表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

そのいち 中庭でお姫様は婚約者に驚く


その日、いつもニコニコ優しい笑顔の婚約者がしょんぼりした顔で現れたから、大国リオンのお姫様、ティアラ・ベル・リオンは驚いた。


黒曜石にきれいな可愛い女の子のように、くりくりお目目の、誰よりも愛しい存在ウィル・フィル。


いつもほんわか、ニコニコ笑顔のウィル・フィル。


1週間ぶりに会ったのに、しょんぼりと肩をおとしていて、


(しょんぼりウィル王子様も可愛いわ)


実はその姿さえときめく恋する乙女なお姫様。


実は、かわいい見た目とは反対の、そこそこ腹黒お姫様。


たったひとりの大国リオンのお姫様。


腹黒に育ってないと、国滅ぶ。


「どうかなさったのですか?お元気がないようですけど」


もちろん、婚約者には猫被り、胸のまえで両手を組み合わせて、うるうる緑の瞳で婚約者を見上げる。


(あら?また、背がのびたのね。小さなウィル王子様も素敵だけど、見上げるのも新鮮だわ)


ウィルなら、なにをやっても許せるお姫様、そんなお姫様と相思相愛、バカップルなウィル・フィル。


うるうるお姫様(もちろん計算)にノックアウト。


しょんぼりから一転、でれ〜としまりない顔になる。


でも、返事をしようとしてまた、しょんぼり。


「ウィル王子様?」


あまりの落ち込み方にティアも心配になってきた。


「…卵が空から降ってきたんだけど」


ボツボツと語り出したアークレッドの少年。


その話の内容に、ティアラ以下、その中庭にいた護衛も侍女も吹きだすのを、こらえるのが大変だった。


これは、そんなウィル・フィルの災難なお話。


ーただ、卵料理が食べたいだけなのに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