第七章 ぼくたちの報告会~証人喚問とかじゃなくて~ 4.土魔法とマヨヒガ
~Side 真凛~
「ただの自然物だと、品質とか貢献度が低くなったりしない?」
「それはあるかもしれないけど……けど、今回のお地蔵様みたいなのって、そうそう手に入るとは思えないよ? 骨とう品でも漁るつもり? 古民具とか」
「そういうのって、そもそも取り込めるかどうかがわからないじゃない。もっとこう、取り込めるのが確実で、なおかつ人の手が加わってて付加価値がついたようなものって……」
「そんな都合のいいものって、あるかなぁ?」
「墓石とかはまずそうだし……石段の石とかは?」
「……どこにあるのさ? そんなもん」
「そうよねぇ……」
けど……考え方としては間違ってないような気がするのよね。人の手で作られた自然物……って……そうよ!
「……びっくりした。どうしたのさ真凛ちゃん?」
「ねぇ優樹、あたしが土魔法で作りだした石とかは? 取り込みの対象にならない?」
そう言ってやると、優樹はポカンとした顔をしてた。……本日二回目よね。
「……えぇと……まず真凛ちゃん、真凛ちゃんが魔力で作りだした〝石〟って、どれくらいもつの? 時間が経つと砂に還ったりしない?」
……どうなんだろ。……ラノベとかでは普通に家とか建ててるけど……いえ……ちょっと待って……
「そもそもマヨヒガ自体、優樹の魔力で造ってるんでしょう?」
「あぁ……それもそうだね」
善は急げというから、さっそく土魔法で小石を出して、優樹に鑑定してもらったんだけど……何か優樹の反応がおかしいわね?
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~Side 優樹~
思いがけない真凛の提案を受けて、ぼくは真凛が土魔法で出した小石を鑑定してみる事にした。
もしもこれが素材として取り込めるんなら、ぼくは真凛の土魔法の訓練にもなって一石二鳥だからね。
けど……鑑定の結果は――
《未完成のマヨヒガに管理者以外の魔力を混ぜ込むと、好ましくない結果になる事が予想されます。それでも他者の魔力を取り込みますか? はい/いいえ》
……予想外の結果になったなぁ……
鑑定結果には〝好ましくない結果になるかもしれない〟――ってあるけど……ぼく一人の事なら一か八かで「はい」を選ぶとこだけど……
「……どうしたのよ? 優樹」
……うん……これはさすがに相談しないとダメだよね。
真凛に事情を説明したところ、
「あ、だったらこの案は没ね」
――あっさりとそう言って小石を消し去った。……もう少し残念がるかと思ったんだけど。
「あら? 残念な気持ちは当然あるわよ? けど、今はマヨヒガを建てるのが先決でしょう? 余計な危険を冒すのは認められないわ」
――と、キッパリ言い切った。潔いなぁ。こういうところは見習うべきなんだろうな。
「それに、メッセージには〝未完成のマヨヒガに――〟ってあったんでしょう? だったら、完成した後のマヨヒガには、何かアレンジが可能なのかもしれないじゃない。悲観するのは早いわよ」
……うん、前向きだね。こういうところはパートナーとしてありがたいかな。
これにて第七章閉幕。年内の更新は終わりとなります。
また来年お目にかかりましょう。




