アレクのステータスって中々凄いね?
とりあえず西の方へと歩きながらアレクの生い立ちを聞いていたけど……濃かった。
とても濃かった。
でも色々と謎は解けた。魔物の大量発生に関してアレックスに聞いた時、ミサンガが反応してたんだよね。でも害意は無かったからどういう事だろう?って思ってたんだけど…あれって犯人がアイザックさんだったからなのか。そしてそれを知っているアレックスだったからこそ、ミサンガは害意こそ無いけど嘘ではあるって判断したんだろうね。
そしてアイザックさんの言動にミサンガが反応しなかった理由もわかった。アイザックさんは生真面目過ぎて手が抜けない性格だった。だからアレックスを殺そうとしたし、その殺意も本物だった。でも同時にアレックスへの家族愛も本物だった。
だからアレックスの死を悲しむアイザックさんの言動にミサンガは反応しなかったんだろう。
……遺書の件でアイザックさんが「恨み言の一つや二つ、書けば良いのに」って言ってたのは、アイザックさんがアレックスの命を狙っていた張本人だったからなのかな。
まあ、うん、その辺はアイザックさんにしかわからん事だから私が考えてたって仕方ないよね!人間一人の命が失われたのは悲しかったけど、同時に私の従魔が増えたんだ。私は従魔が増えた事を喜んでいるのが正解だろう。じゃないと増えた従魔に申し訳が…いや、失われた命がその従魔だから、死を悼むのはある意味その従魔であるアレクの為にな…る………?ええい思考を放棄しろ私!ポンコツが考えたってオーバーヒートでバグるだけでござーましょうよ!
「……ミーヤ」
「ん、何?ラミィ」
あのオレンジの木が見えなくなるくらいに離れた辺りで、ラミィが私の服の裾を掴んで呼び止めた。振り向くと、ラミィは空いている右手で自分の腹を擦りながらジィッと私に何かを懇願するように見つめていた。
ぐぎゅるぐぎゅるぐぎゅぐぎゅぎゅというラミィの腹から聞こえる腹の虫の鳴き声に、そういえばアレックスの死を伝えられたせいでご飯食べる余裕も無いわ食欲も無いわで朝食抜いてたっけと思い出した。
「イース」
「あの場所からはもう結構離れたから休憩しても大丈夫だと思うわぁ。お昼にも丁度良い時間帯だしねぇ」
言うが早いか、イースがつま先で軽く地面を叩くと一瞬にしてニョキッ!と、土で出来た椅子が生えた。そして円を描くように生えたその椅子達の中央に薪を置き、火魔法でボウッと火を付ける。
たった数秒でそこまでやったイースはラミィの方に振り向き、
「今からご飯作っちゃうから待っててねぇ?ラミィ」
笑顔でそう言った。
相変わらずイース凄いね。私が言う前に全部やってのけちゃったよ。
「ん……!」
イースの言葉にラミィも素直に頷き、椅子に腰掛け機嫌良さそうに尻尾を揺らす。
「私達も座りましょうか」
「そうだね」
「確かに腹減ってきたしな」
私達も椅子に座ってふぅと一息ついた。今日は朝からハードだったな。いきなりアレックスが死んだと聞かされ、そのままアイザックさんに本当の話だと言われ、墓参りをしたらアレックス…魔物になったアレクが居て、従魔にして、身の上話を聞いて……これ全部一日の前半で起きた事だよ?凄くない?濃くない?
「ところでさ」
「うん?」
「アレク、何でさっきから私の首に抱きついてるの?しかも背後から」
そう、歩いてる途中からアレクは骨の腕を私の首に絡ませていた。あれだよ、おんぶみたいな状態。完全に見た目が背後霊である。
アレク下半身無いし、リッチだから浮いてるし、そもそも重みも一切無いしで別に良いんだけどね?でも一応聞いてはおきたいじゃん。
まさかとは思うが背後に憑いてる感じのスタイルがゴースト系のデフォルトスタイルだったりするだろうか。日本独特のスタイルだと思ってたけど異世界でもそうなのかな?
