているわ。まだ考えてる。大丈夫。」

安心させるように言う寧々に、健太は戸惑う顔をした。

将也が、言った。

「…じゃあオレが話すよ。いいか?」

相良は、頷いた。

「君は限りなく黒なので、健太よりは厳しい対応になるがいいか?」

将也は、肩をすくめた。

「その通り。オレは、人狼だ。」皆が、息を飲んだ。将也は続けた。「そのオレが進言しよう。健太の真贋には答えないが、狐のことだ。まず、一昨日の美沙子さんが犠牲になっていた時のことだ。」

拓三が、身を乗り出した。

「どうなんだ?久司を噛んだのか?」

将也は、首を振った。

「あの日は、真らしいところで護衛が入っていないところを噛むことにして、美沙子さんを噛んだ。噛めなければ狐だろうと分かるしな。だが、美沙子さんは死んだ。なので、狼目線でも美沙子さんが狐だったのか、久司が呪殺したのか分からない。」

ということは、やはりまだ久司の真は確定しない。

皆が、そう思った。

「…では、充希が真か。狼が狼に黒出しはあり得るが、占いに二狼出ているとは考えられない。よって充希はやはり真。」

将也は、笑った。

「そう見えるだろうな。美久さんが狼と確定した以上、志乃さんは真共有だし睦美さんは狂信者だ。ま、充希が偽で狐だったかもしれないぞ?」

相良は、首を振った。

「あり得ない。狐であったら囲われた睦美さんがわざわざ共有に騙って出る必要はなかった。ならば、充希は真。二人の狼を見つけているしな。」

将也は、頷いた。

「だな。ということで、村目線オレと美久さんが狼で睦美さんが狂信者だと分かった。後二匹の狼と、狐二匹はどこだと思う?」

皆が、困惑したような顔をした。

「今13人、縄は6。処理した人外は2。仮に美沙子さんが狐なら3。噛み放題になるが、充希に護衛を寄せて一人ずつ占わせるしかない。」相良が言う。「充希が居る限り、確定白は増えて行く。まだ狼は将也含めて3残っているのだから、後のことを考えてもとりあえず今日は、君を吊るしかない。縄の余裕がある間に、君を飼ってと考えていたが、三狼は多い。充希には、もう一匹を早急に探してもらわねばならないな。とはいえ、充希のグレーは広い…今日は、充希のグレーに話してもらうか。」

将也は、ハアとため息をついた。

「そうか、やっぱりオレか。ま、仕方ない。仲間に任せるよ。ただ、オレはあの日の襲撃先を教えたぞ?その意味を含めて、ちゃんと考えてくれ。」

相良は、頷いた。

「…分かっている。狼にも狐の位置が分かっていないのだ。とはいえ…霊媒は?」

将也は、にたりと笑った。

「さあ?どう思う?霊媒は、ローラーされなければ強いよな。占われることもないし。でも、三人も要らないだろ?誰かは人外だ。でも、どの陣営だろうな?」

将也の言葉の意味に、皆が眉を寄せた。

が、相良はハッとしたような顔をした。

「…そうか。」と、霊媒師達を代わる代わる見た。「そうだ。」

何がそうなんだろう。

皆が怪訝な顔をしたが、相良はそれから、しばらく考え込んでいた。

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