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義姉さんは17歳!

こんにちは、羽沢将吾です。

この作品は、


春エロス2008 春の官能競作祭り!


への参加作品です。


「18禁にならないギリギリのエロス」

を追求するこの企画、老若男女すべての方に楽しんで頂ける、発情の春(笑)に相応しいモノですので皆様の応援、愛読、参加をどうぞよろしくお願い致します!

春エロスホームページは以下の通りですので、どうぞよろしく!!

http://haruero.ddo.jp/2008/

「お帰りなさい、雅人(まさと)さん!え〜と、はじめまして?」

俺はほけっとした間抜け面を晒しつつ、

目の前で真っ赤になりながら挨拶している娘を見詰めた。

「…あんた、誰?」

呆然と呟く様に絞り出した俺の質問に、赤い顔をさらに真っ赤にして

舌をペロッと出しながら自分の頭をこつん、と小突く。

「あ!ごめんなしゃい!じゃなくて!ごめんなさい!

 あの、私、順一さんの妻の、舞奈(まいな)って言います!」

ほー。ああ、兄貴の奥さんね、ハイハイ…

って…


「妻ぁ!?」


一月一日、元旦。午後三時三十二分。天気、晴れ。

二年ぶりの正月に帰省した俺の目の前には、

どう見ても中学生程度にしか見えない兄貴の嫁さんが立っている。

「はい!妻です!ですからぁ、雅人さんはあたしの義弟(おとうと)ですね!

 お義姉(ねえ)さん、って呼んで下さいね!」

「……はぁ……?」

俺の二十五回目の正月は、こうして幕を開けた。



「おう、雅人、やっと帰って来たか!二年振りだな」

玄関先の騒ぎを聞き付けたのか、リビングのドアが開いて兄貴が出て来た。

「ああ、。ただいま……じゃなくて!兄貴結婚したのか!?」

兄貴が苦笑しながら舞奈、と名乗った女の子の肩を抱く。

「ああ、年末にな。お前、仕事で海外行ってて

 ちっとも連絡取れないから式には呼ばなかったぜ」


おいおい、連絡取れないからってそりゃ無ぇだろうが…

会社に伝言頼むなりなんなり出来ただろうに。


「式って言ってもお互いの家族と近しい友人だけしか呼んでないからな。

 盛大にやったんじゃないし、プキール貸切でパーティーしただけさ」

プキールは、実家の近所の小さなレストランで

ウチの家族は昔から入り浸っている。

まあ、殆ど親戚みたいなものだ。

「はぁ…そうか…」

俺が舞奈さんにまじまじと視線を注ぐと、

「きゃ」

恥かしそうに悲鳴を上げ、兄貴の後ろにさっと隠れる。

「ぼっとしてないで上がれよ。親父とお袋も待ってたんだ」

「ん、ああ……」

俺は靴を脱ぎ、久し振りの実家へと上がり込んだ。


「おお、雅人お帰り」

「お帰りなさい、雅人。少し痩せたんじゃない?」

親父とお袋がにこやかに俺を迎えてくれる。

「驚いたろう、突然舞奈ちゃんに出迎えられて」

嬉しそうに笑いながら親父が言う。

「雅人が帰ってきたら驚かそうって相談したのよね」

お袋も満面の笑顔だ。

「ああ、一瞬違う家に入っちまったかと思ったよ」

舞奈さんがお茶を淹れ、俺の前にかちゃ、と置く。

「どうぞ」

まだ赤い頬のままでにっこりと微笑む。

…可愛い、よな…兄貴には勿体無いぜ。

「あ、どうも。

 なあ、兄貴、舞奈さんとはいつから付き合ってて、いつプロポーズしたんだ?」

俺はストレートに疑問をぶつけた。

「きゃ〜!なんか恥ずかしいですぅ」

手を胸の前で組み、ぷるぷると首を振る舞奈さん。

…可愛いな、やっぱ…

「ん、ああ。舞奈とは去年の夏から付き合いだして、

 クリスマスにプロポーズした」

飲みかけたお茶をぶっと噴き出しかかり、思いっきり咽る。

「げほげほげほっ!!」

「きゃあ!雅人さん大丈夫?」

舞奈さんが慌ててハンカチを俺に渡してくれる。

良い匂いのする、クマさんのイラスト付きのハンカチだ。

「げほげほっ!あ、すいません…って、なんだその電撃っぷりは?

 大体、クリスマスにプロポーズなら式はいつ挙げたんだ?」

「昨日だ」

「早っ!!てか、大晦日かよ!」

おいおい…プロポーズから式まで一週間足らずかよ。

さすがの俺も呆れちまって物も言えねぇよ…

「善は急げって言うだろう?」

「急ぎすぎだろ、常識的に考えて…

 しかし、よく舞奈さんのご両親がそんな無茶な事を承知したな?」

舞奈さんが淹れ直してくれた茶をずず、と啜りながら聞く俺。

一瞬、リビングに沈黙が降りる。

あれ?何かちょっと空気が変わった様な…

「ん…舞奈はな、両親も親戚も居ないんだ」


ぶっ!


