第二章16 曲がりなりにも聖騎士①
黒竜が引き起こした大災『大侵攻』が失敗に終わってからの一年間、メイアはナハト・ブルーメを筆頭とした魔法研究者達と共に、更なる技術の発展に注力していた。
とは言っても、それ自体は研究施設アルティ総員で前々より行われていたことではある。しかし此度の発展とは、生活を豊かにするための技術もそうだが、最も焦点を当てられたのは各員が持つ魔法技術の発展____すなわちパワーアップであった。
「さて、メイアの主力魔法と言えばやはり氷で武器を創造する『コルティツァ』であろうが、何か思い描く景色は広がっているか?」
「それが中々無くって……もう何年も前に一度、武器だけじゃなくって氷で衣装を作れたら面白いんじゃないかって考えたことがあるんですけど」
「けど?」
「『コルティツァ』第二形態の鎚って、普通のサイズだと重いから小さめしてるんですが、それと同じで、体を氷で覆ったら重くてとても戦える状態にはならなかったんですよ」
子供の頃の、決して甘美とは言えない思い出を振り返る。
遊びで失敗したとかであれば甘美の言葉で纏められたろうが、鎧を身につけようとしたのが特訓の一環であると知れば、子供に似つかわしくない殺伐な記憶と断言できよう。
ともあれ、ナハトはそんな異質性に触れることなく、ただ目下のパワーアップという目標の為だけに言葉を返す。
「つまりメイアは、今も重いものを振り回すことが出来ないから着ることも叶わない。だから良い発展先が思い浮かばないと言うのだな」
「そゆことです」
うーむ、とナハトの考え込むような素振りを見て、メイアもこの方向性は向いていないのかと匙を投げそうになる。
そもそもプレートアーマーのような重量のある鎧とは、攻撃を躱すというより、その防御力を活かして受け止めるという方向に重きを置いている特徴がある。
それよりも重さを落とした簡易版の、それこそ女性でも装備できるような鎧だって存在するが、それも避けられなかったときに致命傷を防ぐ為、程度の認識で現在知られている。
どっちの鎧を採用したとして、小柄な体型とすばしっこさを取り柄とするメイアにはどちらも強味を奪う結果となりかねないのだ。
だからナハトの評価も当然悪いものだろうと高を括っていたのだが、
「いい考えじゃないか」
予想外にもそれは肯定の一言だった。
「確かにそれが鎧である以上、メイアがどれだけ肉体を鍛えても今まで通りとはいかないだろう。けど、メイアのそれは言ってしまえば氷に過ぎない。だからいい」
「どういうこと、ですか?」
「氷ってのは気を抜いたら滑ってしまうものだろ」
「そうですけど……当時の記憶じゃ、摩擦がどうとか関係なしに全く微動だにしませんでしたよ」
「そのままなら、な。けど今のお前なら、というか氷属性の行使に長けてきた今なら、努力次第ではあるものの巧みにそれを使いこなすことができるはずだ」
この時ではまだナハトの言うことを理解できなかったが、言われるままに日が過ぎていく内に、段々とその凄さが分かるようになってきた。
氷がツルツルと滑る要因は世界の学者も悩む難しい問題として扱われている。なので多方面からの仮説が乱立し、それぞれを精査するには時間がかかるという点からも解析が遅れていた。
だがここ最近、ナハトは数あるものの内から、魔法発展に応用でき得る仮説を発見し、メイアの『コルティツァ』に適応させようと思案した。
その仮説によれば、滑るのは氷それ自体の摩擦が小さいからではない。無論、これも要因の一つではあるだろうが、最たる論は、氷の表面に水膜が張られることにある。
ここで断っておくが、説の真偽は重要ではない。物理と魔法では勝手が違う為に、最悪不都合はどうとでもなるからだ。
「まず、防具を創造する魔法……『コルティツァ・装』とでも仮称して、これの件でメイアにやってもらいたいことは大きく二つある」
二本指を立てて、この先していくことの指針を簡単に明確化していく。
「前提として、創造魔法は気体系魔力を主として扱うが為に気体系魔法として括られるが、厳密には違う。実際は液体系魔力の芯、つまり作りたい造形の軸となる部分に気体系を纏わせて武器などは具現化される」
