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異世界で魔物使いやってます  作者:
異世界に来ました
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着替えと通りすがりの憐れなミツドリ



 さて、着替えました。異世界のお洋服です。

 え?前回あの後どうなったかって?どうもなってませんよ。あっちもこっちもどこもそこもここも全身くまなく、本当にくまなく拭かれましたけど。とっても優しく包み込むように、とろかすように拭かれましたけど。

 まあ一言だけ言うならば、私はまだ純潔を守ってますぜ。



「それじゃあ、ミーヤが着てた服は仕舞っておくわねぇ」


「うん、ありがとう。…あ、そういえばさ、小説とかだと服に効果があったりして、鑑定で見ると詳細がわかるーみたいなのあったんだけど、セーラー服に何か特殊な効果とかって付いてたりしない?」


「うーん…そうねぇ」



 イースは手に持ったセーラー服をじっと見つめる。



「残念だけどぉ、鑑定結果は「異世界の制服。これを着ていると異世界の人間だと認識される」って出てるわぁ」


「超危なかった!普通の服持っててその普通の服貸してくれたイースにマジでありがとう!」


「良いのよぉ。流行り物を買うのは楽しいものねぇ。時々お金も使わないと古すぎて使えなくなっちゃうしぃ」



 そういやイース、年齢四桁だったな。

 ちなみに現在の私の装備は上から


 ・緑色を薄く、かつくすませたような色の長袖のブラウス

 ・↑の上から土色の半袖のシャツ

 ・深い緑色の短パン

 ・黒のタイツ

 ・ココア色のくしゅくしゅブーツ


 となっております。

 半袖のシャツはこう…パフスリーブって言うの?ドレスとかでよく見るあの袖がモコッてしてるやつ。あんな感じ。

 黒のタイツに関しては「慣れてないのに素足で山を歩いたらかぶれるわよぉ?」と言われた。

 ブーツはふくらはぎを丸っとガードする長さ。返しが付いていて、この返しは「中に小銭とかを入れておくとぉ、万が一の時に助かるからこういうデザインなのよぉ」らしい。カツアゲ対策として靴底に小銭を隠しておくみたいな感じだろうか。

 ちなみに全部「自然修復」「洗濯不要」の効果があるらしい。

 自然修復は服が破れても時間と共に勝手に修復される効果。洗濯不要は着たままでも臭わないし、汗が染み込んでベタついたりもしない効果。

 ……めちゃくちゃ良い服じゃない?コレ。



「逆よぉ。少し高いは高いんだけどぉ、初心者の冒険者用なのよぉ。ほら、冒険者って毎日はお風呂に入れないしぃ、怪我も沢山するでしょぉ?洋服代が掛かるのよねぇ。鎧を着るにしても下が素肌ってわけにもいかないでしょぉ?」


「あー、成る程。まず全身鎧で動けるなら充分強いだろうから洋服代くらいは出せそうだしね。そうなると簡易的な鎧しか付けられない初心者が買う服なのか」


「そうよぉ。それに洗濯しなくて良いしぃ、ほつれたりもしないじゃなぁい?そうすると新しい服を買う必要が無いからぁ、お洋服屋さんが潰れちゃうのよねぇ。だから基本的に冒険者と貧乏人用って感じかしらぁ」



