第一章33 望みに応える魔法
ガンッ!と、堅い音が響いた。
この時初めて、グランは、その男に一撃を叩き込んだ。
重いはずの拳の攻撃だったが、男は一歩のけぞっただけで、その肉体に拳が喰い込むことすら叶わなかった。
だがしかし、それがグラナード・スマクラフティーを弱いと断定できる証拠にはなり得ない。彼は強いし、更にその力は強まっていくだろう。
ただ、残念なことに。
一撃を受けながらもダメージを負った素振りすら見せないその男が、異次元とも思える程に強過ぎた。本当にそれだけのことなのである。それが超えられない壁であったというだけの、簡単なお話。
ところで、グランが戦っているらしき男とは一体誰なのかと、気になっていることだろう。
何、わざわざ隠すことでもない。
結論から言おう。
彼の名を______デアヒメル・ターヴァという。
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「その様子を見ると、どうやら第一目標は達成したらしいな」
大きく息を乱しながらグランは返答する。
「なんとか、だけれども、ようやく動けるようになって来ましたね」
「いい調子なんじゃないですか、グランさん!」
しかし、玉座に座る目前の男は厳かに、
「それでもまだ、爾はそれまでの実力しかないらしい。これでやっと一撃を叩き込めたという段階でしかないのだろう?」
キツい言葉のようにも思えるが、事実だからこそ無碍にすることもできない。発される言葉自体に、不思議と物理的な圧すら含まれているようにも感じる。
それが、デアヒメル・ターヴァという人物の恐ろしさ。
歴代失踪者で最強と呼ばれるだけの事はある。
「まだまだ、ですね。ここから、もっと動けるようにならないといけない」
そんな男に一撃をお見舞いできただけでも、グランとルーシャのコンビが噛み合って来ているということなのだが、彼らはそれでも満足していない。
と、そんなことより。
グランは確かに、デアヒメルと言う男を攻撃した。それは揺るがぬ事実であるはずだ。
では、何故デアヒメルは、まるで彼らの達成したその事実を知らないかのような口振りで語っているのだろうか? 自分はそれを体験していないとでも言いたいように。
とは言え、その理由____絡繰をグランとルーシャは既に知っている。
言葉で表現するなら簡単だ。
ミステルーシャ・アプスは今回の成果に感想を溢す。
「まだ始めて数日ですが、さすがグランさんです。最強格と名高いあの最盛期のデアヒメル王さまの動きを即座に学んで吸収していくんですもの。このままのペースで行けたなら、戦闘力は数倍にも膨れ上がりますよ!」
「そうだと良いがな。このまま王様に追いつけるってんなら嬉しい限りだが、多分あの人はまだ本気すら出していないろうし」
「よく解っておるではないか。過去の吾が、そう易々と力の真髄を見せびらかすとは思えない。されど、善い。己を學び、他を識ることが出来れば、強い弱いの関係を時に翻すことすら出来る。今はただ経験を積み、それを確実に吸収することを考えればよい」
経験値。
それは、敵を倒すことなどに代表される困難や出来事をこなした時に得られる成長への糧のことだ。どこかのゲームのように一定の値が吸収できるわけでは無いし、何かを達成しても何の経験にもならないことだってある。
そう、この話は、グラン達がいかにして経験を積むかを考えたその時に遡る。
1週間ほど前のこと。
グランは久々に、ルーシャは初めて王のもとへ訪れた。
典型的な王様の服装とは天と地の差があり、王冠も無ければ聖職者などが着るような格式高い服も着ていない。グリーヴやガントレット、レザーアーマーなどを装着した姿は、動き回ることに特化した冒険者のそれとなんら変わりない。
ルーシャはそのギャップに驚かされたようだが、既に一度話したことのあるグランは気にする様子も無く開口一番から本題に入った。
