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ぼくたちのマヨヒガ  作者: 唖鳴蝉
第三部 五年生 二学期
86/125

第二十三章 ぼくらが蓑掛山に行った時の事~金霊~ 7.ホームセンターにて

 ~Side 真凛~


 蓑掛山(みのかけやま)の埋蔵金仮説に意外な形の決着(オチ)がついた後、あたしは凹んだ気分のまま登山道を下っていた。


 あたしが軽率な振る舞いをしたばっかりに、相棒(バディ)である(ゆう)()を危険にさらしてしまった。危険なものではなかった――金霊(かなだま)だからむしろ福の神――けど、それは結果論でしかない。(ゆう)()の身に危険が及んだ可能性だってあるわけだし。……まさか、あたしを差し置いて(ゆう)()の方に向かうなんて思わなかったからだけど……考えが足りなかったのは事実よね。


 反省するべきなのはわかってるけど、失敗したという事実ばかりが頭の中をグルグルまわってる感じで、反省とか対策とか、建設的な方に頭が働かない。


 ……ダメだわ、こんなんじゃ。とにかく(ゆう)()は無事だったんだから……って言うか……結果的には大丈夫だったのよね?

 そもそもマヨヒガが許可したからこそ、金霊(かなだま)も飛び込む事ができたんだろうし……そう言えば、マヨヒガの自己防衛能力って、どうなってるのかしら?


 ……割と重要な問題みたいな気がするし……これ、(ゆう)()に確認しといた方がいいかもしれないわよね……


 そんな事を考えながら歩いていると、


「あ、ちょっと待って()(りん)ちゃん。寄って行きたいところがあるから」


 ――(ゆう)()が寄り道を提案してきた。


「……こっちに何かあるの?」

「うん。ネットでこの辺りの地図を見てたら、ホームセンターがあったから」

「ホームセンター?」

「うん。前にゴザを買いたいって言ってたじゃない? けど、家の近所だとどうしても目立つし、好い機会だからここで買っていこうかなって」


 ……そう言えば……前にそんな事を話してたわね。忘れてたわ。


「割り勘にしようって話になってたわよね? ……いくらくらいになりそう?」


 山登りのつもりだったから、あんまりお金は持って来てないんだけど……


「ネットで調べた限りだと、思ってたほどは高くないみたい。サイズにもよるけど、外国産だと……」

「ダメよ。マヨヒガの(たたみ)を作るお手本にするんでしょう? だったら国産一択よ」


 うん、安心快適な生活を追求するためにも、断固としてここは譲れないわよね。


「……うん、それでもそんなに高くなかったよ」


 結局は財布の中身と相談して、江戸間四畳半のイ草上敷きを買う事にした。もちろん国産よ。

 ついでに(ゆう)()の提案で、園芸用の有機肥料を何種類か買っておいた。マヨヒガの敷地がどうなるのかはわからないけど、果物の種子は着々と集めてるし、竹姫の(たけのこ)も取り込んだしね。〝備えあれば憂いなし〟――よ。



 ********



 ~Side 優樹~


 帰り道に()(りん)が凹んでたのが気になってたけど、ホームセンターで買い物をしてるうちに、気分も上向いてきたみたいだから一安心だね。


 ただ……その後でちょっとややこしい事を訊かれちゃったんだよね。


 マヨヒガの自己防衛能力だなんて。……考えた事もなかったけど……お地蔵様とか案山子さんとか頼りじゃないのかな?


 けど……でもそんな事を言ったら()(りん)の事だから、お守りを増やそうって話になるだろうしなぁ……

 お守りどうしがケンカするって話もあるし、そう言って話をそらすのが賢明かな?

これにて今回の更新は終幕となります。マヨヒガへの「金霊」の参加が切っ掛けとなって、次章以降は大きく話が動く事になります。

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