 貧乏人…いや、うん、正直こっちの世界では一文無しだから事実か。買う買わない以前にイースの私物だしね。



「ちなみにぃ、色がくすんでて飾り気が少ないのは冒険者だからでぇす」


「……どゆこと?」


「迷彩って事よぉ。溶岩地帯ならともかくぅ、森の中で真っ赤な服なんて襲ってくれって言ってるようなものじゃなぁい?」


「納得」



 だから土っぽい色とか草っぽい色なのか。地味にも程がある色彩だと思ったけど理由はちゃんとあった。



「あと貧乏人や新米冒険者の服が普通の服よりも綺麗な色だったらぁ、色々と問題だものねぇ」


「ああ、普通に服買ってる人からしたら自分達より良い服着てる!みたいになっちゃうもんね。だからこその使い古したような色なのか」


「そういう事よぉ」



 ……イースを見ると、服の色は全体的に紫系だからまったく森っぽく無いけどね。



「この格好はミーヤの趣味でしょぉ?人里の近くまで行ったらちゃぁんともう少しマシな服に変えるわよぉ。この胸当て、風が吹いただけで捲れて見えちゃうものねぇ」


「絶妙に見えないけどね」


「見たいのぉ?」


「こう、階段を上っていく人のスカートが短いと思わず覗きたくなるあの心理みたいなアレだから!見たいっちゃ見たいけどそれはチラリズムに惹かれてるだけであって別にお誘いの意味じゃないんで距離が近い!!」



 見たいのぉ?という言葉と共に、イースの爆乳とも言えるおっきいおっぱいが頬に押し付けられた。圧が凄い。柔らかさだけじゃなくて張りもあるから圧が強い!!

 圧のせいでそろそろ首痛めそうと思った瞬間、イースはあっさりと離れた。



「ふぅ…」


「さて、もう夜だしぃ、お風呂も済ませたしぃ…私の食事の時間にしても、良いわよねぇ?」


「あ」



 ペロリ、と月をバックに舌なめずりをするイースは、とんでもなくエッチだった。

 角や羽、尻尾も相まって凄くセクシーが爆発してる。フェロモンが目視出来る。背筋にゾクゾクする何かが走る。イースの表情は、まるでおあずけをされた獣のようで。その瞳は、いつもより赤い色に染まっていて。



「今日はずぅっと我慢してきたんだものぉ…多めに食べても、良いわよねぇ?」



 とろけるように甘い声で言われた言葉に、反射的に体がビクリと反応した。

 ……でも、まあ、うん。実際今日は凄いお世話になったし、色々と我慢させたのも事実だろうし。主に蜂蜜しゃぶり事件と全身拭き拭き事件とかで。

 おんぶに抱っこ状態のバブちゃんレベルだった私は、そんな事を言われたらこう言うしかない。



「お手柔らかに…!」



 ギュッと目を瞑って覚悟を決めると、熱い吐息を耳に感じる。

 するり、と頬を撫でる手の平の感触に思わず目を開けそうになるが、グッと耐える。多分今見るのは駄目な気がする!未成年お断り状態な気がする!

 手の平とは逆の頬に、ぬるりとした感触を覚えた。…え?頬舐められた?だってあの、頬、舐められたっぽい頬のトコが、あの、凄い熱いんですけど。明らかにイースの熱い吐息なんですけど。

 そう思った次の瞬間。



「あー、ん…♡」



 ちゅう、と頬に口付けをされる感触。

 同時にごっそりと何かを失ったような感覚。

 二回目の暗転に、思った。

 頑張ってレベルを上げていかないと、毎回気絶落ちになる…!と。





 そんなわけで、朝です。おはようございます。

 あの後やっぱり私は気絶したらしく、イースが膝枕をしてくれていたらしい。

 しかもイースの水魔法でガチのウォーターベッド(水布団)を作ってくれてた。火魔法で水温を調節して寝るのに最適な温度にもされてた。気遣いが凄い。

 イースが言うには、今日はまた魔物を倒しつつ人里へ向かってゴーの予定らしい。草食ヘビを焼いたものを食べながら説明を聞く。



「昨日はレベルを上げないとって思ってたから人里に向かいつつ魔物の方へと寄り道って感じだったのぉ。普通なら一日で55体なんて数狩れないから誰かに言ったりしちゃ駄目よぉ?」



 あ、やっぱりあの遭遇率は普通じゃ無かったのか。草食ヘビの肉サッパリしてて美味い。



「まあ、昼間コウモリや屍喰いカラスは集団行動してる事が多いからぁ、そういうのは複数あっさり狩っても違和感は抱かれないわよぉ。でも探し出すのが難しい魔物の討伐依頼を受けて、その依頼をクリアしたらちゃぁんと「従魔が見つけた」って言うのよぉ?じゃないとミーヤに被害が出ちゃうものぉ」