「突然のお願いですけど、やはりデアヒメル王の力を借りたいと思いまして。拠点を出て色んな魔物と戦ったりはしてはいるものの、やはり強い御方に勝る経験値は無い」
「ふむぅ」
ぎょろりと、顔を覆い隠すほど伸びた髪の隙間から眼光が煌めく。ゆっくり、舐めるような視線に身体を這いずりわまる感覚さえ感じたが、ルーシャがオロオロするのを見ているとそれも薄れていく。
そして、
「なるほど。幾多の経験を積み、以前と比べればだいぶマシにはなったらしい。近く、千年も風の靡くを聞いていれば分かることがある。頃合いか、と」
「……何を言っている?」
「軽い予感のようなものだよ。ほれ、覚えているか。前に吾は、これから爾は多くの助けを得ることになるだろうと予想した。実際にそうなっただろう。新たにやってきたそこの女子と共に手を取り合って助け合うことになったはずだ」
「え、私ですか? ……というか、すみません! ご挨拶がまだでした、私はミステルーシャ・アプスと申します。宜しくお願いします!」
「……なるほど。近いうちに何かが起こるらしい事は分かったが、例えばなんなんだ?」
デアヒメルは簡潔に答えた。
「さあな」
「「いやわからないんかい!!」」
グランは思わず頭を抱えそうになるも、寸前で抑える。
未来に何が起こるかなど分かるわけもない。当然の事ではなかったか。それを勝手にデアヒメル王ならできそうなどと一瞬でも考えたのはグランの方だ。文句は付けられない。
「だが」
王は言う。
「己を識れと言ったからには、吾もまたその手助けをせねばならない。何が起きてもいいように」
「と、言うと」
「爾ら、こちらに寄れ。今から過去の吾、すなわち最盛期のデアヒメル・ターヴァと邂逅してもらう」
「「………………………………………………え?」」
あまりにも簡単に常軌を逸した内容が耳に飛んできた気がしたが、それは現実だ。今、彼は何と言ったか、そう。
過去との対峙。
「それってどう言うことなんですか??」
「実際に見て、感じれば否が応でもわかるさ」
言うと、王は何かしらの魔法で立方体の結界のようなものを生み出し、それが2人を囲む。
「お、おい?????」
その半透明の四角い世界は徐々にその色を濃くしていき、遂には外の景色が全く見えない状態へと変貌していく。全くもって違う世界と考えるのが妥当か。
いつの間にか、周りを囲んでいたはずの立方体の壁は見えなくなっている。壁がない、無限遠にまで続く永久の世界。
最初に異変に気付いたのは、やはりグランだった。
「誰だ!!」
悍ましいまでの覇気が彼を刺突する。
先にいたのはひとりの人間。デアヒメル王と同じ砥粉色の髪だが、彼とは違い重力に逆らうように伸びている。と言っても、装備はガントレットやレザーアーマーと王様のそれと完全に一致。
つまり、
「若かりし頃の、千年前の王……?! 」
「こ、これは_____比べものにもなりませんね。まるで人間の境地とは思えない力量を感じます。それでも彼は人間なのですから、一体何をすればあんなに……」
「ほう? 遂に動き出したんだな。誠に感心感心。では早速、爾らの強さを確かめさせて貰おうじゃないか? そうだな、まずは吾に一撃でも叩き込んでみろ。まずはそこからだ!」
ご老体の王とは違って割と明るめの人なんだな、なんて考えている暇など微塵もなかった。
「ご、ふッ_____!!! 」
「グランさん?!」
よーいドンの合図なんてくれない。
あるのは、力を試す軽い挨拶だ。ただし、その挨拶が目に見えぬ拳の砲弾であるのだが。
(ひでぇ、なんだこの馬鹿力。分かりきってたことだが、俺らは一撃を叩き込んでみるなんて次元にすら立ててない!!)
今のであばら骨数本は折れたに違いない。呼吸も苦しい。
「『スラヴ』」
なけなしの継続自己再生魔法を掛けるが、おそらく効果は見込めないだろう。
(でも、動かなけりゃなんの意味もない!!)
