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異世界で魔物使いやってます  作者:
ニーラクス学園編
210/276

意外と卒業生に縁があったらしい



「今の時間だと……下着科があの教室使ってるな」



 ジェラードの言葉に少し耳を澄ませてみる。



「さあそれでは本日はパンチラについて語りましょうか!前回はブラチラについてでしたからね。今回のパンチラはパンツのデザインからパンチラのシチュエーション、その他諸々好きなように発表してください!」


「先生!エッチな女教師が教卓の上に座ってタイトスカートからタイツ越しのパンツ見せてくれるシチュはパンチラですか!?」


「それはパンモロなので今回はちょっと……ですが先生それも結構好きですよ。ただ先生としてはエッチな見た目という自覚が無い女教師が教卓の上に立って黒板の上に置かれている何かを取ろうとしてアングル的に生徒達からスカートの中が見えちゃって展開が好きです」


「流石先生ってか圧が強い!」


「先生!私は風で偶然幼馴染のスカートが揺れて「きゃっ……見た?もう、エッチなんだから」ってシチュが!好きです!女の子が恥ずかしがりながらも仕方ないなというような笑みを浮かべていたら最の高!」


「素晴らしいですね。将来有望な生徒が多くて先生は嬉しいです。幼馴染パンチラは先生も好きですし。恐らくそのシチュであるなら清楚系でありながら女の子らしく可愛らしい下着でしょうね。パステルカラーでレースとリボンの飾りが付いているのが先生には見える。ちなみに先生、いつもはツンデレ気味な幼馴染が実は子供向けのような下着を履いてるのが性癖の一つだったりします」


「本当、流石ニーラクス学園の教師だぜ……!」


「一体幾つ性癖を持っているんだ……!」



 いきなり凄ぇ会話が聞こえた。

 いやわかるけど。生徒の言葉も先生の言葉もわかるけど。教卓じゃなくても脚立とかに乗せるという案もあるのでは!?って乱入したいくらいにはわかるけど。でも外に会話が漏れたらアウトな気がしないでもない。ここに居るの同属しか居ないから良いんだろうけど。

 現在、私達はロンさんとジェラードに校舎を案内されていた。この校舎、ってか学園?ツィツィートガル一の学園なだけはあって人数が多いのか教室がめちゃくちゃ沢山ある。

 ……まあ、科が多いからって気もするけど。



「ふむ……あの教室は今、食科が使っているようだな」


「食科?」



 グルメ漫画系のアレコレについて語ってるんだろうか。それとも普通に食べ物について学ぶ系?



「いつもは食べた時の表現やレポの語彙を増やす授業だが今日はちょっと変り種!本日の授業タイトルは「いっぱい食べる君が好き」!さあ何を食べているどんな子が好き!?先生は体大きくて筋肉もしっかりあるし無骨っていうかあんまり喋らなくて何考えてるかわかんないんだけど甘い物が大好きで生クリームを口の端に付けながら薄く微笑んでケーキ類を食べる系男子が好き!」


「先生がいきなり俺ら飛び越えてフルスロットル!」


「当たり前でしょ先生なんだから!皆も先生という先陣突っ走る存在を追い越せるように頑張って!」


「はい先生!俺はちょっと大食いでぽちゃ気味の可愛い顔した女の子が美味しそうに恋人の手料理を頬張ってふにゃあっとした笑顔を浮かべてどんどん食べていくのが好きです!デザート系も確かに素晴らしいがガッツリ系もまたギャップが良い!」


「私はガリ系で食べる事があんまり好きじゃないんだっていう心に闇がある男子が恋人の手料理に始めて料理に対して美味しいって気持ちを抱いてガツガツ食べておかわりまでしてその後お腹いっぱいになって寝ちゃうのが好き!そして数ヵ月後から数年後、そこには元気にご飯を食べておかわりを要求する健康そうな彼が!ってエピローグまでしっかり入ってると作者の方にありがとうレターを送りたいくらい心の中で爆発がおきます!」