 従魔が見つけたと報告って言われても、多分実際に見つけるの従魔であるイースだろうしなあ。



「それはそうだけどぉ、一応ねぇ。でぇ、今日は魔物の方に寄り道せずにぃ、普通に歩いてる途中で魔物を見つけたら狩るって方向で行くわよぉ」


「了解でっす!」


「うふふ、ミーヤったらぁ。口元に食べカスが付いてるわよぉ」



 いっけね、と思い口元を右手で拭おうとしたらその右手を押さえられ、気付いたらもうイースは目の前にいた。ペロリ、と唇のすぐ横を舐められ、咄嗟に顔を上げるとイースはもう既に元の位置に戻っていた。



「ん、美味しいわねぇ♡」



 にっこりと微笑むイースを見て、これはもう慣れた方が早いと自分に言い聞かせて精神を落ち着かせると、ふと疑問を覚えた。



「…淫魔って、そういや普通のご飯も食べるの?」


「食べるわよぉ?ただ、魂が主食なのよねぇ。普通のご飯は人間にとってのお菓子に近いからぁ、餓死はしなくても体が衰弱して死んじゃうわぁ。だから出来るだけ魂を食べさせてねぇ?」


「……が、頑張る。とりあえず体力を付けるように頑張る」


「お願いねぇ。でも、毎日食べる程飢えてるわけじゃないからぁ、数日に一回くらいで充分よぉ?」



 うーん、そうは言われても出来るだけ答えてあげたいって思うしなー。

 はっ!これが主人心の芽生え!?



「うふふふふ。それじゃあ、食べ終わったら出発しましょうねぇ」


「うぃっす!」




 一時間ほど歩いたが、現在狩れたのはまだホーンラビット一匹のみ。

 意識して探さないと遭遇率は大体こんなもんらしい。なら最初の時のホーンラビットは何だったんだ。あいつ何で来たんだろう。

 うーむ、と考えていると、急に辺りが暗くなった。



「ミーヤ、上を見てぇ」


「上?」



 言われた通りに上を見上げると、大きい鳥が飛んでいた。

 ………っていうかミツドリじゃんか!?うっわ羽音うるさい!何で私こんな騒音に気付かなかったの!?



「本気で気付いて無かったのねぇ…。まあとにかくぅ、ミツドリをレッツハントしちゃってねぇ。ほら、あのミツドリきょろきょろと辺りを見回してるでしょぉ?あれってぇ、キラービーの巣を探してる動きなのよねぇ」


「……そういや、この辺にキラービーの巣があるって言ってたよね?」


「言ったわよぉ。多分それを狙ってるんでしょうねぇ」



 うっげ、それってつまりここで仕留めないと最悪の場合私達巻き込まれるルート!?



「そうなっちゃうわぁ。それとぉ、ミツドリのお肉が美味しいのは勿論なんだけどぉ、ミツドリの羽は綺麗だし火耐性もあるからって高値で売れるのよぉ」



 成る程、それなら確かに狩った方が良いよね。先立つものがあるとありがたいし。

 あ、そういえばミツドリは火耐性も高いんだっけ。忘れてたや。つまり、



「火魔法以外の魔法で仕留めた方が良いって事だよね?」


「そういう事よぉ♡覚えててくれて嬉しいわぁ♡」



 よっしゃ合ってた!正解だったからかイースに両手で頬を挟まれてうりうりされる。



「それじゃあ、頑張って狩ってねぇ」


「ラジャーです!」



 ビッと敬礼してミツドリの方へと一歩近づく。ミツドリは未だにブブブブとうるさい羽音を響かせながらきょろきょろと辺りを見回していた。お前らの天敵は人間だと思うんだけど、警戒心は無いのだろうか。



