第二話「違和感」
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「あれ、わたしなんでここにいるんだっけ。」
御崎は家の近くの道路にいた。
ここって家の近くだよね。どうしてわたしこんなところにいるんだろう。わたしは心当たりがないまま帰宅した。
家に着いてご飯を食べたりなどをしたあと、自分のバックの整理をしているとあるものを見つた。わたしはそれを持ってみる。
「ん?なにこれ?棒?」
なんの棒だろう。
ズキッ
「っ!?」
あ、頭が...痛い
わたしはあまりの痛みに倒れそうになる。
な、何か、大切なことを忘れているような...
「あ、あ、あ、あ」
そして、わたしの意識は消えてしまった。
「!!」
少し時間が経ちわたしは目が覚めた。と同時にあの出来事の記憶が断片的に流れ出した。これは一体どういうことなの?わたしは気絶する前はこの事を忘れていたの?未来ちゃんとの約束を忘れるところだったんだ。そんなこと...
「ふう」
一旦さっきのことは考えないでおこう。
わたしはお風呂に入り歯磨きを済ませてベッドに潜り込み、目をつぶっった。が、寝ることはできなかった。
夜が明け、御崎の部屋に朝日の光が入り込む。
「んんん。もう、朝なの...?」
結局眠れなかった。
人を殺す怪異の出現、同級生の死亡、親友を置いての逃走。これだけのことが起きて前向きでいられるはずがない。
「今日はもう。なにもしたくないな。」
そうつぶやいて、布団を頭にまで被せた。
そういえば、未来ちゃんに関する記憶が戻ったけど、一昨日以降の未来ちゃんに関する記憶がまったくない。つまり、覚えているのは「顔」と「下の名前」と「昨日の断片的な記憶」だけだ。なんかおかしいんだよねー。
記憶がなかったときの私は何事もなかったかのように帰ったのに、「棒」を見た途端、記憶が戻った。
ん?「棒」...?あれって結局なんなんだろう。よく、イラストとかでみる巫女さんのお祓い棒っぽいけど、わたしが持っていても大丈夫なのだろうか。てか未来ちゃんの家に返したほうがいい気がする。でも、覚えていない。苗字もどんな家かも。
そんなことを考えていたら、あっという間にお昼の時間となった。
「ごちそうさま!」
そう言った後、パスタのお皿をシンクに置き、水と洗剤で洗った。
「さて、この後どうしようかな。」
もう眠気もないし、見たいアニメとかもないから何もすることがないな。適当に散歩でもしようかな。
でも、できれば昨日のところへ行くのはやめておこう。
「いってきまーす。」
ドアを開け、外に出る。今日はなかなかの晴天だ。風も程よく吹いており、絶好の散歩日和と言っていい。
「とりあえず公園にでも行こうかな」
そういい、近くの公園へ向かった。
公園に着いた。いつもはたくさんの子供が遊んでいるが、めずらしく今日は見当たらない。
ちょうどいいね。ラッキー!
そう思いながら、ブランコへ乗ろうとする。が、
「『16歳未満のみ』ってわたし、一週間前に誕生日だったって!まあ、少しくらいなら大丈夫だよね?」
特に怪しい音はせずすんなりと乗れた。そして、漕ぎ始める。
てか、久々にブランコに乗ったなあ。小さい頃はよく飛び降りて、きれいに着地しようと頑張ってたなあ。今そんなことしたらたぶんこれ壊れる。
少し経ち、わたしは公園のベンチに座った。わたしはスマホを取り出して、音ゲーを始めた。基本的に人差し指でやるけど、こういう外出時は親指でやるようにしている。
「どれにしようかな。」
親指じゃ、高い難易度の楽曲なんてできっこない。まあ適当に選んでやろう。
御崎は楽曲を選択し、ゲームが始まった。
結構いい感じだ。これならフルコンいけるかも。まだフルコンしたことないから頑張ろう。
御崎は的確にノーツを叩く。
そして...