「げほげほげほっ!!」

「きゃあ!雅人さん大丈夫?」

舞奈さんが再びハンカチを俺に渡してくれる。

「げほげほっ!!ああ、すんません…って、さっきお互いの家族って…」

舞奈さんが、何とも言えない良い顔でにっこりと微笑みながら答える。

「私の家族は、私を育ててくれた孤児院の先生達なんです。

 孤児院のお友達もいっぱい来てくれたの」

哀しさや重さを微塵も感じさせない無邪気な笑顔につい見惚れてしまう。

「そうですか…」

微笑みの深さを増して俺を見詰めた後、

「お茶、淹れ直して来ますね」

と言ってパタパタと台所に掛けて行く舞奈さんを見送りながら俺は溜息をついた。

「仲良くしてやってくれ。良い子なんだ」

舞奈さんの背中を見ていた兄貴が静かに言う。

「ああ、それは何となく解るけどね」

俺はふう、ともう一度溜息をついて少し黙る。

それにしても、兄貴が結婚かぁ…

「雅人、まあ一杯飲れ」

兄貴が俺に杯を渡し、親父が徳利から御屠蘇を注いでくれた。

「ああ、そうだね。じゃあ、兄貴の結婚に乾杯」

俺達は杯をちん、と軽く合わせてぐっと酒を飲み干した。

「そうだ、兄貴は今年で三十二になるんだろ?

 舞奈さんは幾つなんだ?」

俺は兄貴に質問してから、親父に注いでもらった御屠蘇をぐっと飲み干す。

「ああ、舞奈は今年で十七歳になる」


ぶふっ!!