「……よし」



 作戦は決まった。

 私はまず足元に手を置く。足元、地面に触れた。



「盛り上がれ!」



 私の足元の土が一気に盛り上がり、あっという間にミツドリと同じ高さまで到達した。これ下見たらアウトな奴だ。思ったより高いんですけど怖いんですけど。

 目の前のミツドリは一瞬ビクッと体の動きを止めた。いきなり下から人間が生えたように見えたのだろう。まあ動き止めたら落ちるからすぐに動き始めたけど。

 ミツドリにそれ以上動かれる前に、私は高さに怯える内心を抑え込んで魔法を発動する。



「アイスアックス!!」



 魔法で形成された氷の斧を振りかぶり、真っ直ぐに振り下ろす。密度を高めたお陰かその斧は、ミツドリの頭部に容易く食い込み、そのまま自重で割り開いてミツドリを真っ二つにした。

 ミツドリを斬ったのは良いが私までアイスアックスの重さで落ちそうだったので即座に魔法を解いてアイスアックスを消去。真下の地面にミツドリがベジョッと落下し、完全に死んだと判断してから再び土魔法で足場を元に戻す。

 だってこんな高さから飛び降りるわけにもいかないし。こんな謎過ぎる土のタワーを残しておくわけにもいかないし。

 そんな言い訳を心で言いつつ、ミツドリの目を遠めで覗く。



「……うん、死んでる」



 魔物を既に何回か倒してるから、生きた目と死んだ目の区別は付くようになった。このミツドリはもう完全に死んでると見て良いだろう。というか人間サイズの鳥を殺したのに罪悪感が無いのが一番ショックだ。でもまあ生きる為だ。ちゃんと美味しくお肉を食べさせてもらうから成仏してくれ。

 ちなみに作戦とは足場作って頭ズバンすりゃいけるんじゃね?という事である。作戦ですら無い。いや、作戦というか考えはあったんだ。口の中に火魔法突っ込んで内側から焼こうかなーって最初は思ったんだけど、それだとお肉が駄目になりそうだなって。次は土魔法で勢い良く槍を作ってズブシャッと下から突き刺そうかと考えて、肉に土が付いたらやだなーって思ってボツ。だから一撃で決めさせてもらったのであーる。

 さて、とイースの方に向き直る。



「イース!ミツドリたおしわぶっ!?」


「凄いわぁミーヤ!完璧だったわよぉ!!」


「いいいいいイースさん!?ちょっとおっぱいの圧が強くて呼吸がうぶっ」



 ちょ、ま、ガチで息が!息が出来ない!イースのおっきいおっぱいが私の顔に合わせてぐにゅぐにゅ形を変えてるのは感触でわかるんだけど!わかるんだけどそれはそれとして息が出来ない!必死に呼吸をしようとしても隙間が無いし、なのに凄いくらくらする甘い香りだけは入ってくるってどういう事だ!



「風の魔法で一時的に飛ぶって方法もあるんだけどぉ、ミツドリも風の魔法を使えるからこれはあんまり良くないのよぉ。それに普通は風の魔法で飛んでると他の属性の魔法も使えないしぃ。かといって風の魔法を使おうとしても効果は薄くなっちゃうしぃ。だから普通は風の魔法で飛んでから武器で倒すんだけどぉ、ミーヤってばちゃぁんと土魔法で足場を作っちゃうんだものぉ!武器が無いからどうするのかしらぁって思ってたから感心しちゃったわぁ」


「うぐぼぼげぶっ」


「しかもぉ、土の魔法で足場を盛り上がらせてから氷の魔法を使ったでしょう?土魔法と氷魔法を一緒に使うんじゃ無くってぇ、ちゃんと土魔法の「後に」氷魔法を使ってたものぉ!凄いわぁ!あの氷の斧は密度が高かったから、普通ならあまり長い時間維持する事は出来ないわぁ。でも落ちそうだったからって理由でもぉ、倒した瞬間にすぐ消したでしょう?それに倒した後も油断せず死んだかどうかもちゃぁんと確認してたのは本当に偉いわぁ。前に教えた事、しっかりと覚えててくれたのねぇ♡」



 イースさん、イースさん、今貴女の心に直接話しかけています。興奮してるのも素敵だし褒めてくれるのは嬉しいのですが、現在イースのおっぱいによる乳圧で窒息しそうです。ハグは嬉しいからどんと来いだけど呼吸の確保だけはお願いします。