【フルコンボ!!】
「やったー!!!」
わたしは嬉しさのあまり、スマホを持ってないほうの右腕を振り上げた。
ゴンッ
御崎の拳が勢いよく「誰か」に当たってしまった。
「あ。ご、ごめんなさい!!」
御崎はすぐ会釈をして「誰か」を見る。そこにいたのは
『ゔゔゔゔゔ!!』
御崎よりも大きい毛玉のような怪異がそこにはいた。
「あ、え。な、なにこれえ?」
御崎はとっさに怪異から離れる。
『あ゛あ゛あ゛あ゛!!』
怪異はベンチを飛び越え御崎に襲いかかった。
幸い、御崎は押しつぶされることはなかったが、昨日の出来事を思い出し、足がすくんでしまった。
「だ、だれか、助けて...」
御崎が目を閉じたその時、
「こらーー!なにしとんねーん!」
女の子の声が聞こえた。御崎はうっすらと目を開けた。その目に映ったのはなんと、怪異に飛び蹴りをかましている女の子だった。
「へ?」
『ゔゔゔゔ!』
怪異は吹き飛ばされうめき声を上げる。
「人様に迷惑をかけちゃいけないでしょ!この子だってわざとじゃないんだから許してあげ...」
女の子の声を遮るように怪異はその子に勢いよく突進をした。
「あ、あれ?結構ガチギレって感じかな...」
女の子に当たる!...と思ったそのとき!
「しっっかたないなあ!付き合ってあげるよ!」
【異能力:五感発達】〈視覚〉
わたしの目には当たったように見えた。だが、その女の子はスレスレで避けていた。
『ゔゔゔ!あ゛あ゛あ゛!』
怪異は休むことなく突進をし続けたが。
「あらよっと。ほいっと。ふっと!」
女の子は華麗に回避する。当たっていてもおかしくない距離感だがまったく当たらない。
そんなことが、何時間にもわたって繰り広げられた。
『あ゛...ああ゛...。』
先にダウンしたのは怪異のほうだった。かといって女の子のほうもかなり疲れているようだ。
「はあはあはあ。やる...じゃん。この前の...倍以上の...体力だね。」
全身汗まみれの女の子に私は近くにあった自動販売機で売っていたスポーツドリンクをあげた。
「あの、助けてくれてありがとうございます。これ、お礼にもらってください!」
「おおお!アクエナじゃん!ありがとー!」
掻っ攫うように受け取り一瞬で飲み干す。まあ3時間動き続けてたらそうなるよね。
「ぷはあー。生き返るねー。」
少し時間が経ち女の子の体力も回復し切った。
「よし!それじゃあうちは帰...」
「あの!さっきのは一体...なんなんですか...?」
少し間ができてしまった。女の子が驚いた顔をしている。気まずいって。
「え?もしかして、あんな感じのやつ見るの初めて...?」
「さっきのは初めてではないですけど、昨日それらしいものはみました。もっと怖いやつでしたけど。」
あまり昨日のことは思い出したくないから目の前のことに集中する。
女の子は少し考えてから話し始めた。
「えーと、うーんと。まあいいや。とりあえずあっちのベンチにいこ!」
わたしたちはさっき音ゲーをしていたベンチに座った。
「まず!きみは[怪異]とかお化けって信じたことがある?」
う、わたしの頭は何も考えないようにしていた。それは相手にも伝わったらしい。
「!え、えっと。その感じだと、怪異のせいで相当大変な思いをしたのかな。もうこの話やめとく?」
女の子は心配した様子で聞く。
「だ、大丈夫です。怪異については信じてます。」
この話は聞かないといけない気がした。もしかしたら、昨日の出来事についてなにかわかるかもしれない。
「わかった。うちらは怪異によって困っている人を助ける活動をしているの。例えば、怪異に襲われた人たちを助けたり、怪異に悩んでいる人たちの悩みを解決したりするの。」
彼女は自信満々に言うが、
「なるほど...少し頭を整理させて欲しいです。」
わたしの理解は追いつかない。それも当然だ。わたしが過ごしてきた世界とはまるで違う話だからだ。でも飲み込むしかない。わたしは気になったことを言おうとしたが、先に彼女のほうが先に口を開いた。
「あの、さっきの反応からして思い出したくないかもしれないんだけど、もしかして昨日なにかあったの?怖い怪異に会ったって。」
わたしは目線を逸らす。
女の子はわたしの目の前にかがんで話す。
「話したくないんだったらいいんだけど困ってるなら力になるよ!よかったら話を聞かせて?」
話しても...いいのかな?
