ニート生活の終わりと異世界転生
不定期更新でやろうと思っています。
「突然だが、私は職歴なし高校中退した中卒ヒキニート(2年目)である。今はパソコンで動画を視聴しています。 最近面白い動画がないのが悩み。」
「ニートは平日も休日もゴロゴロ出来るのだ!皆ニートに転職するべきだと想う。」
「え?『ニートは職業じゃない!』っていやいやなに冗談言ってるんですか。」
「自宅警備員というれっきとした別名があるじゃないですか。」
「それにニートが家族が留守中に家に入ってきた強盗を警察に通報して犯人を捕まえたという事例もあるのですから、私は自宅を警備しているのです。」
「今はそんなことどうでもいいのですが、そろそろ独り言にも飽きてきました。」
なので心の声で話そうと思います!ちなみに私はぴちぴちの18歳のゆかりです。
誕生日とはいえケーキもプレゼントも義兄のまさくん以外用意してくれません。
ニートになってからそうです。
まさくんさえいれば私はどうでもいいので、関係ありません。
今日はまさくんの部屋に遊びに行こうと思います。
私の部屋を出て、隣の部屋それが義兄のまさくんの部屋です。
「まさくん、まさくん起きてる?」
今日は休日の午前2時です。
私はいつもは朝の4〜6時ぐらいに寝ますが今日は誕生日ですし、休日でまさくんがいるので徹夜します。
「まさくん?まだ寝てる時間だったよね。ゴメンね。」
まさくんは寝てたようなので朝6時になったらもう一回訪ねてみましょう。
「うん。起きてるよ。」
なんとまさくんは起きてたようです。最近は12〜6時まではどんなに呼びかけても起きなかったのに珍しいですね。
きっとかわいい妹の誕生日であることを覚えていてくれたのでしょう。
「入っていい?」
「まだ心の準備ができてないからだめだよ。」
なんということでしょう!きっと心の準備とは『今年の誕生日は僕の心も身体もぜ〜んぶかわいい妹のゆかりんにあ・げ・る♡』
と話す準備だったりしないてしょうか?悲しいですがそんなことなんてなくて私へのサプライズの準備とかでしょうけれども。
乙女ですし、心の中でそんなことも考えるくらいいいでしょう?
彼はイケメンの大学1年生、身内びいきなのではなく、告白とか逆ナンとかされる程のイケメンです。
だから彼は美人の女なんてたくさん見てるでしょうし私なんて眼中にない。
というか、恨まれてます。
「ニートがいたら恥ずかしくて彼女を家に呼べないから彼女作れない。」と「あんなヤツ消えればいいのに。」とか私に聞こえないと思って家族に話しています。家族も同じことを言っています。
それに私は知っているんです。彼が言う心の準備とは私を殺す心の準備だってこと。
それがサプライズの準備ってことです。
「入っていいよ。」
このドアに入れば、まさくんが一月前に買った切れ味の良さそうなナイフで刺されるでしょう。
これは5ヶ月前から計画されています。まさくん自身が立てた計画です。
私はまさくんによって殺されるなら良いと思っています。
でも私はわかっています。それはまさくんのためにならないとまさくんは刑務所に入ることになると、だから私は決めました。
自殺します。自殺願望があったと嘘の遺言書を書いて部屋に置いてあります。
「まさくん、トイレ行きたくなったから行っていい?」
「いいよ。チッ」
舌打ちの音が聞こえました。一刻も早く殺したいようです。
でも、彼の計画は杜撰で五ヶ月前から緻密に計画したと思えないものです。
それに私に聞こえては意味ないと思います。
彼の部屋のドアの前に本当の気持ちを書いた遺言書を置きました。
読んでくれると嬉しいですが、私が書いたものなんて彼は読みたくないでしょう。
私は部屋に戻り天井にぶら下げる縄を見つめます。
怖いです。それに窒息は最悪の死に方だと思います。
でも、彼のためでもあり贖罪なのです。ニートとして生き彼をそして家族を苦しめた罪の。
私は脚立を登り、首に縄を通します。ドアの方向を正面にしました。
あとは脚立から足を離すだけですね。
でもそれが怖いんです。
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結局、30分経ってしまいました。でも、もう生きててまさくんに悪影響しかないなら終わりにしようと決心しました。
「さようなら。まさくん、愛してる。」
脚立を蹴ってもう死ぬしかない状況をつくった。
死にたくない苦しいと何回も思った。
もう意識がなくなると思った時にドアからまさくんが出てきて『良かったねまさくんこれで邪魔者は死ぬよ』と思ったのに彼は
「嫌だ。待ってよ、なんでよあれは嘘なんだ死んで欲しいだなんて……。」
彼は必死で縄を解こうと頑張りますが、無理そうです。
「嫌だ!嫌だ!」
彼は辛そうな顔です。きっとこれは演技なんでしょう。最期にあなたの顔を見れて良かったです。
でも会えるのは最後だから笑ってください。泣かないで……くだ………さ
「ああああああああああああ!」
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「ここはどこでしょうか?私は死んだはずでは?」
私は気付けば真っ暗なところに来ていました。あたりを見渡してみても明かりなどないです。
それに苦しくない。
ここは地獄だろうか?それとも夢?まだ死んでないから夢を見ているというのか。
何も聞こえない、何も見えないですが足は地についている。幽霊になった訳では無い?
