表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼくたちのマヨヒガ  作者: 唖鳴蝉
第三部 五年生 二学期
104/125

第二十六章 ぼくたちの報告会@マヨヒガ 2.検討会~野槌異聞~(その1)

()(ごと)になりますが、やっとここまで辿(たど)り着きました。本当に長かった……

 ~Side 優樹~


 そんなこんなで「マヨヒガ」の中にコップとかを持ち込んで、案山子(かかし)さんやお地蔵様その他のみんなにお供え……と言うか、おすそ分けした後で、今日の本題である「転移者とワーム」問題について検討する事にした。……案山子(かかし)さんは恐縮してたけど、一応は家族みたいなもんだからね。

 あ、結局テーブルは手に入らなかったから、そこは段ボールで間に合わせた。()(りん)は不本意そうな顔だったけど、今は無い物ねだりをするより大事な事があるわけだしね。



「わかってるわよ……それで(ゆう)()、ワームの事は何かわかったの?」


 事前の打ち合わせで、ぼくがワーム関係の事を、()(りん)繰越(くりこし)村関係の事を調べるように分担していたんだよね。これはぼくのスキルとかも考えた上での判断で――


「うん。まず最初に【素材鑑定】を使って、ワームの素材を分析してみたんだけどね」

「うんうん、それで?」

「魔石についてはよくわからなかった……って言うか、こっちの世界の知識とかけ離れ過ぎてて、較べようがなかったんだけど……その分ワームの歯については、少し面白い事がわかったよ」


 ちょっと気を持たせるように言葉を切ったんだけど……()(りん)()れてきたみたいだから、そのまま話を続ける事にした。うん、【火炎弾】のイカク射撃とかされたら、シャレにならないしね。


「『マヨヒガ』の中でそんな事はしないわよ……それで、何がわかったのよ?」


 ……外だったら危なかったのかな……?

 ま、それはそれとして――ワームの歯だけど……


「――『角質歯』?」

「うん。【素材鑑定】によると、〝成分的にヤツメウナギの角質歯に似ている〟――んだって」

「……ヤツメウナギ?」

「うん、ヤツメウナギ」


 ちょっと意外だったよね。ワームっていうから、てっきりミミズとかムカデとか、そっち系の生き物だと思ってたし。


「えーと……つまり、ワームは水中のモンスター……って事でいいのかしら?」

「そうとは限らないよ? 歯の成分的にヤツメウナギに似てるってだけだし。水生だと決め付けない方が良いんじゃないかな」

「……だったら……何も判ってないって事じゃないのよ……」

「そうとは限らないよ? 問題なのはむしろ生活型……ライフスタイルじゃないかな?」

「ライフスタイル?」

「うん」


 ヤツメウナギの角質歯って、ちょっと普通の歯とは違うんだよね。毛とか爪みたいに表皮が硬く角質化したもので、これで魚の身体に吸着して孔を開け、生き血を吸うんだよね。


「……つまり、ワームも……その……ヤツメウナギみたいに、生き血を吸うって事?」

「その可能性はあるんじゃないかって事。あと、もう一つあって」

「……もう一つ?」


 やだなぁ()(りん)ってば、そんなに警戒しなくてもいいのにね。


「うん。仮にワームとヤツメウナギのプロポーションが似てるんなら、歯の大きさから全体の大きさを推定できるんじゃないかと思って」

「――わかったの!?」


 おぉ……()(りん)ったら、一転して前のめりだね。


「インターネットの写真からの大ざっぱな推定だよ? 大体だけど、口の部分の直径が二十五センチから四十センチ弱、体長は七メートルから十メートル……それくらいはあるんじゃないかって計算になったけど」

「十メートル……」


 うん。そんな怪物が現れたら、噂になっててもおかしくないよね?


「まぁ、これはあくまで、ヤツメウナギと似た体型って仮定した場合だけど。……実は、この仮定が正しいのかどうか、ちょっと問題もあるんだよね」

「問題?」


 うん。ワームについて直接わかったのはそれくらいだけど……別のアプローチを試してみたら、ぼんやりと見えてきたものがあるんだよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