「僕は食べるのが好きな女の子が料理をしようと思って作ろうとするんだけど作る途中でどうしてもつまみ食いをし過ぎちゃって気付けば材料が無くなってるシチュが好きです!そして最終的に恋人に全部食べちゃうから見張ってて!と頼んで二人でクッキング!食べちゃう女の子!止める恋人!しかし食べる女の子!最終的にキレた恋人によって女の子がキッチンから追い出されて恋人が全部作って女の子に「はい、出来たよ」って食べさせて、女の子が美味しいって頬を緩めながら食べるのを見て「……ま、良いか」ってちょっとイライラしてた恋人が笑う、みたいな!みたいなシチュが!好きなんですよ僕は!」


「あ、先生コレ油断してたらあっさり生徒に抜かれるね。皆思ってたより強い」



 ……教室から漂ってくる熱気が凄い。

 あと先生さん、貴方の好みっぽいのが王都に居ます。第一王子とか多分好みドンピシャじゃないですかねその属性。



「何というか……物凄く凄い学園だね」


「まーね」



 私の言葉にジェラードは頷いた。



「でもこの学園の卒業生は殆どが結構しっかりした職に付いてたりするから普通の学園より良いよ?萌えのままに色々知識仕入れてれば勝手に普段使わないような知識まで蓄えれるからさ」


「ああ、サバイバル知識とか?」


「そうそう」



 ニッと笑って肯定したジェラードは「あ!」と何かを思いついたように手を叩いた。



「そういや向こうの廊下の壁に卒業生達の写真あるから見る?流石に全員だと数多くなるからって主席の写真しか無いし、数百年前は写真が無かったから置いてないけど」


「んー……じゃあちょっと気になるし見せてもらおうかな」


「おう、こっちこっち!」



 前に出て手招きをするジェラードについて行くと、少し変わった廊下があった。どうやら違う校舎までの渡り廊下らしい。上の階の渡り廊下だからなのか、学校の渡り廊下っていうよりもデパートの渡り廊下のように壁がしっかりと固められていた。

 ……まあ、安全面考えると壁をしっかりさせた方が良いのは確かだよね。

 そしてその壁に、主席だったらしい生徒達の写真が飾られている。



「結構量あるね」


「ですね」



 頷いたハニーの頭を軽く撫でていると、ヒースに「ミーヤ様!」と呼ばれた。



「ミーヤ様、これ、この写真!」


「ん?」



 ヒースが指差している写真を見ると、どこか見覚えのある女性が写っていた。緩くウェーブしている紫のロングヘアーに写真からもわかるおっきいおっぱい。

 ……この紫の髪といい、顔といい、胸といい、何かめちゃくちゃ見覚えっていうか既視感が……。

 すっと両手で彼女の髪部分を隠すと、理由がわかった。



「あ、この人ユラさんだ」


「そうなんだよ!です、よ!」



 成る程、今のユラさんは髪をお団子で纏めてたからわかんなかったんだね。お風呂一緒に入った時に髪下ろしバージョンも見てたから既視感があったのか。



「ヒース凄いね、言ってくれなかったら私多分全然気付けなかったよ」


「いや……その、俺は魔王城で何年か生活してたからな、でした、ましたから」


「そうだね」



 「でも知り合いが居るって気付けたの嬉しかったからありがとね」とヒースの頭を撫でると、ヒースは緩んだ笑みを見せた。可愛い。



「……ミーヤさんってさ、確か従魔全員が嫁なんだよね?」



 少し真面目な表情でそう聞いてきたジェラードに、私は「うん」と答える。



「で、その人も首にある契約印から察するに従魔」


「うん」


「種族は?」


「人間」


「萌えの擬人化じゃねえか!」



 叫ばれた。



「ああもう駄目だこれを見て見ぬ振りは無理!ミーヤさんちょっとネタにして良い!?大丈夫総攻めだから!」


「ユラさんにも学園長にも言われたし許可は出してるからお好きにどうぞ。ただ実名は出さない事と、読者の方に私達に対して私達が出演してる本に関した話題を出さないっていうのを守らせるのが最低限のルールね」