何事にも土台は必要、当然のことだろと軽く説明する。
「大事なのはここだ。纏わせるとは言っても、武器にしろ防具にしろ、その形を決めるのは軸であり外側ではない。原則、頑強なものを作るなら軸の形通りに気体系魔力を重ねなくてはならない。だが悲しいことに、多くの人間は液体か気体か、そのどちらかにしか適性を持たないから、どうしても細部までこだわれない事態になってしまう訳だな」
なるほど、とメイアが腑に落ちた反応を見せる。
「私は一応気体だけじゃなく両特性を扱えるから、繊細な構築がし易くて、頑丈な装備を生み出せるはずだってことですね?」
「その通り! しかしメイアがまだ液体系魔法の使用に慣れきっていないことも事実。そこで、ようやく一つ目の指針だ」
「おお、何でしょうか!」
「メイアの攻撃魔法は多彩だが荒削りだ。そこで、使用属性を思い切って減らす。その上で、氷属性特級魔法の『アイスガトン』を習得しろ。これを詠唱し、コントロールが巧みになるということは」
「軸の生成も上手になる!」
気体系魔法の強化を図るのに液体系魔法を強くするとは、まさにメイア専用と言っていいような方法だろう。他の術者が適正の欠如により諦めるという、根本からの問題にメイアなら対処できる。
子供の時に失敗した方法が実現に近づいた感が尋常ではない。
「そ、それでもう一つはなんですか?」
「二つ目の指針、それは温度だ」
実現に近づいたと思ったら、また聞いただけで難しそうな単語が口から飛び出してきた。思わずメイアも眉をひそめてしまう。
「堅牢な鎧を装備したとして、これでは当初の問題である『どうやって素早さを活かしたまま動くか』を解決できていないだろ? それを解決するためには、氷の滑る特性を利用しない手はない」
「滑るって言っても、土の上なんかだと結局摩擦が凄いから無駄な気もするんですけど……まさか、地面を凍らせる?」
「正解だよ。地面と言っても足下だけでいいがね。でも、ただ凍らせるだけじゃ駄目だ。氷は一定以上温度が下がると逆に摩擦係数が増加してしまう。だから靴底部分と地面の温度だけ調節しなくてはならない」
一つ補足しておくと、氷属性魔法の温度調節には二通りの方法がある。
ひとつは火属性の力によって熱したり、逆に熱を巧みに操作して熱を逃す方法。実際にこの方法が主流であり、簡単な火属性魔法なら少しの練習で扱えるため難易度は低い。
しかし、
「私の予想では、メイアの場合は少数派の方法が最適だろう。覚えているだろうか、帰宅中に二人の刺客がメイアを襲ったあの日のことを」
「はい、カラピアとゴースですね。二人とは向こうの世界で再度戦ってますし、覚えてます」
「よし。なら、これも覚えていよう。私が駆けつけたあと、氷を溶かすことなく熱気を纏わせる術が自然と使えるようになったと」
「『逆巻く炎』の事ですか……でも、あれは今諸事情で」
「皆まで言わずともいい。大事なのはどうしてそんな芸当ができるのか、だからな」
メイアは申し訳なさそうに目を伏せ、表情を翳らせた。見兼ねたナハトはすかさずフォローを入れて、これ以上重くなる前に話を進める。
「焦点はメイアの氷属性の由来だ。知っての通り属性は複雑に絡み合っているが、中でも稀に、水属性由来の氷魔法を使役する者がいる」
「つまり、私は水属性に由来があると? だとしても、それ結局は氷属性に変わり無いんじゃ……」
「水は冷えることで氷になる。熱せば水蒸気になる。返せば、水の状態変化こそが本質だ。そしてメイアの『逆巻く炎』は氷に影響を与えない炎。本当のところそんな事例は初見なのだが、親和性の高い水属性が絡んでいると見て間違いない」
「えっと……ん? 理論が難しすぎます……」
その反応も妥当なものだ。
まだ魔法学を学び始めて浅いのに、いきなり属性の本質的な話に結びついてきているのだから。
「とりあえず今はこう覚えておけ。メイアの氷属性は水と熱を司る。消費魔力が多ければ氷の強度が上がるなら……」
足元に込める魔力量だけを少なく調節しろ。これこそが、温度を調整する為の第一歩だと解説する。
