第二十三章 ぼくらが蓑掛山に行った時の事~金霊~ 5.蓑掛山再訪~金霊~(その1)
~Side 優樹~
――という事になった次の日の朝、ぼくたちは蓑掛山の最寄り駅から、歩いて山を目指す事になった。ステータスの値は確かに最初の頃より上がってるし、ヘルプが正しいなら、体力は平均を上回ってるはずなんだけど……普段から山とか歩きまわってるからなぁ、ぼく。あまり実感がないんだよね。
……どこかで一度、ちゃんと調べた方が良いのかな? けど、それで人目に付いたりしたら本末転倒だし。真凛は道場に通ってるから、そっちで実感したみたいだけど。
そんな事を考えながらテクテク歩いてると、
「夕べ気が付いたんだけど、採集会の時に見た竜骨は、収蔵品扱いにはならなかったのよね?」
……言われてみれば……
「うん。展示品の竜骨も同じだった」
「お守りとかお地蔵様、案山子……様もそうだったのよね?」
あ、案山子さんが〝様〟付けになってる……実際に助けられたからなぁ……
「うん。素材扱いでも収蔵品扱いでもなかったね」
ただ〝マヨヒガに取り込みますか?〟――って訊かれただけだったんだよね。
「……時々考えてたんだけど……どうもお守りとかそういうのは、収蔵品扱いにならないみたい。マヨヒガの備品か何かに優先して使われてる……そんな気がするんだよね」
あまり気は進まなかったんだけど、訊かれた以上は黙ってるわけにもいかないからなぁ……。ほとんど勘みたいなもんだし、それに……
「優先的に……つまり、化石はマヨヒガの強化に役立つわけね?」
――まぁ、そういう結論になるよね。
「だとすると……これは化石の確保が重要になってきたわね。博物館で他の化石産地や採集会の資料も貰ってきたけど、さっそく役に立ちそうね」
……一応、釘を刺しておこうかな。
「けど真凛ちゃん、人の思いが籠もっていないただの化石は、貢献値もそんなに高くないよ? そこまでむきになって探す必要もないんじゃない?」
「……それもそうね。今は蓑掛山の埋蔵金を探す事よね!」
……火に油を注いじゃったのかな、ぼく。
・・・・・・・・
「この辺りだったわよね? 優樹」
「うん、間違いないよ。で、どうするの?」
「そうね……拾ったのは水路だったんだし、上から流れて来た可能性が高いと思うから、とりあえず水路をさかのぼってみましょう」
そう上手くいくかなぁって半信半疑だったんだけど……
「あ、またあった……」
「……点々と続いて見つかるわよね……寛永通宝……」
「……あからさまに誘われてるよねぇ……」
マンガに出てくるような感じに、点々と寛永通宝が落ちてたよ……もぅ、この先に待ち伏せか罠があるのは確定って感じで。
「……一応警戒の魔法は使ってるけど……待ち伏せてる感じはしないわよ?」
「うん……ぼくも時々【立地鑑定】を使ってるけど、危険箇所ではないみたい」
「罠とかじゃないって事?」
「けど、そうすると……」
「何が目的であたしたちをおびき寄せてるのか――って事になるわよね」
「あと一つ。拾った寛永通宝、どれもこれも状態が良いんだよね。……まるで、きちんと保存してあったみたいに」
……どう考えても罠か何かの気配がプンプンするんだけど……それでもぼくたちは用心しながら先へ進んでいった。何者かがぼくらを狙ってるというなら、それが何者かを突き止めない限り、ぼくらは後手にまわり続ける事になっちゃうしね。
そうこうするうちに古銭が途切れて、少し広い場所に出たんだけど……
「……【立地鑑定】では危険はないんだけど……なんだか【マヨヒガ】が反応してるっぽいんだよね……」
「ここに何かあるって事? だったら、あたしの探知魔法の出番よね」
真凛は色んな探知魔法をまとめて放ったみたいだけど……
「……真凛ちゃん……万一の場合に備えて、MPは温存しておいてよ?」
「わかってるわよ。それにここは人目にはつかないけど、少し先には県道があるのよ? 真っ昼間から子供を襲える立地じゃないわよ」
――あ、一応考えてはいるんだ。
「……それに優樹、どうやら当たりだったみたいよ? 土の中に何か埋まってる。それも、少しだけど魔力を放つものが」




