ツンデレ狐と狼親父と私達
「ようガルガ!お?人間の客とは珍しいな!肉持ってけ!」
「ガルガ、お前さんまだあの名無しを家に……わかった何も言わねえよ!無言で牙見せんな怖ぇよ!」
「あれまあちっちゃい子だねえ!ガルガの火傷を見ても泣かない子なんて初めてじゃないかい?しかも人間。よしよし、おばちゃんからお野菜のおすそ分けだよ。ガルガのトコは肉食の上、男しか居ない家だからねぇ。人間のお嬢ちゃんなら野菜も居るだろう?」
「ガルガ!貴様まだ名前無しを家に置いとるのか!?あれはもう既に成人済み!成人しても自力で生きれぬ出来そこないに未来など無い!あんなもの捨ててしまえ!」
「ああ、ガルガさんじゃないですか。さっき家に行ったけど居なかったから探しましたよ。はい、先日売った魔物の素材の代金。あ、それと家の裏の解体場で名無しがまた考え込み過ぎて泣き出してました。泣きながらシカの解体してたので早く帰ってあげてください」
以上、ガルガさんの家までに話しかけてきた人達です。意外とフレンドリーな獣人さんが多かった。獣人に対しての株はちょっと下がってたけど、あれは狐くんをいじめる人達が集まってただけだったのか。話しかけてきた獣人の中には悪口を言おうとした人や大胆に大声で叫んできた人もいたけど、他の人は普通に良い人だった。肉と野菜貰っちゃったし。
多分、肉とか野菜くれた獣人さんの方が本来の獣人らしい姿や性格なんだろうな。
でもきっと、悪口を言う方の獣人も本来の姿と性格だ。話を聞いてると名無しイコール虚弱体質みたいなイメージなんだろう。元の世界でも群れの中で弱い個体は見捨てられる事が多いみたいだったし、迫害もされてたはず。……それと、同じ感じなんだろうな。
「倅ーーーーーっ!!帰ったぞーーー!!」
うわビックリした!声がデカイ!
何が起きたのかと言えば、村の端にある大きめの家の前でガルガさんが叫んだ。帰ったぞって事は、ここがガルガさんのお家で狐くんのお家なのかな。
奥の方からバタバタという足音が聞こえ、続けて目の前の扉が開いた。
「おっせえよおや…ガルガ!」
「おう、悪いな!あとガルガじゃなくて親父って呼べ!」
「べ、別に昔の事を気にして親父呼びが出来ないわけじゃねえし!俺だってもう成人済みだから…じゃなくて!に、肉!ミーヤにちゃんと肉渡してくれたんだろうな!?別に断られたんじゃないかとか俺の態度が悪かったせいで受け取ってもらえなかったんじゃないかとか他の奴等に色々言われて俺の事嫌いになって俺からの肉なんていらないって言われたんじゃないかとかで考え込み過ぎて泣いたりなんかしてねえからな!!」
「目元の毛濡れてんぞ」
「うっせえ雨だよ!」
ツンデレかよ。しかも目がちょっと赤いし目元思いっきり涙の跡が付いてるしで誤魔化せて無い。あと凄い正直に全部言うね?私鈍感系主人公じゃないから普通に照れる。
……あれ、というかもしや私達気付かれて無い?私は背の問題で気付かれなくても仕方ないし、ハニーもゴドウィンさんの家を出てからは人間姿になってるけど背は私より低いから仕方ない。でもイースは結構存在感あるし、ラミィなんて長い下半身が隠れてないんだけど。え、そんなに影薄い?それともガルガさんのガタイが良いせいで隠れてて見えないのか?もしくは慌て過ぎてガルガさんしか見えていないのか。一体どれだ。
「そんな事よりも」
「そんな事!?そ、そりゃお…ガルガにとっちゃそんな事かもしれねえけど!ミーヤは俺の事を普通に見てくれたし俺が名無しなのに魔法使った事に関して普通に受け入れてくれ」
「客が来てる」
「どうも」
狐くんが言い終わらない内にガルガさんが後ろを指してそう言ったので、ガルガさんの横に立って挨拶。何というか狐くんは凄い早口でツンデレ台詞だし、ガルガさんは大声であえて空気読まない感じだな。
