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異世界で魔物使いやってます  作者:
異世界に来ました
9/276

ハントとお風呂~そういやセーラー服のままでした~



 さて、早速すぐそこに居る草食ヘビを狩る事になったわけだけど。



「イース!どうしたら良いのか教えて!?」


「具体的にはぁ?」


「魔法の使い方がわかりません!!」



 だって私、魔法なんて無い世界出身だもん!

 そう言うとイースは納得したのか、生温い視線で私を見ながら半笑いのような表情になった。そんな表情でもイケメンは揺らがないとかずるい。



「まずぅ、草食ヘビは火と氷の属性に弱いって事を覚えておけよぉ。水も効かなくは無いが氷の方が効果が高い。ま、弱いから別に風で斬っても土で圧死させても余裕だけどなぁ」


「成る程!」


「んでぇ、魔法は…慣れれば見てない方向にも思い通りに魔法を使えるようにはなるが、まだ初心者だからなぁ」


「えひゃっ!?」



 ぐい、とイースの男らしい鍛えられた腕に引っ張られたと思ったら、背中からイースの逞しい胸板にダイブしていた。脳内で死なないフランスの騎士のあの台詞がリピートされるが、イースはスルーして自分の右手を私の右手に添える。



「ほい、最初は相手を指差して照準を合わせるのに慣れる事ぉ。初心者の時は視線をそこに集中させる事が多いが、それだと獲物をピンポイントで狙えるようになるまでに時間かかるからなぁ」


「そ、そうなの?」


「範囲広めの魔法だとその分MPを消費するからオススメはしない。例えるなら……視線だけだと水風船でぇ、指差して照準を合わせるのは水鉄砲みたいな?一回で使用する水の量がMPだと考えてみな」



 あ、成る程。水風船だと一回だけで結構な水の量が消費されるし範囲も広い。対して水鉄砲だと少ない水でもピンポイントで狙えるし、水の量も調節出来るからMPの節約にもなるのか。

 イースの説明、学校の先生よりもわかりやすい説明な気がする。



「いや、俺の場合ミーヤの記憶を読んでるから、理解しやすいのを選んでるだけだぜ?じゃ、最初は火の魔法を試してみなぁ」


「呪文っていりますか!?」


「普通は詠唱が必要だが妄想癖のスキルのお陰で飛ばせるし、イメージさえ固まってれば問題なぁし。でも魔法のイメージを固定させる為に技の名前だけは唱えた方が良いと思うぜ。ヘビ系の魔物は無駄にしぶといが、頭さえ潰せば死ぬから頭を狙えよぉ」



 そう言い、イースは手を動かして私の指先が草食ヘビの頭部を指差す位置に持って行ってくれた。頭…頭か。イメージさえあればオッケーだから……そう、例えば…火の玉が急に草食ヘビの頭部に出現して頭部だけを燃やす感じのイメージ!

 指先を少しだけ下に動かし、草食ヘビの首から上に照準を合わせる。

 あとは…技名!



「ファイヤーボール!」



 ボウッ!と指先から火が出るイメージで、指先の向こう、私が照準を合わせていた草食ヘビの頭部を炎が包んだ。草食ヘビは慌てて逃げ出そうとしたが炎の衝撃のせいか引っくり返り、体型のせいで起き上がれずそのまま燃える。死んだのか炎が消えたが、数秒体がビクンビクンと痙攣していた。

 が、それもまた終わった。



「………死んだ?」


「…ああ、死んだ」



 やった!と喜んでイースの方へと振り返ったが、何故かイースはとても驚いたような表情で目を見開いていた。



「?イース?」


「いや…初めての魔法なのに、自分から炎を放って飛ばすんじゃなくターゲットの体に炎を出現させたり、息の根が止まるまで魔法を継続させたり……本当に始めてなのかぁ?」


「え!?」



 あれ、何か間違った!?



