第一章60 古きを温ねて新しきを知る
柔らかな月光がグランの顔を照らした。
たった一縷の微光を前に目覚めると、一面に広がるのは圧倒的な暗黒。一方、空に浮かぶ雲海の狭間から顔を覗かせるのは、久しく見ることの無かった月の弧だった。
( これは………俺の知る闇の世界じゃないな )
太陽も月も星も無い、完全に閉ざされた世界だったはずだと振り返る。
( てか俺、ラグラスロの野郎に負けて……それからずっとここで寝たきりだったってことか )
冷たい土が容赦なく体温を下げ続けていたからか、体が硬くなかなか思うように動かせない。
精一杯の気力を行使して仰向けの体を90度回転させる。
そうしてやっと、腕や胴から脚まで欠けることなく存在していると実感が湧く。
「誰かが治してくれた? でも、一体誰が………」
四肢は内側から爆ぜていたような記憶との齟齬に疑問を抱きつつ、少しずつ視界を外に巡らせていく。
「ああ、そうだ思い出した」
眠りにつく前、グランと共にラグラスロに挑んだ人間が二人いて、彼らは目線の先でこちらを見ていた。
一方は、玉座に腰掛けるデアヒメル王。もう片方は、これに体重を預けて地べたに座るフィーストだ。
「よかった、無事………だったんだな。それで、ラグラスロの野郎はどうなったんだ」
「端的に言えば、ねびし爾が討ち滅ぼした」
「ね、ねび………?」
「つまり未来のグラナードが倒したってことだよ」
デアヒメル王の難しい言い回しを翻訳して簡潔に伝えるフィースト。
それにしたっていきなり未来がどうとか言われたところで、実際に見てもいない超常現象を聞いただけで理解出来るはずもない。現にグランはただ二人の顔をまじまじ見つめるしか出来なくなっている。
「なんだよこっち見んなよ。僕だって自分で言っててまだ実感湧いてないんだ。細かいことはこの、突然やってきて突然やばそうな魔法使って突然形成逆転まで持っていった謎の王様に聞いてくれ!」
「お、おう。てか待てよ……フィーストお前の傷は治ってないのか? なんでだ、なんで俺の傷は治してお前は」
「それも含めて全部、この王様に聞けよ」
自分からは一切語る気はない、という意思表示にグランは一度溢れそうな言葉を飲み込むと、体を起こす。
驚きやら何やらで血もよく廻り、冷えた体も少しずつ動くようになっていたらしい。
「んじゃあデアヒメル王に聞くが、そうだな……俺らは窮地に陥って王を呼んだ。そこまでは覚えてる。こっからだ、まず王様はここに呼ばれて何をした?」
「此度、吾がやったのはたった一つ、召喚魔法だけだ」
「召喚魔法だって………………………………なんだそら」
どってーん! と転びそうになったが、ここには誰も転ぶ人間なんて居なかった。なにせ王様は動けないし、グランはおろかフィーストも召喚魔法なんてものを知らなかった。
「召喚、すなわち何者かを "喚ぶ・召す" 術のことだ。古来この世界が闇に包まれるより以前に発展していた。それを千の年月をかけて応用を重ねた集大成こそが、吾の放った究極の術式」
「そんで来たのが、未来の俺」
「召喚とは言ったが、厳密に言えば交換だな。別時間軸から喚び出すなど無条件に可能ではない。それ故に爾を先の世界へ送り、四肢の負傷も向こうで治癒されたのだろう」
「待て待て! 俺が未来にって…………そしたらなんかこう、タイムリープ系って歴史改編を呼び起こすからダメみたいな話を聞いたことあるんだが!」
「実際に黒竜を討ち歴史改編しているのだから、何か制約を掛けられたのではないか?」
そう訊ねられても困る、という顔で黙り込む。
何を隠そう、グランには時間を超えただとか縛りを加えられたなんて認識は一抹たりともない。彼からすれば寝て起きたら死闘が終わっていただけなのだから。
「俺は寝てただけなんだし、制約がどうのこうのってんなら未来の俺の方なんじゃないか?」
「それもあるだろうが、果たしてそれだけで済むかいささか疑問だが………いや、さようなことを議論しても不毛よな」