そう思って聞くと、アレクは首を傾げて答える。
「ミーヤが好きだから」
「ン゛ッ」
おっといかんいかん、ついうっかり出してはいけない声が。今までは耐えてたけどアレクが従魔になったもんだから私のメンタル防御力がトイレットペーパーと化してしまっている。身内に対しての防御力が無さ過ぎるな私。
「あとミーヤの近くに居ると魂が安定するんだよね。地に足がつくっていうか」
「足無いけど」
「感覚だってば!船酔いが治まる感じに近いの!」
ぷぅ、とアレクは拗ねたように可愛らしく頬を膨らませた。…成人男性でこの可愛さが出せるって凄いなアレク。顔はアレクの父親のフェイスらしいけど多分実際目にしたら別物なんだろうね。ほら、性格で結構違いが出たりするじゃん?目玉焼きに塩かけたり醤油かけたりしたら味まったく違うものになる感じでさ。ちなみに私は塩コショウ派である。でも他の味も普通に美味しく食べれるから戦争は却下で。
「それはリッチになる時の強い気持ちが殆どミーヤに向かってたからじゃないかしらぁ」
手際良く調理しながらイースは言う。
「リッチになるにはそれなりの強い思いが必要よぉ。死んでも魂だけの状態で現世に留まるだけの強い執念が、ねぇ。殆どのリッチは元が魔法使いだからぁ、皆自分が研究していた魔法に対しての思いで留まってたわぁ」
成る程、現世にある執念の対象にしがみ付くような形でお迎えを拒否するわけか。
「だからこそ、その執念の対象の近くに居れば居る程魂が安定するのよぉ。普通のリッチは魔法の研究に魂を注げば注ぐ程現世との繋がりが強くなってたからぁ、アレクは執念の対象であるミーヤの近くに居る事で魂を安定させてるんじゃないかしらぁ」
「ほー……。魂の安定が無いとどうなるの?」
「それはまぁ、無重力状態に近いから現世にしがみ付けずにあの世逝きだと思うわぁ。重力が無いと地に足をつける事も出来ないのと一緒だものねぇ」
つまり成仏に近いって事かな?
今のアレクにとっては私が重力源であり、下手に離れ過ぎると戻って来れなくなってガチで永遠にさようならコースになりかねないってわけか。え、怖い。
そう考える私の心を読んだのか、イースがさらっと訂正を入れる。
「ああ、多少なら離れてても大丈夫よぉ。普通のリッチは執着してる対象から一定距離か一定時間離れるとどんどん魂が憔悴していっちゃうけどぉ、アレクはミーヤと従魔契約してるでしょう?契約を解除しない限りは勝手に成仏なんて出来ないわぁ」
「言い方!」
安心したけど言い方が言い方なせいで私が成仏したがっているアレクを無理矢理現世に繋ぎ止めてる感じになっちゃってる!ブラック魔物使いになるのは嫌だ!
思わず私が頭を抱えると、ハニーが疲労回復の蜂蜜入りの水を手渡してくれた。
「ミーヤ様、そこはもう少し簡単に物事を捉えれば良いのではないでしょうか」
「え、どゆこと?」
蜂蜜の味がする甘い水を飲みながらそう聞くとハニーは一度頷き、上の右手の人差し指をピンと立てた。
「要するに、今のアレクは風船なんです」
「風船」
そういえば前に私の世界にはこんな感じのおもちゃとかあったよーって風船の画像とか動画とか見せたね。簡単に割れるし、割れた時の音が凄く大きいって話したら敵を混乱させるのに使えるのでは?ってハニーが言い出して、子供用の遊び道具を戦いの道具にしようとするこの思考は異世界特有だなーって思ったのを思い出した。ハニーってあらゆる戦い方を考えてて凄いよね。
で、今のアレクが風船ってどういう事?