「……成る程ぉ、ミーヤは本気の初心者だからわかってないだけかぁ。良いかぁ?普通は自分のMPを消費して魔法を使うから、自分の体から魔法を放つイメージをする奴が多いんだ。だからファイヤーボールの場合は手の平とかから火の玉を出してブン投げる感じが多い。何より、炎をサッカーボールのように回転させて飛ばす事で途中で火が消えないようになってたりもするんだが…」



 ………あ、成る程。普通はお髭の配管工のおじ様みたいにファイヤーボールを放って相手に当てるってやり方なんだ。なのに私は相手にいきなり自然発火現象が起きたかのように燃やしたから…。



「そう、そんな芸当は上級の魔法使いくらいしか出来ない。ドラゴンとかで想像するとわかりやすいか?あいつらが炎を放つのは口からだからそれに当たらなければ余裕だろぉ?でも今のは、いきなり相手が燃えた。普通はそんなの無理なのにあっさりとやってみせたから驚いたぜ」


「無理なの?」


「それが出来るんならキラービーはミツドリの体の中に魔法を発動させて内側から丸焼きに出来るだろぉ。体の表面に強い火耐性があるから効かないってのが大きいんだ。とりあえず今の遠隔魔法はとっておきとして普段は使わないようにする事ぉ」


「………やばい?」


「そりゃあな。突然の不審火が無限に出来ちゃうしぃ、アリバイだってある状態だしなぁ。利用される可能性が高くてかなりやばい。あとぉ、基本的にファイヤーボールは相手に当たれば消える事が多いんだ。周りに火種があればそっちに燃え移る事もあるが、基本的にその場で相手にダメージを与えたら消えまぁす」



 お、おおう……。かなりやばい事やっちゃった?



「ま、最初だしなぁ。この草食ヘビも頭部は丸焼き状態だが胴体は綺麗だし、後で焼いても良いかもなぁ。んじゃささっと解体するから見とけよぉ。これからは俺が解体してやれるけど、一応なぁ」


「あいあいさー!」



 イースはまず丸焼き状態の草食ヘビの頭部を切り落としてから、スイスイとナイフを滑らせて綺麗に切り分けていく。



「お、あった。これが魔石な。大体魔物の頭部か内蔵、もしくは見える位置にあるから」


「え、壊れたら死ぬんだよね?それが見える位置にある場合もあんの?」


「レベル高くて調子に乗ってる奴がよくやってるぜ。額とか目立つ位置にあったりする」


「将来黒歴史になるやつだ」



 多分、感覚的には眼帯や包帯に近いと思う。歳を取ってから「俺は何をしていたんだろう…」っていう感覚に襲われるだろうから、さっさと倒されるか早くに気付くかすれば良いと思う。というか魔物にも黒歴史ってあるんだなあ。

 イースは草食ヘビの魔石を手の平に置いて私に見せながら質問する。



「どうする?ミーヤが持っておくかぁ?袋ならやるぜ」


「いや、イースに任せるよ」


「本気か?魔石は良い金になるから自分の分は自分で持った方が安心だと思うが」


「自分で持つよりイースに任せておいた方が安心安全だと思うから。その代わりお金必要な時は出してくれると助かります」


「………ああ、了解」



 む?何故かイースの機嫌が凄い良くなった気がする。鼻歌歌ってるもん。

 イースは解体し終わった草食ヘビをアイテム袋に入れて立ち上がる。



「んじゃ、次の獲物を狩るぞぉ。今度からは出来るだけ自分の体から放つイメージをするように!」


「イエッサー!」





 その後30分程歩き、屍喰いカラスを三羽とホーンラビット二羽を倒した。

 ホーンラビットは一羽ずつ水と土で倒した。ウォーターボールで包み込んで溺死させたり、土の中に取り込んで全身の骨を折ったらイースに懐かしいと言われた。やり口がえげつないと有名だった600年前の勇者も同じような戦い方だったらしい。

 いや、ほら、自分の安全を考えると確実性が欲しいから身動きを取れなくして殺す方法じゃないと不安が残るんだよ…。

 屍喰いカラスは飛んでたからウィンドカッターで首を切り落とした。一つのウィンドカッターを空中でラジコンみたいに動かして三羽を倒したけど、イースには「放った後の魔法は普通操れねぇから。体から離れた瞬間に動きを遠隔操作とか、伝説級の芸当だから」って注意された。

 ……スタート地点が人里から離れてて、常識を教えてくれるイースが居てくれて本当に良かった!もし普通の人間に出会って色々試してたらアウトだったよ!