一連の流れについて説明が終わったところで、無言を貫いていたフィーストが立ち上がる。
「なあ王様とやら。成長したグラナードが黒竜を倒したなら、何年かしたら今度はこいつが過去に行くってことで合ってんのか?」
「ああ確かに気になる。そこはどうなんだデアヒメル王」
「現状で吾に言えることはその可能性もあるとだけだ」
「「可能性だって?」」
釈然としない回答に思わず首を傾げる。
「爾らは並行世界の仮説を耳にしたことはあるだろうか。『もしも』の世界とも言えよう。本来選んだ道とは別の選択肢を歩んでいたとしたらどうなる。同じ結末を辿る場合もあれば全く別の結末を辿る場合もある」
「えーっと、まとめるとこうか? 俺がこの先ラグラスロを倒せるほど強くなれなかったとして、その時は俺ではなく "奴を倒せるだけ強い俺" がいる世界の俺が召喚されると」
「うむ、さようだ」
グランは何度も俺俺言ってて頭がこんがらがってきた。
頭では何となく理解できているが、言葉にすると滅茶苦茶になるアレだ。そういうのは言語化しても無駄なのだ。
「要するに、並行回路みたいなもんだろ? 回路の途中で分岐して、遅かれ早かれいつかは一つに収束する」
「並行回路というのが何か吾は存じぬが、恐らく的を得ているのだろうな」
「はぁ……回路ねぇ」
呆けた顔で短く反応を見せるグランを見て、フィーストは「もしかして」と眼光を煌めかせる。
「おいグラナード。さてはお前も理解してないな?」
「なな、ななななななんでバレたし」
「王様は千年も前の時代の人だから回路を知らんのはいいとして、お前は少しくらい教育を受けてるはずだろ。さてはとんだ阿呆だったか?」
「何だよ知識マウントしやがって。回路が機械絡みの何たらってことは知ってるけど、直列やら並行やらって話は俺の村じゃまともに勉強してねぇんだ」
「はッ、田舎者だったのかグラナード」
「ちなみにデアヒメル王と俺は同郷だぜ」
「え」
ガバっと振り返り言葉の真偽を確かめる。
王は静かに頷いた。
「田舎者を罵ったなら、王様も罵ったもの同然だなぁ?」
「ぁぐ………くッ! 今回のところは、無かったことにしてやるよ」
「いや、それ俺らのセリフなんだわ」
歴代最強の失踪者相手には大口をかませない、長いものには巻かれるタイプのフィーストなのであった。
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同刻、山脈麓にて。
第二拠点前に広がる森の入り口辺りで、微弱な月明かりなんかよりも堂々と主張を強める光源がひとつあった。
それは太陽でも鉱物でも、そして魔物でもない。
「どうして、どうしてですか……!!」
今にも涙を必死に抑えるように声を震わせ嘆く声が森を駆け抜ける。
彼女は爛々と輝く光を目の前にしていた。
赤く燃え上がる光景は遠目で見れば焚き火でもしているようだ。そうじゃないから、彼女は叫ぶ。
「メイアさん! メイアさん! どうか耐えて下さい!」
炎に包まれているのはメイア・スマクラフティー。数分前まで続いていたカラピアとの戦闘途中で攻撃を受け、メイアの身体から火が吹いたのである。
そんな状態で生きながらえ敵を屠ったことも信じ難いが、そんなことが脳裏を過ぎる暇さえ今はない。
「私の回復魔法があれば肌が焼け爛れるより速く体細胞を再生させることは簡単。なのに、なのに!」
治癒に専念するミステルーシャ・アプスの心配事は、回復量が足りないだなんて分かりやすいものではなかった。
「________どうして、この火は消えないの!?」
まず火を消すと言ったら水だろう。
でも支援型の魔法使いであるルーシャには水を発生させる魔法を持ち合わせておらず、その手は打てない。
なら何が出来るのかと考える。
そもそも火は酸素が無くては始まらない。であれば真空状態さえできてしまえば炎もすぐ消える。そして、ルーシャには真空を作り出す術がある!
