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帰還

二つ目

 僅か数十人で反乱を抑えたレイアは、帝都に帰還するなり大勢の市民の歓声に迎えられた。

 

「...え?」


 盛大な出迎えに困惑するレイア。


「皇子の反乱ともなれば国内が不安に包まれるのは当たり前。レイアはその不安の種を止めたんだからな。もう少し誇ってもいいんだぞ?」


 隣で、ロスト姿の俺がそう教える。


「でも、殆ど貴方のお蔭で...」

「いや、俺一人じゃ成し得なかった事だ。この結果は俺じゃなくてレイアのお蔭さ」


 そう告げた後に、幻術魔法で姿を消し、その場から飛び去った。



 去ったとは言っても、姿を隠して帝王の反応を見ていたのだがな。

 帝王から反乱鎮圧のレイアに対する報酬的なアレを沢山貰っていたのは良いとして、レイアがまだ十六歳だと言う事に驚いた。

 最も、俺が一番驚いたのは帝国の伝達の速さだがな。。

 二日経たずにもう帝国全土に情報が行き届いているってどういうことだよ。

 一晩で情報入手&整理からの伝達...ハイスペック過ぎる。

 それで、後日アルカディア王国への報告等をする...と言った所でアルディア砦で一泊した後、そこに俺、ノアルトが行って示談の条件等の話等をした事をレイアが帝王に報告していた。

 まあ八百長示談だったんだけどな。

 示談の内容は、まとめると「こっち被害出てないから気にしてないよ。あっそうだ、ウチの国の防衛してくれた恩返しにアルカディアは全面的にレイアさんに協力しますね」

 と言う感じの事を滅茶苦茶難しい言葉で書いてある。

 全面的に協力、とお茶を濁しているが、これはつまりアルカディア王国は帝位争い、レイアに肩入れしますよ、と言う事だ。

 筋書通りに進んでいる。

 ...何はともあれ、軍隊を退ける所か帝国に協力者も出来て、アルカディア王国にとってはかなり良い結果に終わったんじゃないだろうか。

 レイアも帝位

 示談うんぬんかんぬんには今度正式な使いを送らないといけないだろうが、これでまた俺の冒険者ライフが元に戻るのではないだろうか。




 第三皇子、ガルアナは打ち首となった。

 反乱を起こしたのだから仕方がないとは言え...だ。

 彼には冒険者としての素質もあったんじゃないか、と考えてしまう。

 つけ刃のような飛行魔法とは言え、その空中制御や剣の振るい方。

 兵士や騎士寄り、と言われたらそうなのだろうが、俺には前線で戦う冒険者、と言うイメージだ。

 生まれが違ったら、そうなる未来もあったのかもな。







 王城に戻り、自室に入る。


「戻ったぞラミュ」

「あ、ノア様!」


 俺の姿を見てパタパタと駆け寄って来る犬耳メイドの少女、ラミュ。

 先に馬車でアルカディア王国に送るよう頼んでおいた。


「お怪我はありませんか?」

「大丈夫だぞ、心配してくれてありがとうな」

「えへへ...従者さんですから、ご主人様の心配をするのは当たり前です! それよりですね、私、従者っぽいこと出来るようになったんですよ!」

「おお、一体どんなのだ?」

「ちょっと待ってて下さい!」


 駆け足で俺の部屋から出て行くラミュ。

 暫く椅子に腰掛けて待っていると、ラミュが何やらお盆の上にカップを載せて運んできた。

 この匂いは...紅茶か。

 入れて貰って何だけど、俺紅茶ていうか苦いの本当に無理なんだよなあ。


「私、頑張って紅茶入れられるように練習したんです! 周りの女の人達も教えてく――わぁ!?」


 足がもつれたのかバランスを崩して声を上げるラミュ。

 慌ててラミュの傍まで移動し、体を支える。

 まさか王城に帰って来てすぐブーストを使うことになるとは...。

 

「あ、すみません...私...」


 目に見えてしょげてしまうラミュ。


「...こういう時は、笑顔でありがとうって伝えた方がいいぞ?」

「あ、ありがとうございます?」

「そう、俺もせっかくラミュが淹れてくれた紅茶を粗末にはしたくなかったからな。俺の為に紅茶を淹れてくれたありがとう」

「んっ...こ、こちらこそ...です」


 赤くなって俯いてしまったラミュ。転びかけたのが相当恥ずかしかったらしい。

 その後頑張って紅茶を飲んだが...不思議と苦手意識が有ったのに飲む事ができた。

 これがラミュの力か...! 相手が嫌いな飲み物を不快感を抱かせることなく飲ませる能力...俺のブーストに次ぐ強力な能力だぜっ...!

評価100pありがとうございます

もっと頑張るのでブクマだけでも是非

あ、あと誤字報告してくださった方ありがとうございます! 助かるし、細かいところまでしっかり見てくれてるんだなって嬉しくなります!

引き続き本編もヨロシクです

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