メイアはこの説明の意味を理解しているからこそ、更に難しい顔になっていく。
「ちなみに、その温度ってどのくらい……」
「厳密なことは言えないが、氷点下十度あたりが良いと一部の研究では示唆されている。そしてこれが最も重要なのだが」
「え、まだあるんですか」
「細かくて申し訳ないが、ここまで含めてようやく完成と納得できる領域に入るんだ。怖気付いたか?」
さりげない質問だが、ナハトに試されているとメイアは看破した。ここで怖気付いて立ち止まっていいのかと。でも、メイアは正直に答える。
「確かに日和ってはいます。こんな大量なこと、私にできるのかって思います。でも、だからって私は止まれないことも知ってますから、今さらですよ」
「ふふ、そう言うってことも知ってたさ。じゃあ遠慮なく進めるが、一説では氷が滑るのは水膜が張られているかららしくてな。ほら、水の滴る氷を指で掴む場面を想像してみろ。だから魔法の力でどうにか水膜をだな……」
「やっぱり無茶苦茶が過ぎますっ!」
____と、かくもしかじかで時は過ぎていき、一年。メイアは見事『コルティツァ・装』を完成させ、堂々秘策のひとつとなったのだ。
再度言及しておくが、メイアは液体系魔法にちゃんとした適性を持ってはいない。だから机上にて理想とされる精度に劣りはする。
けれど、その上でメイアは亜人獣魔ダリア・アイネックに一泡吹かせ、実戦で一役買ってみせた。これは疑うべくもなく、彼女の努力の賜物と言えよう。
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場面は、堅牢な装甲を剥いだ直後に切り替わる。
いくら防御に優れた装備が守ってくれたからといって、全身を打つような巨大氷鎚の猛威に振るわれれば軽い怪我どころでは済むはずもない。
「く、はぁ……はぁ……ひとまず、やっと戦局が動いたってところ、なのかな」
「わっかんねぇ。けど、今のは確実に気持ちいい一撃だったぜ、メイア」
「へへ、ありがと。フェルナンドの言葉がなかったら、私ずっと無我夢中でひとり暴れ回ってるところだった」
「礼なら帰った後で沢山もらうことにするぜ」
「残念、もう今回の分は昇華しちゃったもんね」
大きく吹き飛んだ後、沈黙を見せるダリア・アイネックを前にメイアたちもまた、大きく息を荒げて立ち塞がっていた。
夏の夜風を一身に感じながら、改めて周囲の様子を見回してみると、ここにミンスタージュという集落があったとは一切たりとも想像できない。
「アッバース様に連れられて来たばかりの時は、こんな隣の国に来て何するのかと思ったが……まさか自分の国より先に他国で暴れ回ることになるなんてな」
「そうだね……ねえ、今のうちにアイネックさん拘束しておくべきだよね」
「ああ。まあ馬鹿力すぎて拘束したところで意味なさそうって話した方がいいかな」
「無駄口は後でどーぞ」
フェルナンドが溢した懸念を払うメイアだが、実際のところ拘束してもすぐに破られるだろうという考えは同じだった。それでもなお無駄口と言ったのはメイアの矜持のような、無駄でもやるに越したことはないとの周到な考えからだ。
「けど、何で動きを封じればいいかな? 近くに縄も手錠もないし……」
「それならメイア氏、お得意の氷魔法で漬けてしまうのが手っ取り早いだろう。手っ取り早いと言うだけで、この惨状のあらましを伝えに近場の街まで彼を運ぶには荷が重いがね」
戦いの鎮静を受けアッバースが陰から姿を表すと、メイアの疑問に一案を出す。
「アッバースさん、お怪我の方は大丈夫ですか?」
「先程のメイア氏の助けあって無事だ。ささ、考えることは数多あるが、先ずは彼を凍らせてからでよいだろう」
「そうですね」
アイネックを直で氷漬けにするため、足下を冷やして摩擦を減らす。念には念をで槍を構えながら、未だ鎮静を続ける猛虎を視界の中心から外さない。
しかし、注視していたアイネックの方向とは裏腹に、メイアの殺意センサーが真逆の方向へと反応した。少女を狙う刃の殺意が、音もなく風に乗って向かっていた。
「ぐぁがッ!」
ギィィィィンと高い音を散らし、槍柄と双剣が相対する!