「風船は浮いていて、手放したら空高く飛んで行ってしまうんですよね?」
「そうだね」
「それです。今のアレクはすぐ空へと飛んで行きかねない風船なんです。そしてミーヤ様の手首にその風船のヒモが結ばれている状態。これが従魔契約ですね」
「ですから」とハニーは言う。
「ミーヤ様はただ風船が飛んでいかないようにしているだけであって、無理矢理繋ぎ止めているわけでは無いのです。風船がどこかへ飛んでいかないようにとヒモを持つのは、当然の事なのですから」
「お、おおー、成る程…!」
確かにそう考えると大分気が楽かも。私が無理矢理縛り付けてるわけじゃないもんね。犬の散歩の時にリードを付けないと犬自身が危険だからリードは必須!みたいな感じか。
「そうそう、そんな深く考える必要は無いって」
当事者が私の首に絡める腕に力を込めたのがわかる。骨なのにどこに力が入ってるんだろうとかは考えてはいけない。当事者であるアレクは、私の耳元で囁く。
「僕はミーヤにしがみ付いていて、ミーヤは僕を繋ぎ止めてくれている。それだけの事なんだから。僕はミーヤからも必要とされてる感があって嬉しいよ?」
「なら良いけど…」
「大体さ」
アレクは私の首に絡めていた右腕を伸ばし、その骨の腕がよく見えるようにローブの袖を捲った。
「僕、ミーヤの傍に居る為だけに死んだんだよ?それだけで僕の執着の強さ、わかるよね?」
「そういやそうだわ」
イースの言い方でうっかり混乱しちゃったけど、そもそもアレクの愛が重いんだよね。
成仏したがってるアレクを無理矢理…って一瞬思ったけどそんな事は無かった。成仏する気皆無で私の従魔になりに来た男だったわ。
「…なあ、ミーヤ」
「ん?」
あースッキリしたスッキリした、うっかり勝手な思い込みで変な思考の迷宮に迷い込んじゃってたぜ。ハニーとアレクに大感謝だね。
なんて考えていると、コンが首を傾げながら私の背後に居るアレクを指差しつつ言う。
「そういえばまだステータスの確認、してなかったよな?しなくて良いのか?」
「そうだった!」
そういやさっき見ようとしたけど長居してたら良く無いって事で移動になったんだよね!休憩する時とかに見ようって思ってたのにうっかりド忘れしてたよ!
「ありがとうコン!」
「べ、別にこんなん礼を言われるような事じゃねえし!」
コンはそう言ってプイッとそっぽを向いた、が、まあ慣れてるから照れてるんだなとしか思わない。
「それでも私は嬉しかったから、ありがとうね」
「…おう」
そっぽを向いたままではあるが、コンの大きな尻尾がパタリと揺れた。うん、コンって尻尾が素直なお陰でわかりやすいよね。
「で、アレク。ステータスの確認ってして良いかな?」
「もっちろん!」
一応アレクに確認を取ると、アレクはご機嫌な声でそう言いふよふよと私の目の前へ移動してくれた。言う前にちゃんと見やすい位置に移動するとか気遣いのプロかな?
