表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

聖女は妹ではありません、本物の聖女は、私の方です

作者:光子

 私の双子の妹の《エミル》は、聖女として産まれた。

 特別な力を持ち、心優しく、いつも愛を囁く妹は、何の力も持たない、出来損ないの双子の姉である私にも優しかった。

「《ユウナ》お姉様、大好きです。ずっと、仲良しの姉妹でいましょうね」

 傍から見れば、エミルは姉想いの可愛い妹で、『あんな素敵な妹がいて良かったわね』なんて、皆から声を掛けられた。

 でも違う、私と同じ顔をした双子の妹は、私を好きと言いながら、執着に近い感情を向けて、私を独り占めしようと、全てを私に似せ、奪い、閉じ込めた。
 冷たく突き放せば、妹はシクシクと泣き、聖女である妹を溺愛する両親、婚約者、町の人達に、酷い姉だと責められる。

 私は妹が大嫌いだった。
 でも、それでも家族だから、たった一人の、双子の片割れだからと、ずっと我慢してきた。

「ユウナお姉様、私、ユウナお姉様の婚約者を好きになってしまいました。《ルキ》様は、私の想いに応えて、ユウナお姉様よりも私を好きだと言ってくれました。だから、ユウナお姉様の婚約者を、私に下さいね。ユウナお姉様、大好きです」


 ――――ずっと我慢してたけど、もう限界。

 好きって言えば何でも許される免罪符じゃないのよ?
 今まで家族だからって、双子の片割れだからって我慢してたけど、もう無理。

 丁度良いことに、両親から家を出て行けと追い出されたので、このまま家を出ることにします。

 さようなら、もう二度と貴女達を家族だなんて思わない。

 泣いて助けを求めて来ても、絶対に助けてあげない。


 本物の聖女は私の方なのに、馬鹿な人達。



不定期更新。
誤字脱字報告いつも感謝しています。ありがとうございます。
この作品は私の考えた世界の話です。魔法あり。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
アルファポリス様でも掲載しています。
プロローグ
2024/10/23 17:01
2話 幸運な出会い
2024/10/23 17:02
3話 アイナクラ公爵様
2024/10/23 17:02
5話 陛下との謁見
2024/10/23 17:29
6話 謁見後
2024/10/24 07:21
7話 ファイナブル帝国の聖女
2024/10/25 08:23
11話 お父様来襲
2024/10/28 08:04
15話 思い出話
2024/11/01 08:02
16話 妹との再会
2024/11/02 08:04
21話 判定
2024/11/06 08:02
26話 聖女を祝う宴
2024/11/11 08:02
30話 ルキ様の失脚
2024/11/14 08:02
33話 宴後
2024/11/17 08:02
37話 好きになったのが
2024/11/20 08:05
41話 もう帰ります
2024/11/24 08:06
46話 横恋慕
2024/11/29 08:02
50話 不穏な空気
2024/12/03 08:02
53話 エミルの暴走
2024/12/06 08:01
55話 処罰を与えます
2024/12/08 08:02
58話 大嫌い
2024/12/11 07:36
59話 《完》聖女
2024/12/12 08:08
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