他者の悪意や殺意を感じ取れる、スマクラフティー兄妹が得た第六感。そして少ないとは言え、過去の戦闘の記憶から身体に刻まれた、危険に対応する反射能力が幸いしてメイアの身を護り抜いていた。
足下の冷気ゾーンから押し出されたが、地面との摩擦のおかげで延々と氷の靴が滑り続けるなんてことにはならなかった。
少々動揺しながらも、双剣の向こうにある敵の素顔を双眸に捉え、それが誰であるのかを明確にする。
「あなたは、番兵の____ 」
「あなた、常人以上の危機察知能力をお持ちのようだ」
冷静に、攻撃が防がれたことに対する分析結果を述べると、速やかに一歩後退し距離を取る。
「メイア、大丈夫か!?」
少し遅れてフェルナンドらも襲撃に反応を示す。
「ええ、私は問題ない! けど、まだ亜人獣魔の脅威は去っていなかった……」
斬殺を図った男はまたあの番兵だ。アイネックと対談する前に屋敷の番人をしていた彼、一度乱戦の最中にフェルナンドに横から妨害されてから後姿を見せなかったが、よもや先程と同じやり方で仕掛けてくるとは。
単騎で仕留めに来たようだが、男の姿は所々に深い傷を負っているらしく、まったく元気では無さそうだ。跳ね返された『嵐よ舞え』の被害を受けた証と言えよう。
深い傷を負っても立ち現れる、亜人獣魔の戦いへの覚悟が全面に見え、気はこれっぽっちも休まらない。
「多勢に無勢、勝てるはずもないか……敵数を減らせなかったことは、それでいいとして」
「おい、他の奴らもまだ俺らを狙ってやがんのか!?」
「騒がしい男ですね」
フェルナンドを一瞥して短く評価を下すと、質問に答えることなく跳躍してメイアの頭上を飛び越える。口数も無駄も少ない動きに警戒は一段と高まるが、どうも男は三人のことなど気にも止めていないらしい。
「アイネック様。ミンスタージュ駐屯地が軍将、ただいま馳せ参じました。どうぞお目覚めになってください」
「おま、いま何て____ 」
疑問が疑問のまま残留した状態で事は進行していく。
自身を番兵ではなく軍将と名乗った男の声に応じるように、アイネックの上体がのそりと起き上がった。強敵の沈黙は解かれたのだ。
「微かに風を切る音が耳を揺らしたと思い、沈黙を保っておったが正解だった。貴殿の働きに賛辞を述べたいところだが、敵が残存しているとあれば、それも後回しか」
「すみません、一人数を減らそうとしましたが失敗しました。正直、全身を柱が打ち木片が刺さった時はもう動けまいと確信し安静を選びましたが、そこな少女の死中に活な闘いぶりを見て己を恥じたばかりです」
「そうか。他の皆は?」
「は、甚大な被害を受けた状態で再び乱戦を始めてもアイネック様の邪魔になると考え、その場に控えさせました」
部下から上司への単純な報告と聞こえる。
ところがその実、双剣の男に仲間を控えさせる命令を出し、自分一人だけ参戦復帰するという行動ができる権限があると示していた。軍将という立場にあることは男の懸命な嘯きによるところではないと、この場の誰もが気付く。
「さてさて御三方、待たせましたかな。書類上に於けるミンスタージュの長とは別で、真に集落を取り仕切るのが右の彼でね。メイアといったか、少女の強さには敬意を表する」