「げーほげほげほげほっ!!」

本日三度目の、そして最大の驚きに襲われた俺は酒を噴き出しながら豪快に咽た。


「きゃあっ!雅人さん大丈夫!?」

戻ってきた舞奈さんに背中を摩られながら咽続ける。

「やれやれ、雅人は粗忽者だなあ」

はははぁ、とか笑いながら杯を口に運ぶ兄貴を見て

あんたが言うな、と呪いつつ舞奈さんが持ってきてくれた水を一気に煽った。



無邪気な、そして屈託の無い舞奈さんはすっかり家族に馴染み、

もう何年も前から家族と一緒に住んでいるようにすら見え、

俺の方がよほど余所者の様にすら見えてしまう位だ。

しかし、俺も彼女の明るさと全身から発する癒しオーラに間も無く馴染んでしまい、

いつの間にか「義姉さん」と呼ばされてしまっていた。

俺が「義姉さん」と呼ぶと赤くなって照れながらも嬉しそうにニコニコする、

そんな様子が可愛らしくて俺も直ぐにそう呼ぶことに違和感を覚えなくなった。


その夜、俺の仕事や舞奈さんの身の上等を中心に家族で談笑しながら飲んでいると、

「舞奈、そろそろお風呂に入ろうか」

と兄貴が言い出した。

「はい」

と可愛く答えて立ち上がり、

「お父さん、お母さん、雅人さん、お先に頂きます」

とペコリと頭を下げて兄貴と一緒に出て行く。

「本当に、良い娘だよ」

嬉しそうに言うお袋に「ああ、そうだね」と頷きながら、

俺はトイレに行こうと席を立った。

そして、トイレに出たついで自分の部屋に

布団を敷いて置こうと自室のドアを開けた時。

「きゃあっ!!」

「のわっ!?」

可愛らしい悲鳴と共に俺の目に飛び込んできたのは、

全裸にタオルを巻いた姿でタンスを開けている舞奈さんの姿だった。

「ま、雅人さん!?」

焦ってこちらを向いた時、舞奈さんが体に巻いたバスタオルがふぁさっと外れる。

「うおっ!?」

そして、俺の目には生まれたままの舞奈さんの姿が飛び込んできた。


しーん……


一瞬の静寂の後、

「あ…やぁん!」

急いでバスタオルを拾い上げ、体を隠す。

「あ、あの!その!俺は見てないから!!」

舞奈さんの愛らしい裸体をバッチリ網膜に焼き付けてしまった俺は

意味不明な言い訳をしながら部屋の外に飛び出てドアを閉める。

深呼吸をしてから部屋の中に向かって話しだす。

「…あ、義姉さん、俺、布団敷こうと思って…」

「…ごめんなさい、あたし、着替えを持ってくの忘れて…」

ほぼ同時にしゃべり出し、思わず同じに噴き出す俺達。

「ふ、ふふ」「くす、うふふ」

「ねえ、雅人さん、見てないなんて嘘でしょ?」

悪戯っぽい声で義姉さんがドア越しに声を掛けて来る。

「ん〜、まあちょっとだけ見えた」

ドアに背中を付けながら冗談ぽく返す。

「あ〜あ、順一さん以外の男の人に裸見られちゃったぁ…

 もう、お嫁さんに行けないなぁ…」

ぷっと吹き出す俺。

「すでに人妻でしょうが義姉さん!」

「あ!そうだっけ!!」

そして俺たちは一頻り大笑いした。


「舞奈〜!何やってんだ〜?」

風呂場から兄貴の呼ぶ声が聞こえてくる。

「あ!いけない!は〜い、今行きまーす!」

大声で答える義姉さん。

「じゃあ、俺は行くから。兄貴とごゆっくり」

ちょっとイヤらしく言う俺に

「もう、雅人さんのエッチ!」

と返す。

俺は可愛らしい頬を膨らませている義姉さんを思い、

クスクスと笑いながらリビングに戻った。


「長いトイレだったわね」

俺に言うお袋の質問には答えずに

「なあ、今夜俺はドコで寝れば良いんだ?」

と聞いてみる。

「ああ、そういえば言うの忘れてたわ!

 あんたの部屋、舞奈ちゃんと順一の物置になってるからね。

 順一の部屋を二人で使うと、荷物が入らないのよ」

ああ、さっき知ったけどね。

心の中で呟きながら

「じゃあ、ドコで寝れば良いのさ?」

ともう一度尋ねる。

「客間に布団敷いて寝て頂戴。布団は押入れに入ってるから」

「ハイハイ、了解致しました」

俺はそう答えて、客間へと布団を敷きに向かった。

「雅人、あんたもお風呂入っちゃいなさい」

布団を敷き終わり居間に戻ると、お袋がタオルと寝巻きを俺に渡しながら言う。

「ああ、そうするよ」

お袋に答えつつ、しばらくテレビを見ていると風呂から出てきた兄貴達が

「風呂空いたよ」

と声を掛けつつ兄貴が居間に入ってくる。

「じゃあ、俺風呂入るわ」

と答えて立ち上がり、廊下に出ると湯気を上げた義姉さんとすれ違う。

「おやすみなさい、雅人さん」

義姉さんは上気した顔で俺を見詰め、

愛らしい仕草でぺロっと舌を出しながらウインクした。


風呂から出ると、義姉さんと兄貴は一足先に眠ったらしく姿が見えない。

俺は親父ともう一献傾けた後、客間に敷いた布団に潜り込む。

それにしても、今年は正月から驚かされたよな…

そんな事を考えながらうつらうつらとまどろみ始め、俺は眠りについた。


…眩しい朝日が窓から差し込み、俺の顔を照らしている。

う〜ん、朝か…

今朝は妙に暖かいな…

って、なんでこんなに肩が重くて痺れてるんだ?

なんだか、良い匂いもして来てるし。

「くちゅん!」

可愛らしいくしゃみも聞こえて来たし。


ん…?くしゃみ…って…?


「っ!」

俺の布団の中に誰か居る!

一気に眠気が覚め、体の感覚も戻ってくる。

俺の右隣、脇辺りから足の辺りに掛けて

ほわあ、としたでっかくて暖かくて柔らかな物体が存在している。

そして、俺の肩に乗った少し思い物体から、

「すー、すー」と安らかな寝息が聞こえてきているが。

「俺の右隣に有る、この柔らかくて暖かいモノは…」

自分を落ち着かせる為、天井を凝視したまま声を出して呟く俺。

「ふみゅ〜…ふわああああ…」

妙な鳴き声と、欠伸の声が聞こえて来る。

俺が意を決し、布団をそっと上げると俺にくっつく様に丸まった

パジャマ姿の義姉さんが眠そうに両目を擦りながら身震いした。

「うー…寒いですぅ」

俺が持ち上げた布団を引っ張り、ぱふっと落ちた布団の下に再び隠れる。


さあ、落ち着け、俺。

こういう時に大声を出して騒ぐのは子供(ガキ)向けのマンガの中だけで結構だ。

大人な対応……とりあえず布団から何気に抜け出してトイレに行き、

顔洗って歯ぁ磨いて朝飯でも食ってればその内義姉さんも起きて兄貴のトコに戻るだろう。

そうそう、きっと義姉さんが寝惚けて間違えたんだ。

ははは。そうに決まってる。

じゃあ、彼女を起こしてしまうのは可哀相だよな。

さ、そっと起きて、と…


「きゃあああああ!」


俺の目論見は、ガバッと起き上がり目をパチクリさせ、

俺の顔を確認した途端に悲鳴を上げた義姉さんのお陰ですべて水泡と化した…

「なんだ!舞奈の悲鳴が聞こえたぞ!?」

「舞奈ちゃん!どうしたの!?」

「舞奈ちゃん!大丈夫か!?」

まるで客間の前で待ち伏せていたかの様に兄貴、お袋、親父が間髪入れずに踏み込んでくる。

俺は引き攣った笑いを浮かべながら、布団に潜り込んでぴーぴーと喚いている義姉と

ドヤドヤと室内に踏み込んできた三人に視線を向けてバンザイした。



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