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ぼくたちのマヨヒガ  作者: 唖鳴蝉
第一部 五年生 一学期
29/118

第七章 ぼくたちの報告会~証人喚問とかじゃなくて~ 4.土魔法とマヨヒガ

 ~Side 真凛~


「ただの自然物だと、品質とか貢献度が低くなったりしない?」

「それはあるかもしれないけど……けど、今回のお地蔵様みたいなのって、そうそう手に入るとは思えないよ? 骨とう品でも漁るつもり? 古民具とか」

「そういうのって、そもそも取り込めるかどうかがわからないじゃない。もっとこう、取り込めるのが確実で、なおかつ人の手が加わってて付加価値がついたようなものって……」

「そんな都合のいいものって、あるかなぁ?」

「墓石とかはまずそうだし……石段の石とかは?」

「……どこにあるのさ? そんなもん」

「そうよねぇ……」


 けど……考え方としては間違ってないような気がするのよね。人の手で作られた自然物……って……そうよ!


「……びっくりした。どうしたのさ()(りん)ちゃん?」

「ねぇ(ゆう)()、あたしが土魔法で作りだした石とかは? 取り込みの対象にならない?」


 そう言ってやると、(ゆう)()はポカンとした顔をしてた。……本日二回目よね。


「……えぇと……まず()(りん)ちゃん、()(りん)ちゃんが魔力で作りだした〝石〟って、どれくらいもつの? 時間が経つと砂に還ったりしない?」


 ……どうなんだろ。……ラノベとかでは普通に家とか建ててるけど……いえ……ちょっと待って……


「そもそもマヨヒガ自体、優樹の魔力で造ってるんでしょう?」

「あぁ……それもそうだね」


 善は急げというから、さっそく土魔法で小石を出して、(ゆう)()に鑑定してもらったんだけど……何か(ゆう)()の反応がおかしいわね?



 ********



 ~Side 優樹~


 思いがけない()(りん)の提案を受けて、ぼくは()(りん)が土魔法で出した小石を鑑定してみる事にした。

 もしもこれが素材として取り込めるんなら、ぼくは()(りん)の土魔法の訓練にもなって一石二鳥だからね。


 けど……鑑定の結果は――



《未完成のマヨヒガに管理者以外の魔力を混ぜ込むと、好ましくない結果になる事が予想されます。それでも他者の魔力を取り込みますか? はい/いいえ》



 ……予想外の結果になったなぁ……


 鑑定結果には〝好ましくない結果になるかもしれない〟――ってあるけど……ぼく一人の事なら(いち)(ばち)かで「はい」を選ぶとこだけど……


「……どうしたのよ? (ゆう)()


 ……うん……これはさすがに相談しないとダメだよね。

 ()(りん)に事情を説明したところ、


「あ、だったらこの案は没ね」


 ――あっさりとそう言って小石を消し去った。……もう少し残念がるかと思ったんだけど。


「あら? 残念な気持ちは当然あるわよ? けど、今はマヨヒガを建てるのが先決でしょう? 余計な危険を冒すのは認められないわ」


 ――と、キッパリ言い切った。(いさぎよ)いなぁ。こういうところは見習うべきなんだろうな。


「それに、メッセージには〝未完成のマヨヒガに――〟ってあったんでしょう? だったら、完成した後のマヨヒガには、何かアレンジが可能なのかもしれないじゃない。悲観するのは早いわよ」


 ……うん、前向きだね。こういうところはパートナーとしてありがたいかな。


これにて第七章閉幕。年内の更新は終わりとなります。

また来年お目にかかりましょう。

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