「ルーシャ、支援を頼む!」
「勿論です!」
「ほほーう、立ち上がるか。第一関門は突破かね」
ふわっという風に、グランの身体が浮くように軽くなる。ルーシャの支援魔法の効果を受けて、とにかく一直線に間を詰めていく。
( 無駄にちょろまか動いても通じない。だから最速で王へ接近して______ )
「ナイス英断。だが、ちぃと遅さが目立つ」
「うし、ろ??」
前進する勢いを殺さずに振り返る。
(え、いないぞ )
「なんで振り返る? 俺はここに居るのに」
背中を襲う衝撃にグランの意識が持っていかれた。外界との接続が遮断され、自分と這い回る痛覚だけの世界が出来上がる。一寸先は闇とはこのこと。
なんとも呆気ない終わりだろうか。
「(ナイスだ)」
それは、今ここにグランしかいなかったならの話だが。
「怒涛の嵐が襲うぜ、『オリオクタ』・ダブル!!」
小指に『赤い糸』がくくりつけられたその右手から、脅威の16連発魔法が飛び出す。くねくねした軌道上を動きながら、背後にいるはずの男の目の前に到達して。
「善きかな。その根性、その連携!」
大爆発。
蒼い光が四方八方に線を描いて霧散し、爆風は吹き荒れる。それも、ルーシャがかがまなければスカートが捲れ上がるだけでは済まされず、盛大に後転をし始めてしまうくらいに。
「一撃、叩き込んでやったぞ! ありがとうルーシャ!」
「い、いえいえ! ほぼ神経反射で支援魔法を放っていたようなものですから」
言いながら、ルーシャはグランの右手に『赤い糸』が残っていないことを確認する。死闘が予想されたものの短く済んだのは、彼女が即座に「デアヒメル王に攻撃を命中させる」運命を魔法で確立させていたからだ。
どうなることやらと不安を覚えたが、とりあえず安堵の一息と言ったところだろうか。
「そういえばグランさん、やっぱりその魔法って____ 」
しかし、ルーシャの言葉は突然の号声にかき消された。
「残念だが、諸君ら! 吾はまだその『一撃』とやらを受けていないのだがね? そこのところ勘違いをしないでいただきたいのだよ!」
爆炎の中から平然と、例え魔法が命中してもかすり傷にもならなかったろうが、彼はいた。白い球体の中に寝そべるようにして。
「その障壁……」
「魔法球、ですよね?」
「お察しの通り、魔法球だ。何の魔力的効果もないただの薄壁だと思ってるなら違う。これは強固な防御となるのだよ」
しかし、ルーシャにはそんなことより気掛かりなことがあった。
「私の『赤い糸』は、私たちが目的を達成するか糸が切られるかするまで効果は続く。でも、今グランさんの手には糸が無い。じゃあ、いつ切られたの?」
「なるほど、あれはそんな効果だったのだな。何か分からん故にそこの男の攻撃に合わせて排除しておいたのだが」
(全く気付かなかった。いや、最初の王様の動きからずっと、そもそも私はあの速さについていけていなかった!! )
そんな彼女の心境など意に返さず、時は潤滑に流れていく。
「しかし、ここまでよく耐えたな。ご苦労さんっと」
寝そべった体勢のまま、王は天を見上げる。
一線を画した別次元の魔法が、遥か上空で既に。
渦巻く暗雲。
光る彗星。
風斬る鳳凰。
「見たことも聞いたこともないような魔法。でも、死ぬ気で身を護らないといけないのは分かります!いきます、 結界展開。魔力攻撃遮断、二重壁仕様!!」
ザリザリザリ____ッ!!!!!
