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ぼくたちのマヨヒガ  作者: 唖鳴蝉
第三部 五年生 二学期
110/118

幕  間 男前な彼女

 ~Side 木津川ひろえ(同級生)~


 体育祭の()(すみ)()さんはとってもりりしくて、もう本当にカッコ良かった。ちょっとアレで残念なクラスの男子なんかよりずっと。


 うちのクラスだけじゃなくって、他のクラスや他の学年にだって、あこがれてる女子はたくさんいる。男子なんか目じゃないくらい。

 今回の運動会でも、彼女の写真をとってくれるよう父兄に頼んでいた女子はいるはずで、その子たちから写真がこっそり回ってくる計画になっている。あたしもお母さんに――お父さんに写してもらうのは、何かセケンテイ的に良くないらしい――頼んでおいたから、後で見せてもらわないと。

 お父さんはふしぎそうな顔をしてたけど、お母さんにはわかるらしい。自分もおぼえがあるって言ってたから。それを聞いたお父さんは何だかフキゲンになって、それをお母さんがなだめていた。


 そんな()(すみ)()さんは足も速くって、クラス対抗の百メートル走では他のクラスの女子をヨユウで引きはなして、ぶっちぎりのトップでゴールしていた。お母さんはもちろんシャッターを切っていた。むしろあたしより熱くなって、〝シャッターチャンス!〟とか〝構図!〟とか〝目線こっち!〟とか叫んでたけど。……となりでお父さんがフクザツそうな顔をしていたのが印象的だった。

 後で先生たちが何かさわいでいたけど。……正式な記録をとってないとか、国体の記録がどうだとか……


 それでも、()(すみ)()さんはそんなさわぎを気にするようすもなく、いつもどおりにおちついていた。クールでカッコいいなぁ。……こういうのを「とうとい」っていうんだって、お姉ちゃんが教えてくれた。


 そんな()(すみ)()さんの二回目の見せ場は、チーム対抗のリレーだった。うちのチームは出おくれてたんだけど、バトンを受け取った()(すみ)()さんが、すごいいきおいで追いぬいて、トップに立とうかという時だった。


「あ!?」

「わーっ!」


 次の二年生が準備していた「大玉ころがし」の大玉が、強い風のせいでころがり出したのよね。そのままリレーのコースを横切って、二年生の場所につっこんで行きそうになった。

 その時になって先生たちがあわててたけど……()(すみ)()さんはまよう事なく大玉に取りついて、ダイサンジをミゼンに防いでいた。ヒーローってかんじでカッコよかったなぁ……


 あ、リレーはノーカウントになっちゃったけど。



 ********



 ~Side 優樹~


 大丈夫かなーとひそかに心配してたら、(あん)(じょう)――って言うんだっけ?――()(りん)がやらかした。たかが小学生の百メートル走で、何を国体記録とか出してくれてんのさ。先生たちが大さわぎだよ。……まぁ、正確なタイムを計ってないとかで、幸いにもウヤムヤになったけど。


 まぁ、それ一回だけならぼくも大目に見たけどさ……その後のリレーでもこりずにぶっちぎり――って……記憶領域どこに忘れてきたのかって思うよね? 先生たちも今度は参考記録にって、タイムを計ってたし。


 ……ま、大風で大玉ころがしの大玉がボウソウしてくれたから、勝負はウヤムヤになったけど。

 ……()(りん)ってば、結果をごまかそうとして、風魔法とか使って大玉を動かしたんじゃないよね? 後で聞いたらちがうって言ってたけど。


 ……万一の場合を考えると、早くレベルを上げてもらって、【記憶操作】とか【洗脳】とかのスキルをおぼえてもらう方が良いのかな? 闇魔法になら、そういうのもありそうだし。

【参考文献】よっしぃ(2018)怪しすぎ、インダルチャンス王国(前書き).「45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる」.N5874ET.小説家になろう.

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