「任せとけそういう系の本も普通にあるから!」



 良い笑顔でサムズアップし、ジェラードは上着のポケットから取り出したメモにペンを走らせ始めた。

 ……この学園の特色なのかな、この行動。ユラさんや学園長がジェラードに被るね。



「ああ、居た。ミーヤ、確かミーヤの記憶ではこの卒業生にも会った事があるはずだ」


「え?どれですか?」



 ロンさんが指差す写真を見ると、見覚えのある黒髪赤目のイケメンが………。



「うわ、アボットだ」



 一歩下がってそう言った私の反応に、ロンさんは「ははははは」と笑い声を上げた。



「こやつも悪い生徒では無かったのだがな。ただ少し金欠だったせいで、ミーヤには嫌な記憶を植えつけてしまったらしいが」



 え、金欠?



「金欠とあの露出癖に何か関係があるんですか?」


「ああ」



 私の問いに頷き、ロンさんは「この学園ではな」と口を開く。



「小遣い稼ぎとして、モデルをやる者も多いのだ」


「……小遣い稼ぎでモデル?」


「ミーヤにはデッサン人形代わりと言った方がわかりやすいか?」



 あ、ああ成る程、そういうモデルね。

 確かに絵を描く人は時々ここの手の形は!?腕の捻り方は!?って混乱するっぽいもんね。お姉ちゃんもよくアシスタントに来た友人さんにモデルやってもらってたな。

 私?確かこの時、私は未成年だからこれから描く予定の漫画見せれないって言われてお姉ちゃんの部屋に立ち入り禁止されてた時期だから。ちなみにその後お姉ちゃんは友人さん達から色んなタイプのデッサン人形をプレゼントされていた。



「……まさかとは思いますが、アボットは金欠故の小遣い稼ぎでモデルやった結果露出癖に目覚めたとかじゃないですよね?」


「そのまさかだな。確か見られる快感に目覚めたとか何とか言っていた」



 この学園性癖には正直に行こうぜ!ってタイプっぽいから止める人居なかったのかな。居なかったんだろうな。でも他人に迷惑は掛けないようにっていう雰囲気あるから公衆の面前での露出行為は多分アボットが暴走した結果だろうからこの学園に罪は無い。罪人はアボット一名のみでやんすね。



「ああ、この卒業生にも会った事があるはずだぞ」


「……んん?」



 ロンさんが指差した写真に写っている男性にはまったく見覚えが無い。え、誰?

 私の頭上に浮かぶハテナマークが見えたのか、ロンさんは「ははは」と笑って答えを教えてくれた。



「こやつはな、卒業後副学園長になり、そして現在はバーンズ家の執事をしているあの老人……の、学生の時の写真だ」


「うっそだろ!?」



 思わず敬語を忘れて写真とロンさんを二度見三度見。え、うわ、写真に写ってる執事さんイケメン。



「……時の流れって残酷ぅ……」


「ミーヤの記憶を見る限り、中身はまったくと言って良い程変わっていないようだったがな」



 それはそれでどうなんだろう。個人的には外見老けずに中身は成長するっていうタイプが一番良いと思うんだけどな。あれ、それってつまりエルフでは?

 そんな事を考えていると、「よしオッケー」とジェラードがメモとペンを仕舞った。



「んじゃ、寮の方に案内するよ。マーケットの時に卒業生が泊まる事もあるからそれ用の大部屋が空いてるんだけど、ミーヤさん達はそこで良いかな?それとも別々で個室欲しい?」


「いや、いつも一緒だから大部屋でお願いしたいかな」


「うわ公式からの供給凄い。……じゃなくて、了解!」



 公式言うな。わかるけど。気持ちは物凄くわかるけど。

 油断すると同じ匂いがする相手に色々語りだしたくなってしまう己の中のオタク魂を抑えつつ深呼吸をすると、



「あ」



 校舎の鐘が鳴り響いた。……多分授業終了の合図かな?