「あらぁ」



 私の心からのSOSにやっと気付いたらしいイースが離れた。

 二重の意味での心からのSOSだったからね!心の底からヘルプミーだったのと、テレパシー的な意味でのヘルプミー。つまり本気の二重の意味である。

 呼吸を再開した私は大きく息を吸い込み、ちょっとガチで噎せた。



「ぶっはぁっ!はーっ!はーっ!うぇっ、げっほげほうげぅぇっ!……はー、はー、死ぬかと思った…。死因、爆乳による窒息死とか男の憧れだろうけど実際はただただ苦しかった…」


「ごめんなさいねぇ?ついはしゃいじゃったわぁ」


「う、うん、大丈夫。死ぬかと思ったけど感触は楽しんだ…」


「ミーヤって、結構タフよねぇ」



 タフっていうか、欲望が人より強いだけな気もする。正直うおおおおおっぱいだああああ!っていう小学生男子みたいなテンションでどうにか意識保ってただけだし。そうじゃなかったら即行で気絶してたよ。



「子供のような欲望しかないのは凄い事なのよぉ?」


「?どゆこと?」


「うふふ、わからなくて良いのよぉ。それじゃあミツドリを解体しちゃうからぁ、ちょっと待っててねぇ」


「あ、はーい」



 解体が終わり、再び歩き出す。

 ミツドリを解体してるのを見てたらミツドリの血から凄い甘い匂いが漂っていたから思わず涎が垂れてしまい、それを見たイースがミツドリの肉を分けてくれた。ミツドリの肉は生で食べても良いらしい。薄く切られた肉を食べたら凄い甘かった。肉の甘みのような、蜂蜜の甘みのような、何か凄い美味しい味だった。

 イースいわく「この味も手伝って狩る対象はミツドリ一択!ってなったのよねぇ」との事。確かにこんな美味い肉なら食べたいもんね。




 再び出発してから三時間程歩き続け、ちょっと疲れてきた。二時間走ったら気絶するレベルの貧弱体力な私がこんだけ歩けるなんて…!って感動したけど、多分レベルが上がったからだと思う。少なくとも今のHPの上限は100いってるはずだし。

 休みたいなーって思ってたら、遠くにとても大きな木が見えた。



「イース、ちょっとあそこの木まで行って休んでも良い?」


「良いけどぉ…あの木?」


「え、何?あの木まさかモンスターだったりする?」


「あの木はモンスターじゃないわよぉ。………そうねぇ、いくつか補充もしておきたいのは事実だしぃ、行きましょうかぁ」


「?」



 何となく言い方に疑問を覚えたけど、そのままあの木まで移動する事になった。

 その疑問は、抱いた瞬間にちゃんと質問してけば良かったと後悔する事になる。

 というか、現在進行形でちょこっと後悔中だ。疲れてたとはいえ、異世界知識が子供以下なんだからちゃんと質問しておけば良かった。

 なぜ後悔しているのかと言えば、あの巨大な木は、



「久しぶりねぇ、クイーンビー」


「~~~~~~~~」


「まだ人間の言葉を覚えようとしてないのぉ?もう…~~~~~~~~」



 キラービーの巣だったらしい。



「…………お、おおぅ…」


「ヴヴヴヴヴヴ」


「ヴヴッ」


「ヴヴヴヴ」



 イースは何やらクイーンビーとかいう方とよくわからない言語で会話をしている。

 というか、あの。

 この木がキラービーの巣だとか、蜂と同じようにキラービーにも女王蜂がいるとか、木の下から見ると気絶しそうなレベルの巣が木の枝中に作られているとか、女王蜂らしいクイーンビーが人間のような見た目だったりとか、そのクイーンビーと知り合いだとか、そういう色々!先に言っておいて欲しかったな!!

 ちなみに私は現在、丸太の上に座ってひたすら息を殺しています。

 キラービー達、何で私の方をちょいちょい見てくるのかなあ!?



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