第十五章 ぼくらが墓地跡に行った時の事~じゃんじゃん火~ 1.怪異の噂
お久しぶりのマヨヒガです。今回は二話構成となります。明日も大体この時間帯に更新の予定です。
~Side 優樹~
今日は夏休みの登校日だったんだけど、久しぶりに会った茂ちんから、ちょっと面白そうな話を聞く事ができた。どうも、ぼくと真凛が称明寺のお寺跡に行ったのを見てた人がいるらしくて、そこからなし崩しに、ぼくらが妖怪展に行った事、土地の怪談に興味を持って調べている事なんかも話す事になった。
どうせこの先もマヨヒガと怪異に関わっていくんなら、ある程度のカミングアウトはしておいた方が便利だからって、真凛とも合意してたしね。その成果が早々に現れた――ってとこかな。
「……お墓の跡に火の玉が出る?」
それって、称明寺の墓地跡の事だよね? 町内で昔の墓地跡って言ったら、それくらいしかないし。
「おぅ。ユーキが来住野とデートしてたとこな。あの後、行ってないんだろ?」
「デートじゃなくて調査だってば……その口ぶりだと、何かあったんだ? ぼくらが行った後で」
へへぇっと得意そうに笑った後で、茂ちんはそのネタを話してくれた。
・・・・・・・・
「火の玉が二つ飛びまわる?」
「うん。茂ちんからの情報によるとね」
「……あたし、そういう話は聞かなかったわ……」
「聞きたてホヤホヤの新ネタだって、茂ちん、言ってたからね。……けど真凛ちゃん、その口ぶりだとまるで……」
「えぇ、お察しのとおり。あたしたちがお寺跡を調べに行った事は、割と広まってるみたいね。聞かれたから打ち合わせどおりに答えておいたけど」
「……鳥居の破片をアレした事もバレてるのかな?」
「そっちは大丈夫みたいよ? 一応、あの後で土の跡とかは消しておいたし」
鳥居の破片を回収した時、そこに石があった痕跡が残っちゃったんだよね。真凛の土魔法でその跡を消して、更に念を入れて木魔法で草を生やしておいたから、パッと見ただけじゃわかんなくなってたけど。
「……河原での特訓の事は?」
「そっちはまだバレてないみたいだけど……今後は注意した方が良いかもね」
う~ん……噂雀の情報ネットワークを甘く見てたかぁ……
噂になるのはともかく、訓練計画に支障が出るのは困るなぁ……
「ある程度のめどは立ったし、そっちは何とかするわ。それより……」
「あ、うん。火の玉の話だけどね、現れたのは最近らしいよ。てか、こないだの大雨の後からだって」
「あぁ……あそこでも小さな崖崩れが起きてたわね……」
大雨の被害調査で町内を見てまわった時、称明寺の跡にも行ってみたんだよね。小さながけ崩れが発生してたみたいで、近寄れないようにしてあったけど。
「無人の墓地跡だからって、復旧作業は後まわしにされてるみたいなんだ。それを怒って出てるんじゃないか……って、噂になってるみたいだよ」
「でも……あそこのお墓は新しい墓地に移したのよね?」
「うん。そう聞いてるけど……」
何か抜けがあったのかもしれないな。ずっと昔からあったお墓らしいし。
「これはやっぱり、現場に行って確かめるしかないわよね!」
……やっぱり、そうなるよね。




