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勇者などいない世界にて  作者: 一二三
第二章 宿命の動乱
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プロローグ 始まりの願望


 世界は一つなんかではなかった。


 運命の悪戯とでも言い表すほかない偶然の惨事が発見に繋がり、しかも首謀者と被害者との間には与り知らぬ因果があった。たったひとつの、彼の先天的能力(オリのちから)がために。


 しかしそれでも足りやしない。

 首謀者の語る謎めいた言葉の意味。異世界との関連性。なぜ、世界の侵略が「安寧」の為と宣ったのか。何も解ってなどいないのである。


 ところで、世界にはあの法則があったはずだ。


 幸と不幸のバランスは保たれる。

 しからば、良いことの分だけ悪いことは降り注ぐ。


 たった今もどこかの場所で、運命の悪戯に選別されてしまった囚われ人がいた。

 彼女_____否、彼女たちは噛み合った歯車のように、ひとつの動きに呼応して巻き込まれた無垢な存在。どこに安息があって、何を為すべきなのかも隠匿された少女に過ぎない。



「彼らを、訪ねれば、私どもの存続に光明が差すのですね」



 その是非は測りかねるが、過去からの経験則がこれを是とする。ただ出来るのは不甲斐なくも頼るのみで。

 どうかテストで満点取れますようにと、或いは、どうか宝くじが当たりますようにと祈るように、彼女は縋った。


 唯々諾々と生きるのは目的が無いからじゃない。

 彼女たちは知っている。昨日を過ぎて、今日へ来た。

 だから、明日の為に強くあらねばと。



__________明日を生きる、平和な今日を創りたい。



 これは、そんな純粋な想いから始まった物語。度重なる波乱を抜け出した果てに残るのは、慚愧か充足か。

 先天的な力(オリのちから)を備えた彼もまた、未曾有の策略に巻き込まれるのであろうか。


 兎にも角にも、言えることがあるとすれば、

 世界は刺激を求め、今日も施策を巡らしている。


皆さまお疲れ様です、ようやく第二章です。


第一章こそ展開がやや早めでしたが、ここからはじっくりと進めていく所存でございますので、よろしくお願いします。

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