表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな花  作者: 雨世界
28/30

28

 ……歩こう。

 その瞬間、確かに木の葉はそう思った。

 どんなに時間がかかってもいいから、歩いて、歩いて、そして、あの星の下まで行こう。木の葉はそう決心をした。それは道無き道を歩く孤独な宇宙への旅だった。木の葉の足元に道路はない。橙色の煉瓦造りの道も、みんなで歩いた土色の道も、バスが走るための道もなかった。あるのは緑色の芝生だけ。木の葉はその芝生の上を歩いて、一直線に自分の星に向かって歩み続けた。

 一歩、二歩、三歩。

 そうやって足を交互に出すたびに木の葉は確実に星に近づいていった。……木の葉は感動で、歩きながら自分の体が震えていることが理解できた。今にも、歩きながらなにかの幸せな歌を歌い出したいくらいだった。 


 小の花は、ちゃんとお父さんとお母さんに会えたかな?

 小さな鉢植えから顔を出す緑色の芽を見ながら、木の葉はそんなことを考えた。

 お父さんとお母さんにちゃんと会えて、家族みんなで楽しそうに笑ったりしているのかな? さっきみたいに元気に家の中を走り回っているのかな? そして今頃は、この明るい奇跡のような夜の下で、ぐっすりとした、優しい、安心のできる眠りの中にいるのかな?


 ……小の花は今、幸せなのかな?

 木の葉はそんなことを思いながら歩き続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