第15話 アフタヌーンティー
一方その頃、スバルとランパは、王都のカフェでアフタヌーンティーをしていた。
アフタヌーンティーとは、お菓子の乗った皿が、3〜4層ほど、タワー状に積み重なったものをたのしむお茶の形式である。
ランパはもちろん、スバルも初めてであった。
「昔は甘いもんなんて興味なかったんだけどなぁ、最近お茶する機会が増えてな」
スバルはスコーンをかじる。甘味に顔が綻ぶ。
「さっき顔見知りにこの店が流行ってるって聞いて、せっかくふたり女がいるんだからと来たわけだよ」
「は、はぁ……あ、このカップケーキ美味しい……」
のんきに茶を楽しむスバルに対し、ランパはユウジの身を案じていた。
王城の地下に監獄など、これまで聞いたこともなかった。極悪すぎて歴史から消されようとしているのだ。ランパはカップケーキを咀嚼しながらも不安になっていた。
しかし、やっぱりうまい。このカップケーキ。
表面にシュガーがコーティングされていて、ケーキ本体も卵の風味が濃く、味わい深い。
「普段はミントティーだけど、今日はダージリンだ。せっかくだから茶葉買ってくか。旅路でまた紅茶しよう」
「スバルさんが火系の魔法使えて、旅のときはありがたいですよね……」
「まあ初級しか使えないけどな。私は魔法よりは、剣の腕でA級冒険者になったんだ」
ふふん、と腰の鞘を見せるスバル。
以前、折れたままである。
「もぐもぐ……すごいですねぇ。私も冒険者登録したほうがいいでしょうか」
「あーそうだな!通行証にもなるしとっとけ!王都のギルドは混むが時間はある」
「時間はある……?まさか310年待つ気ですか?非常識ですよ」
ランパはフィナンシェを、スバルはクッキーにかじりつく。
このフィナンシェも絶品であった。しっとりとした食感と、コゲ感がくせになる。
クッキーはチョコが散りばめられており、バターの風味と相まった逸品。
「いやいやそんなにはかからないだろう。せいぜい数日程度やそこら……それまでにわたしは剣を作ってもらう、ランパは冒険者登録を済ませてくれ」
「は、はぁわかりました。うわあ!美味しい!なんですかこの見たことないスイーツ!」
「え?まじ?なんだこれうま!やっばうますぎて失禁する!」
もちろん失禁はしなかった。