ところが。
「真空すら凌駕するんだ、この炎。メイアさんに限界まで息を止めてもらってまで試したのに、ダメだと言うの?」
そんなこんなで、結局ルーシャにできるのは命を繋ぎ止めるだけ。
それでも無限にこれが続けられると思ったら大間違いで、当然魔力は消費する。ただでさえルーシャも戦闘で疲弊しているのだから長く保つはずもない。
「お願い……メイアさんを救えるのは、グランさんだけ」
燃焼と再生を繰り返されるメイアにとっても、残りわずかな魔力を搾り出すルーシャにとっても、この時間は地獄絵図。二人はただ祈ることしかできなかった。
一方、グランとフィーストは。
「グラナード、そろそろ着くぞ。あいつらの戦いはどうなったと思うよ」
「何言ってんだ、負けるはずがねぇ」
「………そうかい」
フィーストの槍で高速飛行し、急いで仲間の元へと戻っている最中だった。
ちなみにデアヒメル王は一通り話が終わると、来る時に用いた古代魔法具を再度使用して拠点に帰還済みである。
「黒竜が破れて時間が経つにつれ嫌な空気が浄化されてく感じがするな。これでようやく太陽を拝めるってわけだ」
「はは、そうだね。太陽はおろか月すらも隠された世界にずっと居たせいか、僕らにとってここが当たり前になっていたよ。ああそうだ、朝がやって来るんだ」
体こそ満身創痍でも、心は満ち足りていた。
「一度は死んだ。でもこうして今は生きてる。こんな不思議なことはもう起こらないと思うから、グラナード」
「なんだよ」
「僕は絶対に、お前を倒す」
それは、フィースト・カタフが掲げた第二の、いや第三の人生の目標だった。黒竜に負け、グランに負け、しかし次こそはと意気込む彼のやる気が伝わってくる。
「じゃあ、俺はいつだって勝ち続けてやるさ」
「はッ、言ってろよ」
青い閃光が山を越える。
麓を覗き込めば鬱蒼とした森が姿を見せ、ずっと奥を見れば丸い地平線が横たわっていた。
「兎にも角にも、ラグラスロに堕とされた生命は浄化されて理性を取り戻した。つまり老いが再開するってことだから、あの王様もそう長くはないのかもね」
「そりゃあ困るな。落ち着いたらまたデアヒメル王のもとで修行しようかと考えてたんだが」
「ふん、あの老ぼれが長生きするといいがな」
「老ぼれて、本人いない所では罵るのかよ………」
「黙れ黙れ、急降下するぞっと」
「俺がチクってやるぁああああああああああああああ!!」
自由落下なんて比じゃないくらいの爆速で浮遊感が全身を貫いて、思わず中身が全部出そうになった。
これが原因で高所恐怖症になってもおかしくない。悪夢になって夜な夜なこの情景が浮かぶイメージが脳をチラつく。
「フィーストてめええええええ! 死を覚悟したぞ!」
「おい、あそこに光が見えるぞ」
「聞けよ! ここで俺を殺すつもりだったのかって____ 」
「あれ、アプスの女だ。でも、お前の妹がいないぞ?」
「_______________________何だって?」
フィーストのたった一言で、急降下の話はどこかへ消えた。グランもルーシャの姿は捉えたが、その周囲でメイアがどこにいるのか分からなかった。
そんなはずないと言い聞かせる反面、もしかしたらと一旦思えば沼のようにハマっていく。
「嫌なことはもう考えたくない。でも、自然と心が『もしも』を考えて止まらねぇ」
ルーシャの数メートル背後に着地する。
激戦の形跡が周囲に見られ、肝心のメイアは依然として視認できず、ルーシャの後ろ姿もどこか無気力だ。
「ルーシャ」
名前を呼ぶと、肩をピクッと反応させて振り向く。
普段の慈悲に富む美しい顔が今、想像を絶する豹変ぶりを見せていた。涙の瀑布で潮垂らせ、艶やかな白も今やどこか髑髏を感じさせる青褪めっぷりだ。