 そして、結果魔法を四回使用した私は、



「………え、何このダルさ…」



 木の下で横になっていた。



「普通ならまだMPも残ってるもんなんだが、ミーヤは細かい調節とかまでしてたからなぁ。ウィンドカッターを遠隔操作したり、ウォーターボールで包みながら圧縮したりなんて普通の倍はMPを消費する。MPが0になったら歩くことすらままならないから気をつけろよぉ」


「先に言って?……あ、駄目だガチで気が遠くなるわコレ」



 イースの水魔法で作ってもらった水の枕に頭を乗せて全体重を預けてぐったり状態だ。

 そうか、伝説級の芸当なのも事実だろうけど、基本的に皆がやらないのは燃費が悪いからなのか…。確かに旅をする時は出来るだけMP節約しといた方が良いよねー…。



「あ、それと言わなかったが、初めて魔法を使うと体中に魔力が巡り出すからちょっと負担あるぞ」


「それこそ先に言って!?」


「体で覚えるのは大事だろぉ?」



 イースはにこにこと微笑んでいて、褐色のイケメンの笑顔が凄い眩しい。眩しいけど目の奥のハートが凄い怪しく光ってるのは何なんですかね。舌なめずりが凄いいやらしいんですけど。てらてらと光っててまるでエロゲみたーい。

 ……いやまあ、エロゲなんてした事ないけどね。未成年でしたから。お姉ちゃんが大学生だったから、お姉ちゃんの持ってるエロゲのパッケージを見たくらいしか知識は無いよ。



「……あ゛ー、水枕がぷよぷよしてて気持ち良い…」



 目を閉じて全身の力を抜く。多分これって魔力酔いに近い奴だと思う。知らないけど。でもアレだ、よくあるアレだ。体の奥に眠ってた力を目覚めさせる事で最初は使いこなせず振り回される的なアレだ。多分。

 ぐってりと全身の力を抜いて寝転んでいたら、急に甘い香りが漂ってきた。

 甘くて、濃くて、どこか覚えのある匂い。

 何の匂いだったっけと考えていると、開いていた口に何かが入って来た。

 それはとても甘くて、美味しくて、何より体が欲していたらしい。おもわずソレにしゃぶりついて、その甘い何かを舐め取った。



「はむ、む、んむっ」


「あ、アハハハハ!うわ、ちょ、くすぐったいって!」


「あむ、うむ、………む?」



 ……くすぐったい?

 今の声はイースの声だった。低くて腰に響くお色気ボイス。

 もごもご、と口の中のソレを甘噛みして形を確認しつつ、声のした方を見る。



「………いーひゅ?」


「いーひゅって!咥えてるから発音が、アッハハハハ!」


「……う、うおわああああ!?え、何!?何咥えてんの私!?何で私イースの指舐めてんの!?」



 口の中に入って来たのはイースの指でした。

 いや何で!?

 ビックリマークとハテナマークに埋め尽くされた思考を読んだのか、笑いながらもイースは説明してくれた。



「ふ、ふっははは…!いや、説明しただろぉ?この世界の蜂蜜にはMP回復の効果がある蜂蜜があるって。持ってたからその蜂蜜を指につけて口の中に入れてみたら……アッハハハハ!!枯渇してたとはいえあぁんな風にしゃぶられるなんてなぁ?」


「正常な判断が出来なかったとはいえ何てことをしてんだよ私は!!」



 だって!だって口の中に美味しいものが入ってきたから!



「……てか、アレが蜂蜜?」


「おう」


「何か、日本の奴よりも食べやすい味だね。甘いし濃いし美味しいけど、喉が焼けそうな感じが無いっていうか。意外とさっぱりしててゴクゴク飲めちゃいそう」


「それもまたキラービーの蜂蜜の特徴だなぁ」


「へー」



 まだ口の中に少し味が残ってるけど、あの蜂蜜は暴力的な甘さじゃなかった。

 蜂蜜の味なのに、ミルクみたいに優しい感じがしてとっても飲みやすかった。



「…それにしても、」


「?」



 ペロリ、とイースはまるで私に見せ付けるように指を舐る。



「淫魔である俺の指をしゃぶるなんて、誘ってると見られるぜぇ?」


「ほわっつ!?」



 いきなりの発言に混乱なうであります。

 え、あ、よく見たらイースが舐めてる指さっきまで私の口の中にあった指じゃん!?