紙を引き千切るような音を鳴らし大地に突き刺さったのは、淡く光る巨剣だった。上を見上げればまだ何十、何百とあるかもしれない数多の剣が豪雨となって落ちてくる。
「駄目、私の一番の力でも意味なんてまるでない!」
「あらかた予想は出来てたが……でも本当に俺らをここで殺すようなことをするかねあの王様は?」
しかし王は豪快に笑う。
「何を呟いているかは知らんが、死ぬなよ?」
「ああ、クソ! ルーシャ、もっと寄れ!」
「え、ええぇ?! 」
ルーシャの腕をガッと掴んでほぼ密接するくらいの距離まで引き寄せる。そして、彼女を掴む手と反対の手に魔法球を出す。
「いっつも頼りになります、『デアヒメル』!!」
大剣がグランらを貫くように落下した。それは結界を叩き割り、白い渦巻く霧の中に突入すると大轟音を立てて爆発する。
「ぐあああああああああッッ!!」
「きゃああああああああ!!!」
即必殺の魔力一閃。
ではなかった。
必殺の攻撃であるなら、そもそもダメージボイスすらも響くはずがない。であれば、破壊の剣は……
「今の俺の魔力量だと、全てを吸収できずに被害は出てしまうようだ。でも、首の皮一枚繋がった」
「でもまだ安心は出来ませんよ、落下してくるあれはまだ途方もない数あるんですから!」
そしてまた、地獄の雨は着弾する!!
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現在、すなわち過去の王との邂逅から数日後。
彼らが生きていると言うことはつまり、無事に剣の嵐を切り抜けたということになる。
逃げ回るだけしか出来なかった初日を振り返る。
反撃しようとして反反撃された2日目を。
そしてその次の日も、次の日も、、、、今日を。
そこまで振り返って、ルーシャは確信していった。何のことかと言えば、彼女の異世界攻略のパートナー的存在、グランについてだ。厳密に言えば、彼の魔法についてだろうか。
王との会話も終えた、夜の帳も下りた頃。
疲労も溜まる中、わざわざルーシャは彼の部屋を訪ねその確信を共有することにした。部屋の外から声をかけ、中に入る許可をとる。
「グランさん、少しだけお話しいいですか?」
「…………ああ、いいけど」
こんな夜になんだ? なぜ部屋を訪れた?なんて、青年期の男性一同は期待を膨らませることだってあるかもしれない。夜に女子がやってくると聞いて身構えない者はいない。
しかし、グランは。
(え、何。平然を装って短めに返事したけど、やば、鼓動が早くなりそう。冷静になれグラナード・スマクラフティー)
やっぱり、一般男性となんら同じであった。
「失礼しまーす。って、なんで片足立ちして深呼吸してるんですか。ま、まさか、」
「いや、何というかその、あれよ」
「スマクラフティー家独自の就寝前ルーティーン??」
「そそ、そんなところかな! 母直伝のルーティーンのお陰で体幹が鍛えられてるのさ」
全くの嘘っぱちに母の存在を利用してしまったことに心が痛むのであった。しかし一体どうしてか、なんとか心の騒めきを誤魔化すことには成功したらしい。
(それで、何の用なんだ? 服装は……いやいつも通りだ。特に何かを意識したようには見えない。まさか油断させる為か)
(う〜ん、一体どうやって切り出しましょう。疲労困憊なのに突然貴方の魔法がどうのこうの言うのもなぁ。いや、疲れてるなら早く話を終わらせるのが一番ですよね)
「「それで」」
と、2人の声が重なる。お互いに譲るような間が生まれるが、先にその沈黙を破ったのはグランだった。
「それで、話というのは?」
「はい。その、グランさんのことで気になることがあって」
ドクンドクンという風に拍動が加速するのを感じる。
気になるという単語ひとつで世の男性はこうも思慮が浅くなるのだろうか。
(来た。これはまさに、夜のアレって訳だな??)
