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そのじゅうに 王宮中庭 卵パーティー


ウィルの目の前にセットされたてーぶるで、


でてくる、でてくる、いろんな卵料理。


ふわふわオムライスに、ふんわり玉子焼き、あまーいクリームのなんたらお菓子、etc。


できた王宮料理長、姫さま指示前に用意した。


「わあ! いいの?」


キラキラおめめに、ガッツポーズな料理人。


いつもすまし顔な貴族達むけパーティーよりも、アークレッドのこの少年に作る方が嬉しい料理人。


「すっごく、美味しい!」


ケチャップほっぺたついたのもご愛敬。


お姫様がペロリとそれを舐めとって、女官長に叱られていたのもご愛敬。


「姫さま、人前では禁止です」


人前じゃなきゃ、いーんだ。


まあ、婚約者だし?


ニコニコ笑顔のウィル・フィル。


自分がいま大国リオンのお姫様からなにをされたかわかっていない、ウィル・フィル。


ぱくぱく、もぐもぐ、たいらげた。


「ふぅー、お腹いっぱい」


10人前の卵料理、あっという間になくなった。


相変わらず、細いのによく食う少年。料理人の腕がなる。


「あれ、ウィル、なんでゴールドドラゴンがしろにいるの?」


とてとて博物館から髭だけ爺おんぶして、マークがくびをかしげたよ。


空をスィーッと飛び回るゴールドドラゴン見上げて泡吹いた老害、医師にわたす。


「空から落ちてきた?そうなんだ。あっ、玉子焼き美味しそうだね?いいなあ」


羨ましがるのソコ?


玉子焼きあげるとまんまる黒メガネがほにゃと笑う。


やっぱり頑張ってよかった卵料理。


ガッツポーズの料理人。


「けど、ゴールドドラゴンがタマっ名前でいいの?レオは海竜王の息子にポチだけど、あれはちゃんと親から貰った名前あるよ。この子はないでしょ?」


マークの珍しくまともないいぶんに、


「じゃあ、ベル」


あっさり、婚約者から名前をつけたウィル・フィル。


タマもそっちがいいと炎を吐き出し気を焼きそうになって、慌てて吹雪で消化する。


「ちょっと、ベルはしつけが必要ね?」


このままじゃ、中庭焼け野原。


怖い顔したお姫様。飛龍の王様の息子、怯える。


絶対、逆らったらいけない人間。


早くもわかった飛龍の王子。


そんなやりとり、どうでもいい。


ニコニコ卵料理のウィル・フィル。


やっと、卵が食べられた。



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