でも、見ず知らずの子を危険に巻き込むのはいやだ。だけど、さっきの身のこなしはすごかった。信頼できる...のかな。
わたしは覚悟を決めて目を合わせた。
「わかりました。話します。実は昨日...」
わたしは昨日の出来事を覚えている範囲で彼女に伝えた。
「...ということがありました。
今は記憶が断片的に残っていて気分転換に外を歩いていて、昨日の場所へは行かないようにしていたんです。でも、本当は友達を探したい。ても、怖い。『力』がないわたしは友達やあなたのように怪異には何もできない。」
わたしは悔しかった。何もできない自分を、守ることができなかった自分を許せなかった。
泣きそうになってるわたしを女の子は優しく手を差し伸べた。
「そんなことないよ。きみにはうちたちと同じ思いがある。『大切なモノを守る』その思いがあれば強くなれる!だから一緒に探そう!きみの友達!」
女の子は笑顔にそう言った。
正直信じられなかった。だけどそれと同時に嬉しかった。わたし自身この話には信憑性が薄いと思うのに。彼女はまったく疑わずに聞き入れさらには『一緒に探そう』とまで言ってくれた。
「ありがとう。手伝ってくれるんだね?」
わたしは彼女の手を取った。
「もちろん!あんなことを聞いちゃったら助けずにはいられないよ!一緒にがんばろう!」
彼女はわたしの手を引っ張る。
「そういえば、きみの名前を聞いていなかったね!なんていうの?」
わたしは答える。
「黒宮御崎って言います!高校1年生の16歳です!」
普通の自己紹介をしたはずが彼女は驚いていた。その答えもすぐわかった。
「ええええ!16歳なの!?同い年じゃああん!なら敬語じゃなくていいよーー!!」
抱きつくような勢いでそう言った。それがおかしくてつい笑ってしまう。
「ふふふ、わかった!あなたの名前は?」
わたしは聞き返す。
「うちは[有瀬 桃華]!よろしくね!御崎ちゃん!」
「よろしく!桃華ちゃん!」
「さて!自己紹介も終わったことだし、さっそく探そう!ってしたいんだけど...ごめん!」
いきなり謝る桃華ちゃん。
「なにか予定があるの?」
「そうなのー。実はうちの所属してる組織?みたいな感じのやつにある依頼が来てるんだよね。今の時間帯はうちの担当だから早く行かないと怒られちゃうんだぁ。ごめんね。」
申し訳なさそうに言う桃華ちゃんにわたしは大丈夫だよと言う。桃華ちゃんはほんとごめんねと言いそそくさと帰ろうとする。
「あー連絡先だけは交換しとこ?」
「あ!そうじゃん。あぶねえ。」
そう言い、焦った様子でスマホをバッグから取り出しほいっとスマホの画面を見せる。
わたしはスマホを読み込み桃華ちゃんのプロフィールと名前をみて追加する。
「オッケー。あとででいいから承認しておいてね。」
「んじゃまあ、またお互いが暇な時にでも会おうねー!」
「うん!ばいばい!」
「またねー!」
わたしは桃華ちゃんに手を振り、散歩を続けた。
元気な子ですね。