「じゃ、ステータス確認」
私は表示されたアレクのステータスを読み上げる。
名前:アレク(27)
レベル:59
種族:リッチ
HP:460
MP:2000
スキル:逃亡、トラップ、急所突き、魅了、憑依、物理無効、呪い、夢渡り
称号:不義の子、変身デキチャーウ使用者、従魔、第四夫人、愛の加護
「……アレク、結構レベル高いし10歳も年上だったんだね」
「レベルはミーヤとダンジョンに潜った時に結構上がったんだ。年齢に関しては顔がこれで固定されてるからよく童顔って言われてたよ」
ああ、成る程。変身デキチャーウによって顔が固定されてたから老けたりもしなかったって事なのね。
ふむふむと納得していると、アレクは不思議そうに首を傾げた。
「でもおかしいな、生前のギルドカードにはHPがもうちょっと高く表示されてたし、スキルも身体強化とかがあったはずなんだけど…」
「そりゃそうよぉ」
うーんと唸るアレクに対し、スープの味見をして味が足りなかったのか調味料を足しつつイースが答える。
「だってぇ、今のアレクには肉体が無いでしょう?肉体が無いからHPは当然低くなるわぁ。身体強化なんてぇ、そもそも強化する肉体が存在してないんだから無くなってるのは当然よぉ」
「あ、ああー、そういう…」
「まさか僕の逃げ足スキルが逃亡ってスキルに変わってたのも足が無いから!?」
「そうじゃないかしらぁ」
人間から魔物に、生者からアンデッドに。そんだけ変わってるならそりゃスキルも変化するのは当然か。流石は異世界って事で納得しておこう。深く考えたってどうせわからないしね。
「じゃ、詳細ーっと」
まずはスキルの詳細を読み上げる。
逃亡
このスキルがあれば逃げる気で逃げれば確実に逃げ切れる。そう、どんなモノからも。元は逃げ足というスキルだったが、足が無くなった事と生きる事から逃げ切ったという点で逃亡スキルに昇格した。
トラップ
小さな小石から大掛かりな仕掛けまで、罠として仕掛ければそれは必ず罠になる。このスキルがあれば屋敷の一つや二つ、容易くドッカーン。
急所突き
攻撃を急所に当たりやすくするスキル。このスキルがあれば五回に一回は攻撃が相手の急所にヒットする。調子が良ければ十回中十回全部の攻撃が急所に当たる事もある。
魅了
対象を惚れさせる事が出来るスキル。勿論相手の好みの顔かどうか、範囲内の年齢かどうかなどで魅了を拒絶される事もある。このスキルがあれば一個か二個くらい相手に言う事を聞かせる事も可能。ただし現在は見た目が顔以外大変ホラーなので効果はかなり少ない。辛うじて好印象に見てもらえるかな?レベルまで下がっている。
憑依
肉体に入り込んで好きに操ったり出来るスキル。憑依する時は対象の精神との殴り合いになる時もある為気をつけよう。寝ている時が狙い目である。このスキルは使うのに慣れれば憑依した対象の記憶を読み取ったり、そのまま対象の魂を吸収して取り込み肉体の支配権を完全に奪ったりも可能。
物理無効
肉体が無い相手に物理が効くはずもない。なので普通の剣なんかではダメージを受けない。ただし魔法の場合は魂にダメージを与えてくるので要注意。光魔法に当たるとマジ地獄。壁や人間をすり抜ける事も出来るが、本人が触れたいと思っていれば自分からも相手からも触れる事が可能。
呪い
嫌いな相手に呪いを掛けて現世からさよならバイバイさせちゃおうぜ☆やり方は沢山あるので、呪いの方法を自分で調べてしっくりくるやつを学ぼう。ただし紛い物の呪いは自分に被害が出るし、呪った相手が呪いを跳ね返してきたりするとやっぱり自分に被害が出るのでその辺は自力で見極めるように。
夢渡り
生き物の夢の中に入り込む事が出来る。夢から夢へと移動して遠い場所へ旅行も可能。このスキルがあればまだ生きている人に対して言い残した事があっても夢の中で言う事が出来る。ただし帰り道を覚えていないと戻れない可能性もあるから気をつけて。
………うん。
