第23話 みたらし団子
8月から毎日3回投稿となります。
10時、17時、21時に投稿されますので是非お読みください。
「討伐された、と言いますと」
ランパが聞くと、弥吉はなんでもないように答えた。
「村に悪さをしていましたからねぇ、男衆や侍が集まって袋叩きにしたら倒せました」
「ええ……」
「死ぬ前に我は四天王最弱!だからいじめないでくれ!と言っていました」
四天王ブリザードの最期が思ったようなのと違い、複雑な気分になる3人。
スバルは声を顰める。ユウジとランパもそれに合わせ顔を近づける。
「なあ、もしかしたら魔王って大したことねーんじゃねえの?四天王が村人に倒されるって」
「いやいや……もしかしたらこの国のひとたちが異常に強いのかもしれませんし…」
「でもなんだか肩透かしですね……」
弥吉は、ああ、となにか思い出したように呟く。
「そういえば先日、代わりのものが来ると魔王軍から矢文が届いたと聞きましたね」
「!!!代わりのもの、とは?」
「『四天王最弱がやられたので、四天王候補生であったものをよこします。かしこ。』とだけ。まだいらっしゃってないですね」
魔王のイメージが変に固まってしまいそうだった。
瓦版屋から出た3人は、団子屋でみたらし団子を食べていた。
「どうする?待つ?」
スバルはタレをなめながらユウジに聞く。
「うーん……でもまた倒しても新しい四天王が送られてくるんですよね。それってキリがないですし」
ユウジは指についたタレを舐めた。
「しかし人々を危険に晒す存在であることに変わりはないようでしたよ。遭遇した分は倒すのが、勇者としての役割では」
ランパは口がタレでベトベトだった。
「勇者?」
ユウジはきょとんとする。
「僕って勇者なんだっけ?」
「違うのですか?女神から神託を受けて魔王を倒しにいくと言うのは、勇者に属すると思うのですが」
スバルも首を傾げる。
「勇者ってほど意欲的でもないよなぁ。目的のない旅がつまらないから動いてるだけなかんじがするし」
ユウジは咀嚼しながら考える。
勇者、ゆうしゃ、ユウシャ。いまいちピンとこなかった。
「そういや倒せたら僕って元の世界に戻れるのかな……女神さまに嫌われたんだけど」
「さすがに成果出せばご褒美くらいあるのでは?でも……離れるのは寂しいですね」
「えーユウジ帰っちゃうのかよ折角ならここいろよー」
スバルとランパはペロペロと串を舐めながら言った。
「……ふたりともありがとう。僕はいい仲間を持ったよ」
それなりに一緒に旅をしていると、こうも仲良くなるものなのだな、とユウジはしみじみとした。
ちなみにみたらし団子にミントは合わないわけではないが、なくてもよかった。




