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世界よ、さようなら  作者: 家正丸
4/7

その女、最強なり。

一応、というかヒロインです(笑)

強い女性は好きですか?

あくまで力的に…

激痛に苛まれながら明穂はなんとか身体を起こそうとする。

腕を動かすだけ、頭を起こすだけで身体中が悲鳴を上げる。


「うぅ、痛いなんてもんじゃねぇや。かなり…やばいな」


なんとか起き上がり立つが足元はおぼつかない。

どうやら目立った外傷や出血はないようだ。


「お、やっと追いたぜ!頭!見つけやしたぜ!やつは残念ながら生きてますがね」


追ってきた盗賊が目の前に立ち塞がる。手には鉈を持っておりニヤニヤと気持ち悪い笑みを携えていた。


「おい!獲物の服は傷つけるなよ!高く売れそうだからな。囲んで首を羽飛ばせ」


(ちくしょう…やつら完全に遊びか狩感覚じゃねぇか。どうしたらいい!なにか…なにか逃げる方法はないのかよ)


明穂はあたりを見渡すが、落ちた場所はある程度広い開けた場所になっていたが後ろは崖となっており登るには少したかい。


(万策尽きたか…くそ!異世界に来てすぐこれかよ!ん…なんだ…あれ?)


明穂は盗賊を眺め何か逃げる方法はないかと考えていたが、盗賊達の後ろに何か見える。

それは足音もなくだんだんと近づいて来ており全貌が見えた瞬間、背筋汗が流れ今までにはない恐怖により本当の意味で悲鳴が漏れる。


「ひぃ…!?な、なんだよあれ…」


後ずさり崖の壁が背中に当たる。


「てめぇ!!この後に及んで!もうその手には野良ねぇぜ!」


明穂は指差指したまま固まっている。

そしてそれは言葉を発した。


「おやおや、こんな場所で狩か?相変わらず性がでるじゃねぇか。汚くゴミ屑以下の奴らが寄ってたかって…見るに耐えられねぇな」


そこでやっと盗賊達も振り返る。

全員の視線は言葉を発した者に釘付けになる。


見た所、女性者の紺色のスカートに同色のブレザー、白いシャツに赤いリボンと見慣れた学生服である。

異様なのは顔にあった。

口から上にはマスクがつけられていた。

何処ぞの赤い大佐の様なマスクではなく、目の部分は切れ長の隙間が開けられ、暗闇の中でも淡く紅く光っている様に見える。市松人形のように前髪は切り揃えられており、俗に言うおかっぱである。

暗闇の中でいきなりマスクが浮かび上がり一瞬驚くが見慣れた学生服に違和感が湧いて来る明穂である。


「なんだと!てめぇも仲間に入れてほしいってか!?おい!だれか仮面とってやれよ!こっちを先に楽しもうぜ!」


盗賊達は下衆い笑みを浮かべ現れた女性を舐めるように見ている。


「か、頭…あれって例の死神じゃねぇですか?シリアルキラー、デスホワイト、禁忌の冒険者…」


盗賊の一人が顔を青くして言う。

実に中二病臭い名前も聞こえるが…。


「んやわけあるかよ。あいつ女じゃねぇか。関係ねぇ、剥いちまえやろうども!」


一人の盗賊が発した言葉で頭と呼ばれた男以外が固まってしまう。


「おい、そこの男!助けて欲しかったら何か一つ寄越しな。そしたら絶対に無傷で助けてやるぜ?」


マスクの女性は異様な雰囲気で明穂に話かける。どうやら報酬さえあれば助けてくれるらしい。

その提案に明穂はししおどしの様にカクカクと首を縦に振るしかできない。


「交渉成立だな」


女性はシャツのポケットからハサミを取り出す。

銀色に輝き美しい装飾の施されたハサミである。


「ぎゃははは!!なんでいそりゃ!?そんなハサミでやりあうのかよ!?私、重たい武器は持てないのぉ〜ってか?笑えてくるなぁ!」


盗賊の一人がその光景に腹を抱えて笑っている。


「そうかい…」


女性は一言漏らすと手にしたハサミを上空に投げる。

降ってきたハサミは重い音を立て地面に突き刺さる。

ハサミは女性の身長程の大きさになっていた。

ハサミを引き抜き片手で構える。

そして徐に笑っていた盗賊に投げつけた。

するとあり得ないスピードでハサミは飛んでいき、盗賊の腹に突き刺さり勢いを抑えきれないまま後ろの木にハサミごと突き刺さる。


「うげっ…かはっ……」


ハサミの刺さった盗賊は、ハサミを握り抜こうとするが木にまで深く刺さり抜けない。口から血を吐きハサミにかかる。

突然の事にその場にいる誰一人として動くことが出来ない。

女性は目にも止まらないスピードでハサミが刺さった盗賊の場所まで移動する。

ハサミを握りハサミを開く。

木と盗賊ごと横に開かれる。

盗賊はすでに事切れており腹から横に真っ二つに崩れ落ちる。


「ひぃ…!?ば、ばけもの!」


「や、やっぱり例の死神じゃねぇか!その女…一人にして最強、凶悪、強敵…やつは死神のミラだ!か、頭!やばいっすよ!?」


盗賊の頭は一瞬にして仲間にを一人殺され困惑しているが、腐っても頭だ。怯むことは出来ない様子である。


「関係ねぇ!人数はこっちが上だ!一気にたたみかけろ!」


一斉に飛びかかってくる盗賊達だがミラと呼ばれた女性はニヤリと口元を歪めるだけであった。


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