 しかし、何故かジェラードはやっべとでも言うような表情を浮かべていた。



「ジェラード?」


「あー、うん、そういや学園長に、授業が終わる前に生徒達にミーヤさん達の事伝えるからって言われてたの思い出したなーって」



 それが何だろうと思っていると、同じ様に思ったらしいアリスが「それがどうしたの?」と聞いた。



「……その前にミーヤさん達を寮の方に案内し終わってないと、多分、押し寄せるから」


「何が?」



 首を傾げてそう問い掛けると、遠くからドドドドドという音と振動が近付いて来た。



「居たぞおおおおおお!」


「うわマジだ!マジでマジに他種族沢山居る!すみませんちょっと聞きたい事があるんですけどお時間大丈夫ですか!?」


「従魔としてどんなケアをされてるのかとかどういう時に愛されてるなって思うかとかこうされるのが好きだとかとかとかとか!聞きたい事が!あるんです!」


「ハーレムの持ち主!しかも他種族も性別も関係無しの上大人数!リアルで全員俺の嫁状態とか最初の出会いからを詳しく!くーわーしーくー!」


「全員の!全員の身長体重年齢あと公表しても大丈夫な個人情報教えてください!」


「幽霊嫁にしてるとか幽霊科とホラー科をとってる俺としては是非とも詳しくお話伺いたいんですが!」


「馴れ初め!馴れ初めを!」


「爬虫類の艶やかさについて語りたいんですけど!」


「褐色!」


「おっぱい!」


「鱗!」


「あれ七不思議の爺ちゃんまで居る!?まさか爺ちゃんもハーレム入り!?」


「ははは、それも面白いかもしれんなあ」


「ケモノ系の良さについて語りませんか!?あと獣人と仲良くなる方法とか教えて欲しいのですが!」


「この学園の者は同じ学園の生徒だからという自分ルールで普通に接していたが外部の人間相手では……と思っていたらまさかのエルフの友人だと!?ならば問題ない年齢差について語らないか!?」



 誰か聖徳太子呼んで来い!

 何コレ。何かもう怒涛の勢いで語られて容量オーバーにも程があるわ。でもオタク特有の熱と圧は感じた。というか一瞬にして周囲を囲まれたんだけどそのチームワーク何なの?学園生活で培ったチームワークなの?そうなの?



「こらこらこら!お前ら囲んでんじゃねえよしっしっ!」


「でもでもジェラード先輩!」


「修学旅行とか合宿とか実家に帰省した時くらいしか外部のネタゲット出来ないじゃないですか!」


「しかもこんなにレアな人達なんですよ!?」


「女性主が夫やってて男女入り乱れ従魔兼嫁というハーレム!」


「今聞かずにどうするんですか!?」



 ジェラードに比べると幼く見える少年少女達はそう訴えるが、ジェラードはハッキリと宣言する。



「……ニーラクス学園校則!第四条!学園の生徒または卒業生以外には必要以上に絡んではいけない!」


「うっ」



 ジェラードの言葉に生徒達がたじろいだ。



「この第四条は、生徒達が外部の者に迷惑行為をしないようにと作られた校則……。お前らこれでミーヤさん達から苦情入って不要な制限入ったらどうすんだよ!?」


「すみませんでしたあ!」


「それだけは!それだけは嫌あ!」


「男の監査が私の部屋の本確認したら死ぬう!」


「相手が女でも死ぬしかねえ!」


「自重します!自重しますからどうかルールを厳しくするのだけは!」


「実家から離れて自分の本心をさらけ出せる唯一の場所なんです!」


「俺に言うんじゃなくてミーヤさん達に謝罪!」


「「「「「「すみませんでしたあ!!」」」」」」


「あ、いえいえ気持ちわからなくもないし理解も出来るんでお気に為さらず」



 正直言って人間も獣人もエルフも居るんだとか、見る限り未成年しか居ないなとか、どうも私達を囲んでるこの子達は下の方の学年の子達らしいなとか、確かに幾つか語り合いたいネタがあるなとか、ちょっとロンさん何言ってんのとか色々と感想はあったけど怒涛の勢いからの謝罪に全部ぶっ飛んだよね。



「…………とりあえず、座れるところに移動しようか」



 渡り廊下に大人数居るのは重量的に不安だし、長時間立ち続けるのも避けたい。



「移動したら質問とかオッケーだったりしますか!?」


「うん、一人につき一つの質問なら受け付けるよ」



 ただし黙秘権を使用しないとは言ってない。



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