「なら、ここで互いに矛を収めるって手もあるんじゃ?」
「残念ながら、不可能だ」
即答で和平への一歩は遮断される。
「私どもは世間より亜人獣魔などと呼ばれているが、私はそれが許せない。のうのうと生きて、不穏因子の解決は全て聖騎士やその他王朝に与するものに一任する。獣人と人族が対等な世などと謳っておきながら、対等なのはせいぜい半分。私は聖騎士団となって王朝を見て周り、憂慮は非難へ変わったッ!」
誰が見ても、いまのアイネックは黒い怨念の瘴気に塗れていると断言できるだろう。
とりわけメイアは強く、殺意のような邪気を全面に受けていた。でも、それはメイアに対するそれではない。アイネックの前にあるのはオーロイド朝の民衆、或いは王朝の全てと言ったところか。
「今日の亜人獣魔は思想を持たぬ暴徒と、そう世論は評している。嗚呼、この王朝は欺瞞そのもの、虫唾が走る! 私は世にあまねく実情が醜きか否かを自身の眼に映すため、聖騎士団の統括にまで上り詰めた。それが私を確信させたのだ。故に、怨嗟を断ち切ることは断じてあり得ない」
これが本物なのか、と。
アイネックら亜人獣魔の秘匿された敵愾心が剥き出しになった今、メイアにとっては初めての体験であった。
黒竜ラグラスロによる悪の強制でも、メイアの身体に突き刺すような殺意が襲った。ところがそれは、あくまでも作られた悪意でしかなかった。
「アイネックさん達のは、心からの……」
「メイア氏、フェルナンド。左の男は任せて欲しい。ただ背を刺されたからと言って休んでいられないらしい」
戦闘に不慣れなアッバースが名乗り出る。相手はかなりの怪我を負っているが、それでも軍将であるからして実力は向こうが上だろう。
「俺が弱いというのは承知の上だ。されど時間は稼げよう」
「アッバース様……おうよ、武運を願うぜ!」
「なんだ、そちらの非戦闘民ひとりが私の相手になると? 負傷中だからと舐められたものですが……いいでしょう。私の『嵐よ舞え』を利用された意趣返しとして、このボレアス・デジョン、受けて立ちます」
「ならば私も、意趣返しの意を込めて二人を相手にしよう。奇しくも、互いに戦う理由は謀略の為だったか……惜しいものだ。亜人獣魔の撲滅を掲げて助けを求めに来たからには、もう退路などあるまい」
本来なら、似たような目的を持つ者同士で良い縁を結べていたのかも分からない。
でもひょっとしたら、この戦いは仲違いの抗争なんかではなく、ただ己が意思の強さを相手に見せ合う為の儀式なのではないかと、そうメイアは考える。
こうあるべくしてある。
言ってしまえば、どんなことにでも当てはまる。あまつさえ、その便利性から逃げの一手として使われることだってあるだろう。だからと言って、睥睨し合う彼らが逃げているのかと聞かれたら全くの逆だ。
「自分の胸にある矜持を、誇りを……その為に戦うんだ」
こうあるべくしているのだと理解して、氷の床を張る。『コルティツァ・装』の調子は悪くない。
敵も味方も全員が闘志を再点火させ、
「では皆々よ。時が許す限り、己が力を振るおうじゃないか!」
アッバースの宣言で、二つ目の幕は切って落とされた!
お読みいただきありがとうございます。
次回はまた戦闘パートが再開しますゆえ、そちらも宜しくお願いします!