「たり庇っ、て、くれ…た、り……?」
あ、狐くんが目を見開いて硬直してしまった。
「………え、ミーヤ?」
「うん、ミーヤです」
「……何で?」
「えっと、今日ガルガさんのお宅に泊めてもらう事になって」
「はあっ!?な、そんっ!はああっ!!?」
簡潔に答えると狐くんは混乱してあたふたし始めてしまった。ちょっと面白い。私がパニックになっている時にイースが笑い転げてる時ってこんな気持ちなのかな。チラッとイースの方を見ると頷かれて何とも言えない気分になった。
すると狐くんはどうにか現状を把握したのか、私を指差して叫ぶ。
「べっ、別にお前が俺に対してまた普通に接してくれたのが嬉しかったり、今日この後一日一緒に居れるんだなって思って喜んだりなんかしてねえからな!」
うわーお教科書のようなツンデレ台詞。狐ってツンデレだったのか。
「そっか、正直ご迷惑じゃないかと思ってたから狐くんが好意的で良かったよ」
「なっ、なっ!?そ、そんな事言ってねえし!俺は別にミーヤと色々話せるんじゃないかと思ってはしゃいだりなんか!……そ、そりゃ、ちょっとは嬉しかったけど…ちょっとだけなんだからな!」
ツンデレのレベルが高い。あと小声部分が普通に聞き取れるから誤解のしようが無い。私が鈍感系主人公ならここで小声部分が聞こえなくて途中聞き取れなかったってなるけど、普通に聞き取れてしまった。まあツンデレであれ何であれ、好意的な反応で安心した。
まだ少し呟いている狐くんに対し、ガルガさんがにやにやと笑いながら言う。
「わかったわかった、お前が喜んでるのはわかったからさっさとシカの解体終わらせろ!嬢ちゃん達に食わせるんだからな!」
「だっ、だから喜んでねえし!シカだって俺が食う為に解体するだけなんだからな!別に食べても良いけど勘違いすんなよ!」
狐くんは捨て台詞のようにそう言って再び奥の方へと走って行ってしまった。
………勘違いするな、っていうツンデレの見本みたいな事まで言った…。え、狐くんツンデレの黒帯でも取ってるの?プロなの?
感動と衝撃で呆然としてると、ガルガさんが尖った爪で頬を掻いた。
「あー…。まあ、なんつうか倅は少し素直じゃなくてな。誤解しないでやってくれ。…ま、嬢ちゃんは普通にわかってくれたみたいだけどな!」
そう言ってガルガさんが私の頭をガッシガッシと力強く撫でる。色んな人に頭撫でられるけどこの力強さは初めてだ。というか酔う。酔う!
慌てて、でも気を悪くさせないようにさり気なくガルガさんの手から逃げてささっと手櫛で髪を整える。
「あはは、あのくらいなら誤解もしませんよ。というか全部言ってましたし」
「だよな!でもなぜか最後に付け足す言葉のせいで誤解されるんだよなあ…ったく」
ツンデレだからなー…。鈍感系主人公もお前は健忘症か?って感じだけどね。直前のデレ台詞を何故毎回聞き逃す?そして何故そうもあっさり「そうか、違うのか」って受け止めるんだ。○○なんかじゃないんだからね!の○○の中身が異様に具体的なのを察せよって思う。
さておき、ガルガさんはその背丈に合った大きな扉をくぐり、中に入った。
「さ、入ってくれ。家具はあまり無いし少し汚れてるが、広さだけは自慢出来る家だぜ!」
…そういえばまだ家の中に入れてすらいなかったわ。頭を下げて入らせてもらう。
「おじゃましまーす」
おお、成る程確かに室内は広い。家具は最低限って感じだけど、そのお陰で広い。普通ならちょっと寂しい印象を抱くかもしれないけど、こっちには下半身の蛇部分が数メートルはあるラミィがいる。広い部屋はとても助かるな。
「じゃあその辺の椅子に座っててくれ!俺は倅の方に行って肉持ってくるからな。先に飯の方が良いだろ?」