「あ~むっ♡…ま、今はこれで満足しておくが、気をつけろよぉ?淫魔は日常的に誘惑する種族だからぁ、逆に誘惑にも弱かったりするんだ。また「お誘い」と判断出来るような行動をしたらぁ、今度は全身ふやけるまで舐め回すからぁ、そのつもりで気をつけろよぉ?」


「あ、あいあいさ…」



 唾液まみれのイースの指と、目視出来るレベルのフェロモンと、発情してるのがわかる瞳に見つめられながらそんな事を言われたら頷く以外の行動が出来るはずないよね!?出来る奴がいたらそれこそ勇者だよ!

 今までに無い程顔が熱くなるのを感じる。だって日本にはここまでのイケメン、二次元かコスプレイヤーかヅカにしかいないじゃん!?イケメンへの耐性が0に近いのにいきなりイケメンと近い距離で行動とかさあ!あああ駄目だ色々と回想し始めちゃって変な汗出てきた!



「………」



 穴が開きそうな程の熱い眼差しで私を見つめてから、イースは深く息を吐いた。

 すると盛れ出ていたフェロモンや眼光は消え、いつも通りのセクシーが過ぎるくらいのイースに戻った。



「…今はまだ自分で抑えられるが、本当に気をつけろよぉ?淫魔はやらしい事がだぁい好きなんだから、自分を抑える事ほど苦手な事は無ぇんだぜ」


「お、お世話かけます」


「いや、気にすんな。じゃあ回復もしたしまた狩るぞぉ。レベル10まで上げればHPも100を超えるはずだからぁ、今日中に達成するぞ!そしたらやぁっと食事の時間だ!」



 そういや生き残る為じゃなくて、その為のレベル上げでしたね!

 でもまあかなり我慢をさせてるのは事実だし、お世話になってるんだから頑張ろう!頑張ってHP上げて魂を少し食べられても気絶しないくらいになるぞ!オー!!





 なぁんて覚悟をしたのは何時間も前。

 狩って休んで回復して狩ってを繰り返し、昼間コウモリ12、ホーンラビット9、草食ヘビ7、屍喰いカラス27、つまりトータル55体の魔物を倒しました。現在こちらは夕方です。すっかり日が暮れる時間帯となりました。

 ちなみに昼食は草食ヘビの卵を採取する為に覚えておくようにとイースに巣がある場所を教えてもらい採取した草食ヘビの卵でした。ホーンラビットの肉と一緒に煮込まれたシチューはとても美味しかったです。食べて美味しいと思った瞬間に日本人としての何かを失った気はしますが、私は元気です。



「元気ってか、疲労が溜まって頭が働いてねぇな。大分疲れてるせいで魂を一舐めでもしたら結局気絶しそうなのがなぁ…。今日のところは止めておいて、明日にでも食わせてもらう事にしようかぁ?」


「いや、色々と教えてもらった授業料としてどうぞ!」


「どうぞっつっても…本当に大丈夫かぁ?」


「大丈夫!気絶しても寝るのと変わらないし!ただ我が儘を言うとお風呂入りたいであります!」



 昨日からお風呂入れてないからね!しかも森の中歩き回ったしで汗だくで葉っぱ塗れ土塗れだよ!このまま寝るのは辛い!せめて水で濡らしたタオルでも良いから体を拭きたい!



「…あ、そういやそうかぁ」



 とにかくサッパリしたい!という気持ちで頭を埋め尽くしていたら、イースが気付いたように声を上げた。そしてアイテム袋を取り出して言う。



「ミーヤ、着替えないとそのセーラー服で異世界人って即バレするな」


「すっかり忘れてたけどそういや私の装備セーラー服だった!」



 スマホとソーラー充電器だけをスカートのポケットに入れ、学生カバンはイースに預けてアイテム袋の中に収納してもらっていた。が、服の事はすっかりド忘れしてたよ!やばい!これじゃあ異世界人が服を着て歩いているようなものじゃないか!