「これ、憑依から先って確実にリッチになってから手に入れたスキルだよね?」
「だと思う。僕憑依とか物理無効のスキルなんて持ってなかったもん」
「だよね」「てか普通持ってないよそんなスキル」とアイコンタクトでアレクと会話する。
うん、物理無効が使えてたらまず死んでないだろうしね。
「呪いとか夢渡りとか、結構危険が伴うんだな…」
「ですが、確か夢渡りなどはイース様が使えたはずです。教えていただければ良いのではないでしょうか?」
コンが引き気味にそう言うと、ハニーが案を提示した。そういえばイースって夢の中に入れるとか言ってたね。そう思いイースの方を見ると、
「そうねぇ、私もリッチも肉体じゃないから睡眠を必要としてないしぃ、夜中にでも教えましょうかぁ」
お玉を持って鍋をかき混ぜながら、目の奥にハートが浮かんでいる紫の瞳を細めてうっそりと笑った。あ、あれあかんタイプの笑顔や。
「お願いしまーす!」
「えぇ、よろしくねぇ」
アレクは凄いにっこりな笑顔で良い挨拶をしたが、多分イースのあの表情からして教え方はスパルタだと思われる。だって目がいまいち笑っていない。あれか、呪いとかって下手すると私達にも被害が出るからか。だからスパルタ方式で使えるレベルまで鍛え上げようとでもしているのか。
「それでぇ、ミーヤ。称号の方はぁ?」
「ああ、うん、ちょっと待ってね」
「言ったら楽しく無いから言わないでねぇ?」という気持ちの篭った目でそう言われたら頷くしかなかった。うん、そうだね、称号も大事だもんね。イースは鑑定で他人のステータスを見れるから知ってるはずだけどね。
さて、と私は表示されているアレクのステータス、の称号の詳細を読み上げる。
不義の子
両親との間に出来た子では無い子に贈られる称号。この称号を所持していると家庭関係での問題が目白押しでもう大変!な事になる。
変身デキチャーウ使用者
勇者が作った薬「変身デキチャーウ」を使用した者に贈られる称号。この称号は「変身デキチャーウ」を使用した事がありますよという証明であり、この称号を所持していると「変身デキチャーウ」は使用出来なくなる。まあ薬を乱用するのは良く無いからね。
第四夫人
四番目の嫁。
愛の加護
愛の加護というスキルを所持している者から愛されている者へと贈られる称号。この称号を所持していると愛の加護スキルの持ち主からの愛次第で色々な特典が付く。どんな特典が付くかはランダム。
……………うん、不義の子っていう称号は酷いね!
「ミーヤ、第四夫人の称号を見て見ぬ振りしちゃ駄目よぉ」
「イースが現実を叩きつけてくる…」
好きで見て見ぬ振りをしているわけじゃないんだ…!前までならともかく今は従魔ハーレムも受け入れてるし!この称号を所持している以上はアレクも私の嫁と認識して愛するよ!ああそんくらいの愛は充分にあるからね!私の従魔になった時点でそのくらいの愛は注いでるし!
ただしアレクの方がそれを受け入れているのかに関しては別問題じゃん!?好きっつっても第四夫人の立ち位置ってどうなの!?オッケーなの?!
そう思いアレクの方を窺うと、
「えへ、えへへ、えへへへへへへへへ。第四夫人、夫人って事はミーヤのお嫁さんって事だよね?」
「嬉しいな、嬉しいな」と言いながら頬を両手で押さえつつ空中でくねくねと揺れていた。表情はだらしなくにやけてるし、血は巡っていないはずなのに顔が真っ赤。
……あ、これあれだ。何か見覚えあるなって思ってたけどフラワーロックにソックリなんだ。くねくねと揺れる感じがめっちゃフラワーロック。
まあ、うん、アレクがオッケーなら良いや。
「えーっと……頼りない夫ですがこれからよろしく」
「僕も嫁初心者だから色々と足りないと思うけど…こっちこそよろしくね!」
私の言葉に、アレクはにっこり笑顔で答えた。
「あの世まで永久にずぅーーーっと、一緒に居ようね!」
言い方が重い。
イースの「ご飯出来たわよぉ」という声が聞こえる中、私はただ笑顔を保つ事に集中していた。




