1 見知らぬ小さな女の子 ……ありがとう。私をちゃんと見つけてくれて。
小さな花
登場人物
木の葉 男の子
小の花 女の子
プロローグ
……ありがとう。私をちゃんと見つけてくれて。
本編
見知らぬ小さな女の子
おはよう。もう朝だよ。
「お昼寝しているの?」
そんな声がどこからか聞こえてきた。お昼寝? この真っ暗闇の中で、この子はいったいなにを言っているのだろう?
「ねえ、お昼寝しているの?」
再びそんな声が聞こえた。それから木の葉の体が小さく左右に揺れた。どうやらこの声の主が木の葉の体をゆさゆさと左右に揺らしているようだった。
「ねえ、起きて。起きてよ」
声は続いた。木の葉は正直、うるさいな、と感じていた。せっかく人が気持ち良く眠っているときに、この声はいったいなんなんだ?
「ねえ起きて。起きて私のお願いを聞いて」
ゆさゆさと木の葉の体は揺れ続けていた。……木の葉は仕方なく、久しぶりにうっすらと自分の両方のまぶたを上げようとした。久しく使っていなかったまぶたは鉛のように重く、またその動作はとてもぎこちないものになっていた。もしかしたら眠っている間に、いつの間にかまぶたが錆び付いてしまっていたのかもしれない。目やにもひどい。
それでも木の葉が頑張って重いまぶたを開けると、……そこには光が満ちていた。それは久しぶりに見る明るい太陽の光だった。木の葉はその光景にとても驚いた。
木の葉はあまりの眩しさに目を細めた。
「あ、起きた?」と声がした。
それは木の葉の直ぐ近くから聞こえた。見ると木の葉の隣には小さな女の子がいた。その女の子は笑顔で木の葉の顔をじっと、なぜかとても嬉しそうな顔をして見つめていた。




