私の1ページ_26
サッカーの試合が終わり、駅に向かって人が流れている。彼の大きな背中でも見失いそうになって一瞬不安を感じるが、もう子供じゃないんだし、はぐれたって携帯電話も持ってるし、と思い直す。
でもはぐれちゃったらそのまま解散だよなぁ。
せっかくだったら何処かへ寄ってこの興奮のまま語り合いと考えていたのだけど。
いつもより早めに足を動かしながら、彼の背中を見つめる。
すると彼は歩きながら少しだけこちらを振り返り、私の手を握った。
「はぐれないようにな」
自分に言い聞かせるかのように彼は呟いた。