25 星に願いを きらきら星、見つけた?
星に願いを
きらきら星、見つけた?
木の葉はその光景を見て、……思わず足を止めてしまった。木の葉はバスの待合小屋の中にいたので、その明るい夜にバスの待合小屋の外に出るまで気がつかなかった。周囲の大地には人工の明かりは一つも灯っていなかった。木の葉のいる世界を照らし出しているのは、空に光る無数の星の光だけだった。……木の葉はその場に立ち尽くしたまま、その光を自分の眼球から限りなく吸収して、体の内側の隅々まで行き渡らせたいと思った。
そして実際にその行為を試みてみると、意外なほど簡単に星の光は木の葉の内側にたくさん、たくさん入ってきてくれた。
木の葉の体は小さく震えていた。それはどんな種類の震えだったのだろう? ……よくわからない。それはもっと勉強して、木の葉がきちんと大人になることができたのなら、理解できるような感情なのだろうか? もしそれが理解できるのなら、木の葉は大人になってみたい、と、このとき初めて、木の葉は思うことができるようになった。
……星。星を探す。
そんな言葉が木の葉の頭の中を一瞬よぎった。すっきりとした木の葉の意識はその一瞬のひらめきを見逃さなかった。木の葉は今、現実に木の葉の目の前にある明るい満天の夜空を高速で走る流星のようなその思考を逃さず、きちんと捕まえた。
そうだ。僕は居眠りをしにこの場所にやってきたんじゃない。『僕は星を探しにこの場所にやってきた』んだ。木の葉は自分の本当にやるべきことを、大切な人たちとの約束を、そして自分の一番大切な目的を思い出した。




