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【03】女神と女子会 ★

 転生か転移、これについては『転移』することにした。

 勉強や知識を覚えるのは幼い時期がもっとも吸収しやすいとよくいうし、右も左もわからない上に人間はもっと危険だと思うから、せめて親元で情報収集を……親元も危険かもだけど……ん? なぜそう思ったのだろ? まっいっか。


 願いは四つ、願いというよりなんのスキルを付けるかが正しい。

 あれ? 転移と転生は願いに入らないのでは? ひとつ減っているのはなんでだろ?


「彼女の性能だと普通に暮らせない可能性が高かったから全て封印し、地球用に新たに豊穣の加護とユニークスキルを追加したの。魔法のない世界だと効果が半減? それ以下になるから加減が難しかったわ」

「私も加護つけたニャ! 猫や動物に好かれるようにしたニャ!」


 あれで半減っ……ユニークスキルつけるのもどうかと思うけど──また急に寒気が──豊穣の加護のおかげで美味しい野菜が食べられたってことだからよかったけど。

 猫二十匹以上いたり、他の動物がいたのも加護だったんだね。

 家族はみんな猫好きだったからいいけど、最後は息子の嫁が猫嫌いで徐々に減り最後はいなくなってしまった……。


「そうニャのニャ、まさか猫嫌いな人がいるなんて……グスッ」


 ひとつのお願いで加護とスキルがつくのかと思ったら、加護は神さまが気にいった人や物に勝手につけているとのことで別枠みたい。


 ラノベとかを読んでいたから、必要スキルといえば『創造』するスキル! これは絶対欲しいよね。

 物作るの好きだし、魔法のある世界なら魔法やいろいろな物を作ってみたいし、それを『無限に収納』するのも欲しい。

 すぐ死なないために『耐性系』も欲しいし、食べられるかわからないと困るから『鑑定』も欲しいし、記憶力が弱いからウィキみたいな『無限に記録できるパソコンノート』があれば助かるし、変わったスキルや加護などいろいろ持っていたら目をつけられそうだから『隠蔽』も欲しいよね。

 あとはせっかく魔法の世界に行くなら『ペットと一緒に戦いたいし長生きしたいし会話もしたい!』

 それこそ強くないと閉じ込められたり、実験されそうだから『何度も転生』できれば嬉しいなぁ。

 この世界を楽しみたい! できれば取得したスキルやステータスなどそのまま引き継ぎってのが理想だけど……と悩んでいたら、イシュタルさまが急に立ちあがり「少し行ってくるわ」とどこかに行ってしまった。

 残されたバステトさまとミカンやお煎餅などを食べながら二人で、あーでもないこーでもないとなにに絞るか話を進めた。


 ***


 イシュタルさまがある物を引きずり? 神さまらしいお爺さんの耳を引っ張りながら戻ってきた。

 神さまらしいお爺さんは私を見るなり、耳を掴まれていたはずなのにいつの間にか私の目の前にいて品定めをするかのように見つめてきた。

 急に目の前に現れるのは心臓に悪いよ! 死んでるけどさ……。


「合格かな? イシュちゃんが私に頼みにくるなんて、男の子だったら断ったかもだけど女の子だし、ひさしぶりに仕事をしてくれてワシは嬉しいよ……オオオッ」


 涙を流しながら喜んでいるお爺さっ……たぶん神さまだろうけどなんの神さまだろう?


「バゴッ!」


 あっ! イシュタルさまに抱きつこうとして綺麗に飛んでいったエロジィ……じゃなく神さま! 見えなくなった……。


「鬱陶しい! だから頼みたくないのよ! 合格なのだから加護とレアスキルをお願いね。ちなみに──指をさして──創造神だから」

「ホッホッホッ、イシュちゃんの頼みだから聞いてあげよう。ほい!」


 イシュタルさまがお願いした瞬間、キリッと澄ました姿で目の前に現れ──いやいや、鼻血でてますよ!──気がついたのか鼻血を拭きながら「ほい!」の言葉と同時に体がフワッと温かくなった。

 あの鼻血はたぶん殴られて出たのではなく、触れられて感極まり出た感じがするのは気のせいだろうか?


