そのさん マリア先生と羽虫
私、マリア・フォン・ランドルは最近、結婚したの。
そうしたら、旦那様のコンタは西大陸にある、とある国の王族の血を継いでいて、
なんだかとっても長い苗字になったから、
もう面倒になったわ。
だから、いまはただのマリア。
愛しい愛しいアークレッドのただのマリア。
可愛い可愛い5人の天使達の先生よ?
すっかり板についた学び舎の玄関を掃き掃除(これでも元皇女)をしていたら、
まっすぐなたった一本の村道ーじゃなかった国道を愛しい我が生徒を歩いてくるわ
なんだか金色に輝く空飛ぶ…えっ?羽虫?金色の卵が空から降ってきた?
ねぇ、ウィル。
可愛い可愛い私の天使。
くりくり大きな黒曜石の瞳がチャームポイントの私のウィル。
あなた、それ、本気なの?
ーええ、そうね。
愛しい愛しい私の天使達には、他国の常識一切関係ないのよね。
だったひとつの、法律。
ー悪い事はしない。
それがすべてで、赤ちゃん羽虫を親に返さないとヤーガバーバにお仕置きされるのね。
ヤーガバーバは優しい笑顔で、人殺しなんか簡単よね?
だって、大魔女ヤーガバーバ。
色んな史実にでてくるわ。
アークレッドにある大陸一の山に、まさかひっそりと魔女たちがすむ村があって、その村の名前がヤーガバーバだなんていらない情報よね。
海の小島には、魔道士の聖地やーがジージーがあるなんてことも、
アークレッドでは当たり前。
でも、しってる天使?それはきっと、各国の王が必死に隠すトップシークレット。
みんな喉から欲しい、魔女も魔道士も、アークレッドではただの法の番人。
みんな怖いのは、悪い事した時だけ。
いつもは、優しいお医者さん感覚。
改めて、アークレッドってなに考えてるかわからない国よね。
まあ、住めば都。
私は、ずっとアークレッドから離れないわ。
で、ウィル。
いまからヤーガバーバの所にいくの?
1万メートル登る気?まあ、あなたなら登るわよね?
私だけ天使達の身体能力は、化物みたい。
頭がいいのは、私のおかげ。
身体能力がたかいのは、なぜかしら?
私があった3歳の時には、みんなヤーガジージの島まで泳いで、ヤーガバーバの山に配達してたもの。
おむつもとれていたわ。
オネショもなかったの。
生活能力たかいのよ、私の天使達。
でもね、ウィル。
やっぱり先生心配よ?
高度1万メートルは、とても寒いし空気も薄れてきついわよ?
えっ?五千メートルでイェティーの毛皮を借りるから平気?
イェティーって、雪男よ。すっごく、大きな大男。
ずっと、独身だったけど、最近ウィルが雪女って女性を紹介したのよね。
子供が生まれたら私が教えるのよ?
学校には、冬しか来れないって言ってたけど、私は天才。
その頃には、空飛ぶ乗りもの作ってみせるわ。
ウィルの頭上を、ブンブンご機嫌に飛ぶ羽虫みたいなやつ。
ねぇ、ウィル。
最後に本当に、ソレ、羽虫っておもってるの?
いま、口からポッと炎をふいたわよ?
…そうね。雪山には便利ね。
ためにし掃除で出てきた羽虫の死骸あげたら、喜んで食べてたわ。
ウィルが共食いって言って、ひいてたけど。
ひく基準がおかしいわよね。
可愛い可愛いウィル・フィル。
さっきよりひとまわり大きくなった羽虫を連れて駆けていく。
「あいつ、マジか?」
そういや、隣にコンタいた。
ずっと、口あけて呆然としてたから忘れてたけど。
その手にさっさと塵取り押し付ける。
早く終わって、リーナ肴に酒飲みたい。
可愛い可愛いウィル・フィル。
夜には戻ってくるかしら?
ー羽虫を連れて。