「えと、グランさんが持ってる『オリオクタ』って言う、不思議な魔法について私なりに考察したんですが、聞いて頂けますかね??」
「あ、れ? 俺の、魔法?『オリオクタ』?」
「はい、そうです」
ガッシャーン!と、何かが割れる音が心中から聞こえたような気がする。いや、気のせいだろうか。
(まあ、元の世界へ帰るって言う目的を同じくするパートナーって関係なだけだもんな。分かってた)
何はともあれ、青年期男子の儚い妄想篇、完である。
ルーシャに怪しまれないよう、無難な身振り手振りを交えて路線を修正していく。
「はいはい、魔法ね。んで、『オリオクタ』がどうしたよ」
「まず結論から言ってしまいますね。それ、もしかしたらグランさんの望みに応える魔法なんだと思います」
何の事だかさっぱり、でも無かった。
かのデアヒメル王から己を識れと言われているよう、出生時から扱える魔法についてその性質を突き詰めようと日々考えている。だからか、ルーシャの言っていることの概形はすんなり受け入れられた。
「それは、なぜそう思った?」
「えと、まずは『オリヘプタ』だったのが『オリオクタ』として成長したことですかね。これだけだと証拠としては薄いですが、グランさんの成長への渇望のようなものに対応するように、元々7つだった魔弾を8つに増加したとも考えられます」
グランは口を挟まず頷きながら耳を傾ける。
「次に、件の魔法が複数個の玉を顕現させるものかと思えばビームになったり魔法障壁を形成したりすることです。特にバリアの方、あれってこの前のファヴァールに追い込まれた時に初めて見た姿なんですよね?」
「ああ。確か、自分の身は自分で護らなきゃって強く思いながら魔法を使ってた……ってことは」
2人の目が絡み、頷き合う。
「ええ、自分の身を護ろうとする意思に応えるように形が変化したと考えていいと思います。なんならですが、他にも『オリベルグ』や『オリロート』とかいう魔法もグランさんは使えた筈ですけど、それはどう言った経緯で使えるように?」
「正直、『オリベルグ』の方はあんまりよく覚えてないんだ。でも、どっちの魔法も覚える時は『オリヘプタ』を軸にしていたし、『オリロート』は憧れの英雄が使っていた炎の力をイメージしながら試行錯誤していたらいつの間にか習得していた」
「いや、もうそれは……決まりじゃないですか」
「だな」
謎の魔法についての新たな発見。それは、状況次第ではどんなにも強くなっていける潜在的なものだった。
ルーシャの観察眼の恩恵によるところが大きいが、2人はグータッチでその喜びを等分する。
「これでグランさんはもっと凄い何かが使えるようになるかも知れませんね?」
「今まで相当な試行錯誤を繰り返してきてやっと進歩したビームとバリアだからな。そうすぐに魔法面で強化は見込めないさ」
「当分の間は戦闘技術面を向上させるしかないですか」
若干申し訳なさそうに頷く。
この世界に来て紆余曲折、虚無感などを味わってきたグランからすれば割と痛手なのだろう。
経験を積むとは言っても冒険と題して遠出する訳でも無し。ボス戦のようなのは試練でしか無い。異世界に飛ばされた割にやってることは学校に似たようなことばかりだと言うのはグランも気付いている。だからと言って、ラグラスロの助け無しでは何をしようにも危険が多い。
突然、グランの脳内に何かが一瞬よぎる。
(ん、なんだ、これ。今俺は何を考えようとしたんだっけか。ラグラスロの助けが何だ?)
「じゃあ、今日も疲れてますし寝ましょっか」
しかしすぐに、呼びかけられたの声で意識は目の前の彼女へと移る。
「ありがとな、わざわざ」
「いやいや、本人がこのこと知らなくちゃ意味ないですからね!」
「そりゃそうだわ。んじゃおやすみなさいっと」
軽くお辞儀して部屋を出るルーシャを見送って、グランはお手製ベッドの上に寝そべる。するとすぐに眠気はやって来る。
かくして、彼らの1日は今日も過ぎてゆくのであった。
ここに一度、『オリ』系魔法の情報を纏めておこう。
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1, この魔法は、グラナード・スマクラフティーその人が生まれた瞬間より彼に備わっていたものである
2, もともとは、複数個の光球が爆ぜるという単純な魔法に過ぎなかった
3, 他の既知の魔法と組み合わせて使用するには難しく、それ単体で発展させていくしか強化方法はないと思われる
4, 限度はあるようだが、使用者の一定以上の強い願望に応えるがごとくして新たな力を発揮することがある ←New!!
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お読みいただきありがとうございます!
多少強引ですが、これで両サイドの強化編はとりあえず閉幕です。
では、また次回もよろしくお願いします!
宜しければ評価もお願いします!