この顔をグランは知っている。知っていた。
( これは、演技なんかで表せるもんじゃない。あの時あの場所で、親の死を目の当たりにした俺らと全く同じ顔だ )
今でも鮮明に浮かび上がる。
父母ともに一本の柱に貫かれ、追い討ちの落雷で命を刈り取られた見るに堪えない残酷な現場。彼方までこだました兄妹の絶叫。
知っているからこそ、言葉が詰まる。
「おい、何が、」
「グラナード」
フィーストがただ静かに顎をしゃくってルーシャの方を向いた。側では黒い何かが燃えていて、気付くのに数秒とかからなかった。
ルーシャはずっと、手を火にかざしていた。
ただ暖をとっていたのでないことは明らかだ。
「嘘だろ、おい」
「グランざん………メイアざんがぁ………!! 」
「メイアッッ!!!」
前のめりでルーシャの真横まで駆け膝をつく。
「まだ回復してるってことは、生きてるんだよな、そうなんだな?!」
「まだ、がろうじて生ぎ、生ぎでまずぅ! でも何をヒック、やっでも火が消えなぐでぇ!」
「消えない炎………俺の『オリロート』と同じってか。でも俺が消せるのは自分の炎だけだし、それ以外の消し方なんて知るわけ無いしそれでええと_____!! 」
頭がほぼ真っ白な状態のグランの肩にそっと手を置いたのはフィーストだった。いつもの煽りではなく、メイアを救うための基礎を固める。
「落ち着けよグラナード。救いたいなら尚更だ。慌ててたんじゃあ何も解決法なんて浮かびやしない」
「お前、これを消す方法を知っているのか」
「まず間違いなくこれはカラピアのダガーナイフが要因だ。ナイフで切ったものを火だるまにするって代物。そう、そこの楽器あるだろ、アプスの女が使ってたアレ。あれと同じで太古の住民が作ったらしいんだが、当然火を消す道具もある」
「どこにある!」
「だから落ち着け。残念だが僕はその道具の在処は知らない。だから」
「だから諦めろってか?! 馬鹿言うなよ!」
喚くグランの頬を、思いっきりフィーストが叩いた。
ここで初めて、心中に渦巻く焦燥が緩まった心地がして、ルーシャの泣き声も自ずと止む。
「落ち着けって言ってんだろうが、クソったれ」
「__________。」
「だから別の方法を探そうって話をしてるんだよ、僕は。あの火は魔法じゃないが、原初の炎とか呼ばれる特殊なものなんだとかラグラスロが言っていた。そしてお前、今言ったよな。同じく消えない火の魔法が使えるやらどうたら」
「それがなんだ。俺には火を消す魔法なんてないぞ」
「でもあるじゃないか。たった一つ、その可能性を大いに広げる お前だけの業が」
_________そこからは早かった。
神槍トロフィーの魔力をルーシャに分け与えるとすぐ、グランの指示で男二人はその場を離れ飛び立つ。
「お前と初めて会ったあの拠点の、更に南に広がる森林の奥地を目指すんだ。あそこに、俺の求めるものはある!」
かなり離れた地にあるが、フィーストの槍が生み出す推進力は圧倒的。その分、全身にかかるGも恐ろしいくらいだが、先程の急降下と妹の危機的状況に比べれば何も躊躇うことはなかった。
しかしフィーストは納得していないらしく、
「僕がお前に言ったのは、想いを力にするとかいう馬鹿げた魔法ほことなんだが、なんで遠ざかってるんだよ!」
「そんな簡単に何でも力にできやしねぇんだよ! だから特別な炎を消すため特別な水を汲みにいくんだろ?!」
「知るかっての。 『万物の根源は火である』という説も『万物の根源は水である』という説も両方ある。その大元どうしが相殺し合ったら上手く消えるんじゃないかってのは正しく聞こえるが、だからって都合よくそんな______ 」