地面をペタペタと触って見るとこれは石でできているらしいです。
でこぼこしていて、とても人工物とは思えないです。
《【スキル】暗視Lv.1獲得しました。》
無機質な声が聞こえた。頭の中で。
その直後、視界がぼんやりと見えてきました。
改めて周りを見るとここは洞窟であることが分かりました。
これはまさか
「念願の異世界転生!」
私は夢がありました。死んだら異世界に転生して魔王になる夢です。
そして魔王になって世界のイケメンを攫って魔王城をイケメンだらけにするんです。
勿論部下もイケメンが良いです。でも仕事ができて私に忠誠心が無ければならないから魔王軍は実力主義にします。
でもイケメンは別枠、私のお世話係として雇います。お世話係が駄目なら目の保養係として雇います。
しっかりお金を出て、何もしなくて住む場所も食事もでるのですから。この世界のイケメンたちは来るはずです。
来なければ攫うだけです。
それとも、圧倒的な力で支配する残虐な魔王とか良いかもしれません。
皆、私を敬い恐れるのです!
ニート生活と違って白い目で見られませんしね。
私はこの洞窟を出て魔物を倒して強くなって魔王にならなければなりません。
なので、早歩きで洞窟を進んでいきました。
このまま行けばいつか洞窟を出られるはず。
でも歩けど歩けど景色が変わらない。
しかも一本道だ。歩くの飽きてた。
《 【スキル】暗視Lv.2獲得しました。》
これで視界がぼんやりだったのが少しだけ鮮明になりました。あまり変わりませんけどね。
ですが、レベルが1上がるだけでもありがたいです。
私は暇なので辺りに、なにかないか探しながら歩いています。だが、岩しかないです。
岩、岩、岩、岩、スライム、岩、岩、
ん?今のは?来た道をそのまま戻ることにしました。
スライムだ!
このぷにぷにそうな丸いボディ。猫ぐらいのサイズです。
スライムは近づいて見ても反応はしないようです。
スライムをよく観察してみても目や口などの顔の部位はおろか、腸や脳などの生きるのに必要な体の器官すら無い想像した通りのスライムでした。
唯一あるのは丸い核のようなものだけです。
スライムの体に手を突っ込んで核を出せば屠れるのでしょうか?
それとも手を突っ込んだら手がジュワ〜てスライムに消化されるのでしょうか?
記念すべき最初に屠る魔物です。無傷で終えたいです。
魔王になるのだから序盤の最初の敵に殺されるなんてことになりたくないです。
う〜ん。悩んでも仕方がないから、指の先を入れて溶けなかったら手を入れましょう。
試しに指を入れてみました。溶けてないようです。
痛くない。
「よし!」
ブスリと手を突っ込み核を掴みます。そして、引き抜く。
ブシャァっとスライムの丸いボディは崩れ、ただの水になってしまいました。
スライムの中の感触は単なる水と同じような感じでした。
ドロドロしているイメージがあったが違ったようです。
《経験値が1たまりました。》
おおー!経験値。レベルアップが楽しみです。
1か…なんて小さい数字なんだろう。
でも、塵も積もれば山となるというしスライムを屠りまくってレベルを2に上げたいです。
「あ、また、スライムだ。」
2匹目も倒した。あっさりと倒せるからきっと経験値が1なんだそう思った瞬間。
《経験値が3たまりました。》
3?個体によって経験値が違うらしいです。
でも、すぐに死ぬ点は同じです。
これから私は時にスライムを殺しながら真っ直ぐ洞窟の出口に向かって歩いていきました。
10匹目のスライムを屠った時、
《 【称号】 アマチュアスライムキラーを獲得しました。》
《【称号】アマチュアスライムキラーの効果により、スライムに対する攻撃に自身の攻撃力の1%分を加算する効果が得られます。》
と無機質な声は言いました。
これで魔王になる道に一歩近づいたという事。
とはいえレベルは一向に上がらない。
スライム10匹では駄目なのでしょう。
もっと洞窟を進まなければ。
読んでくれてありがとうございます!
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