「普通異世界人は服を着て歩くもんだと思うがなぁ?異世界の服を着ているなんて、異世界人だと言っているようなものじゃないか、って事?」


「そうソレ。それが言いたかった」


「うん、頭働いてねぇな」



 さっきから私の頭が完全にお休みモードに入ってるが、これは由々しき事態ですわよ奥さん!



「誰だよ奥さん。まあ落ち着けってぇ。アイテム袋ん中に着替えも色んなタイプ色んなテイスト入ってっからぁ。体綺麗にしてから着替えれば良いだろぉ?下着もあるから安心しろよぉ」


「性別がどっちでも無いってわかってても男の姿で下着の話はちょっと恥ずかしいでござる!」


「ござる?」


「恥ずかしいっす!」



 疲労のあまり私の中の忍者が出てきてしまった。もしや私の先祖は忍者だったのだろうか。



「なら女なら問題無いわよねぇ?」


「うおビックリしたぁ!?」


「うふふ」



 私の先祖は忍者だったのか否かを考えていたら目の前の筋肉ムキムキ褐色アラビアンイケメンはボンキュッボンのセクシーダイナマイツ露出過多美女になっていた。慣れないととは思うけどやっぱ人が目の前で性別変わるの驚くよ!



「驚くだけだからミーヤが好きなのよぉ。でぇ、女の私なら下着の話をしても問題無いわよねぇ?」


「え、あ、うん。男に下着の話をされる居心地の悪さは消えたから大丈夫だと思う」


「それじゃあ説明するけどぉ、こっちの世界の下着は昔っからデザインが変わってないのぉ。だからって古いわけでもなくてぇ、昔勇者が流行らせたデザインなのよねぇ。端的に言っちゃえばぁ、異世界のと変わらないから安心してくれて良いわよぉ」


「ありがとう勇者様!こっちに来てから初めて勇者に感謝した!」


「うふふ。服はとりあえず違和感を抱かれないものを選んでおくからぁ、その間にミーヤはお風呂に入ったらどうかしらぁ?こっちの世界の事なら私の方が詳しいものぉ」


「え、でも…」



 正直言ってこっちの常識的な服がいまいちわからない以上、イースに任せた方が良いのはわかる。イースは私の事を気遣ってくれるから、淫魔だからってセクシー路線のものを選んだりもしないはず。違和感を抱かれない服を選んでくれるって言ってたし。

 ただ、問題は………お風呂がね、無いんだよね。近くに温泉がありそうな感じも無いし。



「ああ、そういう心配だったのねぇ?じゃあ今からお風呂を作っちゃうからぁ、作り方を覚えちゃってねぇ」


「えっ!?」





 そんなわけでイースが作ってくれた即席お風呂で体を丸洗いしてゆったりとお風呂を満喫している美夜改めミーヤでございます。

 いやぁ、イースって本当に凄いね。土魔法でまず目隠しを作ってから、地面をへこませて土を固める。そこに水魔法で水を入れて、火魔法でお湯に。土をちゃんと固めてたからか中に入っても土と混ざってどろどろにーとかにもならないし、これ本当に最高!

 体を洗う場所もあって、そこで体も洗えてサッパリサッパリ。流石にシャンプーとかを流したりは自分の水魔法を使ったけど、洗えたお陰でギトギトだった髪の毛もサラサラになったし!