「そうねぇ…それじゃあ料理をする時は私も手伝うわぁ」
「あ?いやいや、客人に料理をさせる程俺も倅も常識知らずじゃねえよ」
「……念の為に聞くけどぉ、貰ったお野菜の料理法、わかるぅ?あとお肉も焼いただけの肉じゃないでしょうねぇ?もしそうなら問答無用でキッチンを借りるわぁ」
「…………そうか、女は焼いただけの肉じゃ駄目だったな」
イースの言葉に、ガルガさんは真顔で頷いた。何だろう。焼いただけの肉を出して女に嫌われた経験でもあるのだろうか。
あの後結局イースがガルガさんと狐くんに下処理をさせながら料理を作った。お陰でテーブルには美味しそうなご飯が沢山並んでいる。
……うん、私料理名に詳しく無いから「味付けして焼いた美味しいやつ」とか「具が沢山のさっぱりしたスープ」とか「何かはわからないけど野菜に合うドレッシングがかけられてるサラダ」って表現になるから料理の描写はスルーで行こう。我が家では具材が違っていようがお姉ちゃんが「鍋」って言えば鍋だったんだよ。キムチ鍋も豆乳鍋も白菜と豚肉の鍋も味噌鍋でも、全部一緒くたに「鍋」だったんです。食う専門なのも相まって役立たずだな、私。
ちなみに待っている間、ハニーは許可を貰って部屋の掃除をしていた。掃除好きの称号が疼いたらしい。ラミィもきちんと許可を貰ってお風呂の準備をしていた。入浴剤みたいにお風呂の湯に色を付けたりするのは人様のお家だから止めておいたとの事。しっかりしてる。………あれ?本気で私ただ座ってただけじゃない?
今も美味しい美味しいとご飯を食べているだけだ。やばい。私完全にタダ飯食らいじゃない!?
「なあ、嬢ちゃん」
「うおっはい!?何でやんしょ!?」
「やんしょ?」
「ああ、ミーヤは不意を突かれて驚いたりすると語尾が変になるのよぉ。気にしなくて良いわぁ」
「そうか!」
意識散漫になっていたせいで変な返事になってしまったが、イースがさらりとフォローを入れてくれた。うう、従魔が頼りになりすぎて主が駄目人間になりそう。
ガルガさんは分厚く切った焼肉を大胆に噛み千切って食らいつつ話し始める。
「嬢ちゃん、倅の奴は名無しだが魔法が使える。この事に関して嬢ちゃんはどう思う?」
「どう?」
「ガルガ!」
「うっせえ親父って呼べっつってんだろ!」
あ、狐くんが頭を殴られた。
……ガルガさんも狐くんも普通にしてるしこれが日常風景なんだろうか。
さておき、魔法が使える事をどう思うか?
「いや、普通に「使えるんだなー」としか……」
それ以外に何と言えば良いのかもわからない。え、何?獣人って魔法が使えるタイプも居るとは聞いてましたけど、基本的に苦手としてるとも聞いたので凄いなって思いますとか本心をそのまま言えば良いの?あの狐火って火魔法、最後のやつが結構な火力だったから凄いですよねとか?実際最後の狐火は普通のファイヤーボールよりも二回りは大きかったんだよね。
そう考えていると、イースがサラダを食べながらくすくすと笑う。
「そういう意味じゃないわぁ。普通獣人は魔法を苦手としている。けれど得意な獣人も居るには居るのよぉ。狐は火や闇が得意だったりぃ、鳥は風が得意だったりぃ、犬は土が使えたりぃ」
そこで一旦区切り、イースはお茶を飲んで軽く溜め息を吐いた。
「でも名前が無い獣人は「己が無い」のぉ。だから魔力を固定出来なくてぇ、無理に魔法を使おうとすれば暴発するわぁ。名無しとは「己無し」。自分が無いって事よぉ。自分が無い獣人は力の使い方がわからない。だから獣人にしては異様な程生命力が低かったりぃ、力が無かったりするのよねぇ」
「へぇー……」
漫画でも時々自分が無いキャラが居たりするよね。これが自分だ!って枠に嵌まりさえすれば姿も能力も性格も固定されたりするんだけど。そんな感じかな?