「そこで俺の業だ。インスピレーションを得れば、メイアを救う手立てだって見つけられそうなんだ」
「( 畜生、どいつもこいつもイカれた魔法ばっかり使いやがって………)」
そう小さく吐かれた言葉は誰にも届かないまま、何の進展もない掛け合いが続き、その内しばらくして初期拠点が見えてきた。
懐かしさもさることながら、でも今は立ち寄る暇もなく通り過ぎる。
「見えた!」
「ちょ、おい急に降りるな!」
慣性と風に全身を振り回されてながらも、魔法の力でバランスを取ることで上手く空を駆けるグラン。
落下しながら向かう方には何やら大きな湖が。ただの湖にしてはエメラルドグリーンの輝きを醸しており、遠目でもどことなく神聖さを感じ取れる。
「そういやあんな場所あったな………確かあそこに、」
「フィーストも来いよ! よく分かんないけどヘキサ・アナンタは今いないっぽい!」
「そうそう、ヘキサ・アナンタが鎮座してやがったんだ」
二人は着地すると、湖の辺に膝をついて顔を覗かせる。凪ぐ水面に映る自身の顔が、手を入水させることで一気に原型を無くす。
「やっぱこの水は普通と違う。不思議なエネルギーが充満してて、傷つく者を微量ながら癒してくれるんだ」
「………本当だ、気付かなかった。僕が大蛇と一戦交えたときは空から一方的に襲撃して終わらせたから、水のことは全く気にしてなかったよ」
「便利な槍だな、本当」
苦労してヘキサ・アナンタを撃破した身としては大変羨ましい限りではあるが、悠長に話してもいられない。
「それで、ここまで来て何も得られませんでした〜なんて事にはならないだろうな」
「_________。」
既にグランはフィーストの質問に答えず、瞑目して己の世界に入り込んでいた。その内、全身を覆い尽くすようにオリのオーラが滲み出し、完全硬直する。
( こんな一瞬ほどの短時間で、ここまで集中できるものなのか………けどこのオーラ、まだグラナードには重すぎる。この時間だって重苦と闘いながらのはずだ )
この予想は的中していた。
ただでさえ一振りだけで腕一本を破裂させる強大すぎるオーラなのだ。それを再び発現させては無言でじっと集中するなど常人にできやしない。
( 何故なんだ、妹の命が掛かっていたら常人の限界を超えることができると言うのか? 耐えられず頭から落水してもおかしくない状況なんだぞ……… )
フィーストの懸念をよそに、グランは数ヶ月前、初めてデアヒメル王と邂逅した際の言葉を反芻していた。
強くなるには何が必要か、あのとき彼は語ってくれた。
( 己を學び、魔法を識る。そうやって新たな力を得る )
触れる麗水の心地、接触面から流れる悠久のエネルギー、神代の伝記『討譚』に書かれた勇者アクイロの水魔法。
そこから導かれるグランの脳内イメージが、原初の力に分水嶺を呼び覚ます。
( 己を學ぶとは、自己の可能性を拡大すること。魔法を識るとは、発現する瞬間を想起すること )
瞼の裏に映るのは水の波紋、せせらぎ。
その狭い範囲の景色がしだいに広範囲に拡張されることで、グランの中で原初の水たる何かが誕生した!
「来た」
カッと目を開くと同時、想いの力はカタチを変え、グランを囲う小さな渦になる。
これこそがグランの新たな力。
如何なる烈火をも鎮静し、石をも穿つ水魔法。
「おいグラナード、これは一体なんなんだ」
「『オリブラウ』」
「なんだって?」
「_________メイアを救う、そのための方法だよ」
今回も読んで下さりありがとうございます
60話で第一章も終わるだろなんて思ってた過去の自分は忘れて、あとちょっとばかしお付き合い下さい!
では、次回と評価の程もよろしくお願いします〜