 ………シャンプーとかトリートメントとかボディソープとか、かなり高級品っぽかったけど使って良かったのかな。使ってから言う事じゃないけど。…まあ、うん、多分大丈夫であってほしい。

 さて、大分体も温まったしそろそろ出ようかな。

 ザバァッと湯船から出ると、目隠しの壁に扉が一瞬で作られ、その扉からイースが入って来た。



「ミーヤ?出るなら着替えが必要でしょぉ?」


「うおわああ!?イース!?」


「はぁい、ミーヤの従魔であるイースよぉ♡下着もちゃぁんと用意したから安心してねぇ♡」


「あ、うん、ありがとう。じゃあ着替えるから…」



 そう言って、イースの持っている着替えを受け取ろうとしたら半歩下がられ私の腕は空振った。



「…?」


「……♡」



 もう一度着替えを受け取ろうと手を伸ばすが、今度は横に避けられた。



「……あの、イースさん?」


「もぉ、ミーヤったらぁ。そんなびしょ濡れでお洋服に触ったら駄目でしょぉ?」


「あ」



 言われてみれば、湯船から上がったばかりで全身びしょ濡れ状態だ。

 この状態で服を受け取れば着替えがびしょびしょになる事すら考えられないなんて、やっぱ疲れが溜まってるのかな…。



「そうねぇ、体力も少ないのに頑張って歩いて、バトルして、たぁくさん魔物を狩ったりもしたものねぇ」


「あはは」



 もうなんか、イースに心を読まれるのにすっかり慣れた気がする。



「じゃあイース、タオルを貸してくれないかな?体を拭かないと着替えれないし」


「うふふ。もう、ミーヤったらぁ。はぁい」


「ありが」


「…♡」



 土で作った台の上に着替えを置き、イースはアイテム袋から大きな白いタオルを取り出した。

 渡してくれるものだと思ったが、そのタオルを受け取ろうと伸ばした腕はまた避けられた。

 イースの瞳は紫色に少し赤色が入った色合いなんだけど、その瞳が何やら爛々と輝いている。赤色が濃くなって瞳の奥のハートが凄く怪しく光ってる。

 背中にヒヤリとした何かを感じたけど、きっと湯冷めだ。そうに違い無い。



「……イースさん?」


「うふふぅ、これはぁ、こうするのぉ、よっ♡」


「わぶっ!?」



 楽しそうな声と共に、私の視界が真っ白に染まった。

 いやうん、単にタオルを頭から被せられたってだけなんだけどね。



「い、イース?」


「だってぇ、私は従魔なのよぉ?従魔はご主人様の役に立ちたい!って思うものなのよぉ?こうやって体を拭いてあげたりとかもぉ、させてもらえるととぉっても嬉しかったりするのよぉ?」


「…えーっと、体を拭いてくれるって事?」


「そういう事ぉ♡従魔と信頼関係を築くとぉ、従魔はご主人様に尽くしたくて尽くしたくて仕方なくなっちゃうのよぉ。覚えておいてねぇ♡」



 わしゃわしゃと頭をタオルで乾かされながら、言われた言葉を消化する。

 つまり、従魔と仲良くなると従魔は主のお世話をしたがる、って事?



「そうよぉ。そしてこうやって体を拭かせてもらえたりするとぉ、心を許してるって証拠でもあるからぁ、また従魔が主に懐くのよぉ♡」



 うーむ、イースとは結構仲良くなれたとは思ってる。

 思ってるけどここまでさせる程にイース「が」私に懐いてくれた……って事なのかな?どうなの?言い方も考え方もよくわからない。うーむ、異世界文化、難しいアル。



「って、ひゃん!?」


「♡」



 考え込んでいたら、タオルが思いっきり胸を揉んでいた。

 タオルがっていうか、タオル越しにイースの手が私のささやかな胸をガッツリ鷲掴んでいる。



「ミィヤァ?忘れちゃ駄目って言ったでしょぉ?」


「え、ちょ、きゃんっ!?」


「淫魔は我慢が苦手なんだからぁ、すぅぐに欲望の方に揺らいじゃうのよぉ。油断しちゃ駄目って教えたでしょぉ?」


「あ、あの、やっぱ自分で」


「だぁめぇ♡全身しぃっかりと拭いて上げるからぁ、逃げちゃ駄目よぉ♡」


「っっっっっ!!」



 じっくりと時間をかけて、全身至る所まで拭われました。

 淫魔、強い。



勝手な脳内イメージでは、


ミーヤの身長→158cm

イース♀の身長→173cm

イース♂の身長→193cm


くらいのイメージ。

ミーヤの中のイメージでは淫魔の身長は高めが理想だったようです。

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