第13話 柑橘風呂(ミント風呂阻止)
ユウジたちは、タージマル卿からの報酬で、少しいい宿に泊まり疲れを癒すことにした。食事付きでかなり腹も満足した。
「王都はいいですね賑やかで」
「そうだな、たまに喧騒がうるせぇんだけど」
「あの……」
ランパが恥ずかしそうに口を開く。
「その……おふたり気にならないんですか?」
「「なにが?」」
「いやだってこれ……混浴ですよ?」
ランパはタオルを胸のあたりで握りしめていた。
ユウジとスバルは互いに全裸なのを気にせずに大浴場に入浴している。
3人の他に客はいなかったものの、ランパは会ってまもない男女で裸を見せ合うのは抵抗があった。
「あー」
高校生なユウジは言われて気づく。たしかにそれなりにいい光景を見れているのかもしれない。
しかし、2週間ちかく行動をともにしていく中で、ユウジはスバルのことを気心しれた相棒と見るようになっており、なんども水浴びもともにした。
いまさら興奮することはなかったのだ。
スバルの方も元お嬢様とはいえ、長年冒険者をやっているため、羞恥の感情はとうに希薄になっていたようだった。
「いやぁべつにいんじゃね?減るもんじゃないし」
「非常識ですよ!婚前前の男女が!」
ランパは叫ぶ。浴場に声がこだました。
ユウジはまあまあ、とランパを宥める。
「いい湯ですよ。柑橘系での香り風呂で」
「おう!そうだユウジ!ミント風呂にしてやれよ!」
「怒られますよ!非常識です」
はっはっはと笑って、スバルは湯を出る。乳房に張り付いた濡れた金髪は扇情的で、思わずランパは息を呑む。
「王都では風呂文化が盛んでな、混浴も珍しくないんだ」
「……むぅ」
ランパは口をつぐむ。それがここの常識というなら、郷に入ったら郷に従うしかない。
観念して、ランパは小さな裸体を湯につけた。
「……あぁーこれは……いい〜ですね〜」
からだがほぐれてふにゃふにゃになるランパ。
ユウジとスバルはそれを見て苦笑した。
この3人の旅は仲良くやっていけるかもしれない、と互いに確信するのだった。




