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ぼくたちのマヨヒガ  作者: 唖鳴蝉
第二部 五年生 夏休み
53/125

第十五章 ぼくらが墓地跡に行った時の事~じゃんじゃん火~ 1.怪異の噂

お久しぶりのマヨヒガです。今回は二話構成となります。明日も大体この時間帯に更新の予定です。

 ~Side 優樹~


 今日は夏休みの登校日だったんだけど、久しぶりに会った(しげ)ちんから、ちょっと面白そうな話を聞く事ができた。どうも、ぼくと()(りん)称明(しょうみょう)()のお寺跡に行ったのを見てた人がいるらしくて、そこからなし崩しに、ぼくらが妖怪展に行った事、土地の怪談に興味を持って調べている事なんかも話す事になった。

 どうせこの先もマヨヒガと怪異に関わっていくんなら、ある程度のカミングアウトはしておいた方が便利だからって、()(りん)とも合意してたしね。その成果が早々に現れた――ってとこかな。


「……お墓の跡に火の玉が出る?」


 それって、称明(しょうみょう)()の墓地跡の事だよね? 町内で昔の墓地跡って言ったら、それくらいしかないし。


「おぅ。ユーキが()(すみ)()とデートしてたとこな。あの後、行ってないんだろ?」

「デートじゃなくて調査だってば……その口ぶりだと、何かあったんだ? ぼくらが行った後で」


 へへぇっと得意そうに笑った後で、(しげ)ちんはそのネタを話してくれた。



・・・・・・・・



「火の玉が二つ飛びまわる?」

「うん。(しげ)ちんからの情報によるとね」

「……あたし、そういう話は聞かなかったわ……」

「聞きたてホヤホヤの新ネタだって、(しげ)ちん、言ってたからね。……けど()(りん)ちゃん、その口ぶりだとまるで……」

「えぇ、お察しのとおり。あたしたちがお寺跡を調べに行った事は、割と広まってるみたいね。聞かれたから打ち合わせどおりに答えておいたけど」

「……鳥居の破片をアレした事もバレてるのかな?」

「そっちは大丈夫みたいよ? 一応、あの後で土の跡とかは消しておいたし」


 鳥居の破片を回収した時、そこに石があった痕跡が残っちゃったんだよね。()(りん)の土魔法でその跡を消して、更に念を入れて木魔法で草を生やしておいたから、パッと見ただけじゃわかんなくなってたけど。


「……河原での特訓の事は?」

「そっちはまだバレてないみたいだけど……今後は注意した方が良いかもね」


 う~ん……噂雀(うわさすずめ)の情報ネットワークを甘く見てたかぁ……

 噂になるのはともかく、訓練計画に支障が出るのは困るなぁ……


「ある程度のめどは立ったし、そっちは何とかするわ。それより……」

「あ、うん。火の玉の話だけどね、現れたのは最近らしいよ。てか、こないだの大雨の後からだって」

「あぁ……あそこでも小さな崖崩れが起きてたわね……」


 大雨の被害調査で町内を見てまわった時、称明(しょうみょう)()の跡にも行ってみたんだよね。小さながけ崩れが発生してたみたいで、近寄れないようにしてあったけど。


「無人の墓地跡だからって、復旧作業は後まわしにされてるみたいなんだ。それを怒って出てるんじゃないか……って、噂になってるみたいだよ」

「でも……あそこのお墓は新しい墓地に移したのよね?」

「うん。そう聞いてるけど……」


 何か抜けがあったのかもしれないな。ずっと昔からあったお墓らしいし。


「これはやっぱり、現場に行って確かめるしかないわよね!」


 ……やっぱり、そうなるよね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新ありがとうございます。
[良い点] こちらの更新を楽しみに待ってたのでありがたいです!
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