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ぼくたちのマヨヒガ  作者: 唖鳴蝉
第三部 五年生 二学期
123/125

第三十章 ぼくらの繰越村再訪記 5.廃村トレジャーハント~潰れた廃屋~(その1)

本作に登場する地名・人名・歴史・道徳・法律・価値観・慣習・伝承などは架空のものであり、現実のそれとは無関係である事を、予めお断りしておきます。現実で作中人物と同じような行動をとった場合、何らかの法規に抵触するかもしれませんのでご注意下さい。

 ~Side 優樹~


 クリの木の事も気にかかるけどその前に、手近にある空き家の方を先に片付けようって話になった。【素材鑑定】が反応したのは、木材資源としての空き家全体に対してだろうけど、それ以外にも何か残ってるかもしれないしね。


 あ、空き家をそのまま取り込むっていうのは、さすがになしになった。消えた電柱に続いて消えた空き家の怪談なんて、増やす気はさらさらないからね。

 そうすると、つぶれてる空き家の中――と言うか下――にあるかもしれないものはどうするか、あきらめて放って置くか――という話になったんだけど……


「けど()(りん)ちゃん、これってほとんどつぶれちゃってるけど?」

「あら、だからこそ狙い目なんじゃない。先にやって来たトレジャーハンターたちも、つぶれた家の中までは捜索してないだろうし」

「……ぼくたちにもそれは無理なんじゃない?」

「そこはやり方次第だと思うのよね」


 ()(りん)はそんな事を言ってるけど……土の中に埋まってるものはともかく、つぶれた空き家の中にある家財道具なんて、どうやって引っ張り出すっていうのさ?

 ……まさかと思うけど、火魔法で上部を焼きつくす……なんて言わないよね?


「いくらあたしでも、そこまではやらないわよ」


 ――と、言うのが()(りん)の答えだった。少しはリョウシキってものを知ってるみたいで安心したよ。


「けど()(りん)ちゃん。だったらどうやって探すつもり? いくら木魔法でも、空き家の材木をあやつるとかは無理じゃない?」

「もう、そんな事考えてないってば。……土魔法を使えないか――って思ってるのよ」

「土魔法?」


 えーと……つぶれた家の下に穴を掘ってもぐって、下側から探し出すって事? ……確かに、そんな探し方はされてないと思うけど……


「そうじゃなくて……廃屋の中で土の柱みたいなのを伸ばして、一部を持ち上げられないか……って、考えてみたんだけど……」

「あー……ジャッキで持ち上げるみたいにするわけかぁ」


 できない事もなさそうだけど……その方法だと、仮に持ち上げられた床がくずれないとしても、


「床が残っているところだと、床ごと持ち上げる事にならない? 床下を捜索するには向きそうだけど、床の上に置いてあるものを探すのには向かないんじゃないかな?」

「……そこまでは考えてなかったわ……」


 結局はまず()(りん)の土魔法で、家の周りの地中を探してみようって話になった。もし空き家の中に(・・)何かあったらぼくの【鑑定】が反応するだろうし、金目の物なら『金霊(かなだま)』も教えてくれそうな気がするしね。


 で――()(りん)が張り切って地中探査を始めたんだけど……



「ね……ねぇ(ゆう)()……ここ……何か埋まってるみたいなんだけど……」

「? どうしたのさ()(りん)ちゃん?」


 何か埋まってるなら、さっさと掘り出せばいいのに……随分と腰が引けてる。らしくないなぁ。……〝及び腰〟っていうんだっけ。


「ち、違うのよ。……割れ物が埋まってるんじゃなくて……何か……箱みたいなのが埋まってるの」

「箱?」


 そのまま埋めてあるんじゃなくて、箱に詰められて埋まってるのか。確かに今までなかったケースだね。けど――それが何?


「だ、だから……その……お(かん)じゃないかって……」

「オカン――って……お(かん)? え? 棺桶(かんおけ)って事?」


 そんな大きいのが埋められてるのかぁ。いやそれよりも、棺桶が埋まってるのはお墓なんじゃないのか。ここは墓場だったのか。古い墓場の上に家が建ってるのか……って混乱したんだけど……()(りん)が言うには、


「生後すぐに死んじゃったり、死産だった乳児とかだと、ちゃんとしたお墓に埋めなくて、家のそばに埋める事がある――って、何かで読んだのよ」


 この辺りにそんな風習があったのか、そもそも日本の風習だったのかどうかもあやふやなんだけど、これがそのケースじゃないのか――って思い始めたら、気になっちゃったみたいなんだよね。


 けど……この空き家を見つけた時、何かに呼ばれたような気がしたのは確かなんだけど……お墓とか亡霊とか、そんな感じはしなかったんだけどなぁ。【立地鑑定】だって何も反応しなかったし。……どっちかって言うと、「金霊(かなだま)」に呼ばれた時の感じに似てるんだけど……

 ……いや、「金霊(かなだま)」の事だから、副葬品に反応した――って可能性もなくはないかな……?


「……とりあえず掘り出してみたら? ()(りん)ちゃん。その後で改めて、ぼくが【鑑定】でも何でもしてみるからさ」

「そ、そうよね……」


 そうそう、まずはこの目で見なくちゃ始まらないよ。


 で――おっかなびっくりの()(りん)をそそのか……はげまして、埋まってる〝箱〟っていうのを掘り出してみたんだけど……

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― 新着の感想 ―
箱かー。小鳥でも入ってるのですかね。
誤字報告機能がオフなので、こちらから >「あら、だからこそ狙い目なんじゃない。先にやって来たトレジャーハンターたちも、つぶれた家の仲間では捜索してないだろうし」 家の中までは
『箱』なら棺桶じゃないんじゃないかしら。 いつの時代かにもよるでしょうが 棺『桶』って書くくらい、桶に入れてましたもんねえ。
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