「そしてそこの子は名無し。本来獣人は魔法を苦手とする種だしぃ、その上名無しよぉ?普通魔法を使いこなすなんて不可能とされてるわぁ。仮に出来たとしても指先に火を灯せれば充分なくらいよぉ。………そこを踏まえた上での質問、でしょう?」
「ほう、随分と獣人に詳しいな!」
「これでも一番歳上だものぉ。この家の中にいる私以外の年齢を足しても私の年齢の十分の一にも満たないわぁ」
「「はっ!?」」
おお、狐くんとガルガさんの驚いた顔が凄いソックリ。血の繋がりは無くてもこういうリアクションってやっぱり似るもんなんだね。
………いや、すっかりほのぼのとしてたけどイース見た目若いお姉さんだもんな。そりゃ驚くわ。私知ってたしハニーもある程度知ってるし、ラミィは……知らないはずだけど興味無さそうにゆで卵を呑みこんでいる。消化に悪いから噛みなさいと言いたいけど半分蛇だから言うに言えない。
うーん…何かガルガさんと狐くんの硬直が解けないし勝手に話の続きを言っちゃおうかな。
「えっと、狐くんが魔法を使える事に関してですけど。……頑張った結果でしょうし、名無しでもあれだけ凄い火魔法が使えるなら良い事だと思いますよ。充分俊足シカを狩れてたし」
「嬢ちゃんは……」
あ、良かった硬直解けた。目元を緩ませたガルガさんが言葉を言い切る前に、同じく硬直が解けた狐くんが呆然と呟く。
「ミーヤは……名無しが魔法を使うなんて生意気だって、言わないんだな」
「どこの剛田さん家の武くんだよ。母ちゃんに尻叩かれるぞ」
魔法を使える奴が魔法を使って何が悪い。格下と思ってた奴が自分の使えない魔法を使えたからって言うか?そんな台詞。そんな事言う暇あったら得意分野鍛えて魔法よりも凄いってアピール出来るだけの実力装備してこいよ。
しかし、私の返答が意外だったのか狐くんは狐らしいツリ目を再びまん丸にしていた。え、今の何処に驚く要素があったの?待ってガルガさんも何でニヤニヤ笑ってんの?入れ替わってるー!しちゃったの?ガルガさんの表情狐っぽいし狐くんの表情は犬っぽい。お前ら血も種族も違うけど充分家族だよ。
「……そ、その、ミーヤ…」
「うん?」
動かなくなった狐くんに対しどうしたら良いかわからず、とりあえずデザートに出されたチーゴイのタルトを食べていると狐くんが再起動した。再起動したって言っても、顔は下向いてて視線が時々チラチラ来る状態だけどね。
「あ、ああああ…あ、あり、ありあり、あ」
「アリーヴェデルチ?」
おっといけない。ついうっかりイタリア語が。今のはそれ以上でも以下でも無いからね。
心の中で言い訳をしていると横でハニーが嬉しそうにタルトを頬張っているのが見えて微笑ましい気持ちになった。…いかんいかん。ハニーへ向かっていた視線を狐くんに戻し狐くんの言葉を待つ。
狐くんはこれから自爆するんじゃないかという程に緊張した様子で私の手元にあるタルトを凝視しながらありありありを繰り返していた。…え、大丈夫?流石にちょっと心配になって声を掛けようとすると、勢い良く狐くんの顔が上がり、目が合った。
「あっ、あ……っ!ありがとう……!」
「……へ?」
ごめん、何に対してのありがとうかわかんない。そんな気持ちが顔に出てしまっていたのか、狐くんはさっきに比べれば落ち着いて緊張した様子で説明し出した。……落ち着いて緊張って何だ。
「そっ、その、最初に変な態度取ったのに普通に話してくれたとか、名無しって聞いても態度変えなかったとか、出来損ないとかじゃなくて狐くんって呼んでくれたとか、大声で話して庇ってくれたとか、俺が名前呼んだら普通に返事してくれたとか、手を振ったら振り返してくれたとか、あと本当は村で別れる時にお礼を言いたかったけど言えなかったとか……。だから、その…だな」
やばい。何がやばいかと言えば狐くんがやばい。言っている内容は普通に喜ぶべき内容なんだろうけど、狐くんの頭から湯気が出ている。目もちょっとぐるぐるしてるし。これあれでしょ?羞恥がマックスになったキャラがよくなるあれでしょ?え、本当に大丈夫?氷要る?
