第1話 転生!ミントの芽吹き
カクヨムで連載している同名小説【異世界ミント無双】〜ミントテロで魔王倒します〜
を一部なろうで公開しています。
ユウジはトラックに轢かれ転生することとなった。
この一文で充分なほどに、ありふれたテンプレにのっとり、彼は女神に与えられたチート能力とともに異世界に投げ出された。
彼が授かったチート能力はチートと言えど決して万能ではなく、汎用でもない。ある限られた状況でのみ有用性があるものだった。
そこでユウジは身の振り方を考えた。
冒険者ギルドに行き、冒険者登録を済ませるも、決して危ないクエストは引き受けず、コツコツと安全な任務をこなすことにした。
ユウジは薬草取りに励んだ。
異世界の植物は治癒効果が非常に高いものがあり、高く売れた。
そうして日銭を稼ぎつつ、ある程度まとまった金が手に入ったとき、
彼は街のはずれのボロ家を買った。
もともと街の嫌われ者の老人が住んでいたその家は、すっかり荒れていた。
しかし、ユウジにとってそこはとんでもなく優良物件だった。
その家には大きな庭があったのだ。
畑にするもよし、ガーデニングで綺麗な花を植えるもよし、さまざまな有効活用策のある庭だった。
彼はボロ家の掃除をし、ある程度住めるようになったところで、さっそく「計画」を実行することにした。
それは彼が持つチート能力「MINT」を最大限に活かした、この世界を統べるまでの大計画。
ユウジはその一歩を踏み出した。
具体的に言えば、彼は庭にひとつの植物を植えた。
それは、ミントである。