「イシュちゃんの代わりにワシが転生記録に書いとくからのっ! うひょっ! ま・まだ……」

「もう用はないから、()()()()

「もう恥ずかしがり屋さんなんだから~約束忘れないでねぇ~~~」


 さよならと同時にイシュタルさまに鷲掴みにされ、言葉を発しながらも飛ばされ見えなくなった創造神。

 年寄りでも神さまを投げ飛ばすってどんだけ力強いのか……ん? 約束? 今のでなにか約束した・の? まさか弱み握られてるとか?


「デートニャ! いいニャー」

「食事を一回するだけです。デートではありません。それにテトも一緒です!」

「わーい! やったニャ! なに食べ──」

「それよりも記録に残るとなると代わりじゃなくあなたを一人とするから…………」


 イシュタルさまの沈黙の中、バステトさまが後ろで交互に覗いているのがつづいたと思ったら、急にイシュタルさまが手のひらに握拳をあててなにか閃いたようだ。


「あなたの願い五つ! 聖女の願い四つ! そう、次の子孫まで待てないから一気に九つ叶えましょう! ただし、四つは他の神にも隠さないと煩いから……ぶつぶつ……」


 ん? 「次の子孫まで待てない」って心の声が漏れてますよ……。

 ところで創造神ってあんなに雑に扱っていいものなの? エロジィ……ではなく、ある意味世話好きみたいだしそれもあり?


 それから、女神たちと女子会みたいに盛り上がりステータスを決めていった。


 ***


 記録として残る願いは、ペットと一緒に戦うために〈テイマー〉という職業、物や魔法をつくるために創造神からもらった〈創造〉スキル、魔力を無限に使用できるために〈魔力無限〉スキル、生まれてすぐ死なないために〈状態異常無効〉スキル、無限に収納するため〈無限収納(インベントリ)〉スキルを追加した。

 約束の願いとして、スキル隠蔽のために〈神全隠蔽(かんぜんいんぺい)〉スキル、パソコン機能を備えた〈無限記憶〉スキル、世界を何度も楽しむためにいろいろ詰まった〈転生〉スキル、ペットの言語と理解するために〈言語理解〉を追加した。


 ▼▼ ステータス一例 ▼▼

 名前:?(0才)

 種族:?

 職業:テイマー

 HP:F

 MP:D【∞】

 STR(筋力):F

 VIT(体力):F

 DEX(器用):E

 AGI(敏捷):F

 INT(知性):E

 LUK(幸運):E

 スキル:テイムLv1、状態異常無効

 ユニークスキル:言語理解

 【創造、魔力無限、無限記録、無限収納(インベントリ)神全隠蔽(かんぜんいんぺい)、転生】

 称号:女神の加護

 【転生者、創造神の加護、豊穣神の加護、生命神の加護、戦女神の加護】


 ▲▲ ▲▲ ▲▲ ▲▲


 一例としてこんなステータスになるらしい。

 最初、隠蔽したスキルも一緒に表示されていてわかりづらいと言ったら、【】をつけてくれた。これで見やすくなった。

 種族は生まれてみないとわからないだろうし、名前は親に決められてしまうので仕方ないけど転生ごとに違う名前で呼ばれるのも……って悩んだら、愛称なら大丈夫ということなので追加してもらうことにした。

 せっかくおばあちゃんからもらった名前だから『ノリコ』でと考えたけど、いかにも地球からきた異世界人って名前でバレバレ! それはマズいのです! 勇者や異世界人にバレないようにひっそりと長生きしたいのに……。

 悩んだ末に安易かもだけど、これなら普通にいそうなので大丈夫だろうと決めた。


「そろそろ、シュテネオンの世界に転生させるけど大丈夫?」

「はい、大丈夫です。本当にありがとうございました。物凄く楽しかったです!」

「テトも楽しかったニャ! ニャので『テト』と呼んでいいのニャ! イシュタルのことも『イシュ』と呼んでいいのニャ! 家族ニャのニャ! 黒ちゃんもよかったのニャ!」

「……はぁ、仕方ないわねー。特別に友達として許してあげるからありがたく思いなさい。なにか困ったら教会か、困らなくてもお供え物で呼べば会えるから、それじゃまたね」

「えっ……あっはっはいっ……さよ……な……」


 私が家族? 愛称で呼ぶ? なんて焦っていたら女神さまが揺らぎはじめ最後まで「さよなら」を言えず真っ白に包まれた。

2019/09/16 読み直しで変更。

2019/09/10 初期ステータス、スキル変更で前後文章も少し変更。

2019/08/13 所々変更。

2019/06/19 初期ステータス変更。

2019/05/29 【04】のステータス変更。

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