頭部から湯気を出しつつもにょもにょ言っていた狐くんは椅子を倒す勢いで立ち上がり、ぐるぐる目のまま私を指差して叫ぶ。
「俺が礼を言いたくて言っただけなんだから勘違いすんなよ!別にミーヤの言動や態度が感動で泣きそうになる程俺にとっては嬉しかったとか、そういうわけじゃないんだからな!!」
言ってる言ってる。全部言ってる。素直な好意をぶつけられて嬉しいが狐くんの熱が心配だ。もう何か涙目になってるじゃん。ぐるぐる目のままなのに涙目じゃん。
よいしょと椅子から立ち上がり、狐くんの近くへと移動する。何故か狐くんは怯えたように逃げようとしたけど、腕を強く掴んだら止まったので良しとする。筋肉質なのにもふもふな感触で余は満足である。惜しいのは毛に手入れが行き届いて無いところかな。さておき左手で狐くんを掴まえつつ右手で倒された椅子を元に戻す。そしてその椅子の上に靴を脱いで立つ。
……心が読めるイース以外には不思議そうな目で見られたがこれしか方法が無かったんだよ!だって狐くん男版のイースくらいには身長あるんだもん!まあでも狐くんが逃げようとしなくなったからまあ良いや。
左手で掴んでいた狐くんの腕を放してウエストポーチの中の……もう面倒だからこれからは統一してアイテムポーチと呼ぼう。アイテムポーチの中から空の袋を取り出し、氷魔法と水魔法で氷嚢を作る。そしてその氷嚢をいまだ湯気を出している狐くんの頭に乗せ、
「どういたしまして。こっちこそ凄く褒められて嬉しかったから、ありがとうね」
と言って笑う。
うん、これがしたかった。氷嚢を乗せたかったのかって?そっちじゃないそっちじゃない。ただありがとうへの返事とお礼を言いたかっただけなのだよ。でも普通にそれを言ったら狐くん、熱暴走で気絶しそうな雰囲気だったんだよね。
「あ…、あ、…あ、あ、あ、あ、あああああ………っ!」
「…え、あれ?あの、ちょ、狐くん!?」
狐フェイスなのにどうやったのか顔を真っ赤にさせた狐くんが奇声を上げ始めてしまった。やっぱりか!だが対策として氷嚢を頭に乗せ……えっ!?あれ!?氷嚢の中身はさっきまで氷と水だけだったはずなのにお湯になってない!?あれ!?
慌てて氷魔法で袋の中のお湯を凍らせるがすぐに再びお湯になってしまう。何故だ。そして何故ガルガさんはにやにや笑いながら、
「あーあ、嬢ちゃんも人が悪いなあ?」
って言ってくるわけ!?お前狼じゃなくて狐だろ絶対!狐が狼の皮被ってるだろお前!だってさっきまでのガルガさんはイメージ通りの狼獣人……ああああガルガさんの手元に酒がある!誰だよ酒飲ましたの!イース挙手すんなよわかってるから!思っただけだよ!イース以外居ないよね酒飲ます人!酒飲んだら狐になるのかよガルガさんは!種族行方不明か!(パニック)
思わず脳内が混乱を起こしたが、狐くんはそれよりも大混乱だったらしい。
「きゅうん………」
「狐くーーーーーんっ!?」
狐くんはとても可愛らしい悲鳴と共に、気絶してしまった。




