始まり
場所:???
男「フハハ。貴様との戦いも遂に終わる!これでトドメだ」
人の顔をしながら、漆黒の鎧、邪悪なオーラを纏った男が告げる。
頭上にかざした手からは、巨大な炎の球が太陽のような輝きを持ちながら、しかして男と同じように邪悪なオーラを纏っていた。
女「くっ、ここまで力を付けていようとは...」
男とは対照的に、純白の衣、神聖なオーラを纏った女が応える。
身体中に傷を負い、最早自身の体さえ支えることがやっとな状態の女は、片膝を付き、右腕を左腕で抑えている。
男「最期に何か、言い残すことはあるか?」
勝利を確信し、不敵な笑みを浮かべながら男が問う。
女「この戦い、最早雌雄は決したでしょう。しかし、私の身体が朽ちたとしても、人間の敗けが決まった訳ではありません。必ずや、あなたの野望を打ち砕くものが現れます」
息も絶え絶え、絶望を体現したような状態の女の瞳には、確たる希望が宿っていた。
男「ふん、この期に及んでもまだそのような綺麗事がぬかせるとは、つくづくつまらん女よ」
男の表情からは笑みが消え、女に対する失望で満ちていた。
男「まあ良い、どちらにせよこれで終いだ。さらばだ。古き神よ」
かざした手が女にそそがれるや否や、炎の球が女目掛けて動き出す。
眼前の炎の球を見据えながら、女は思った。
女「(力及ばず申し訳ございません。ですが、あなたの思い通りにはなりませんよ、魔王!)」
炎の球が女に触れると、龍のような火柱が立ち昇った。
断末魔すら燃え盛る炎に焼き尽くされ、後には女が居たであろう場所に、酷く黒ずんだ焦げ跡と悪魔のような煙が残るだけだった。
夢はそこで終わった。