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無理ゲークリアしたらゾンビ世界になってしまったのですが* 作者:夢乃

第1章 【無理ゲークリア編】

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第9話【無理ゲーの終わり】

 吹き飛んだ右腕を乱射し、右腕が消滅するのを確認した。


 その後アグレストの体が光りだし――消える。


 俺は慌てずにその場で手榴弾を転がし、敵が背後に現れたタイミングで緊急回避を行う。


 爆発と同時に左腕も連続で吹き飛ばし、倒し方が分かっているだけでここまで楽になるのかと、少しだけ笑えてくる。


 吹き飛んだ左腕を乱射し、左腕が消滅する。


 問題はここからだろうか。


 前回の戦いではロケットランチャーで相打ちに持って行ったが、今回は一方的な勝利が目標。


 触手に包まれたアグレストは球体型へと変化し、複数の触手が無尽蔵に攻撃してくる。


 俺はそれを逃げながら避ける。住宅街を利用し、色々な建造物を守りに使いながら手榴弾を投げるが、敵に当たらない。


 〈 メッセージ(リア):何アグレストと遊んでるんですかww 〉


 何度か助けていただいている恩人からのメッセージ。その言葉に目を疑う……


『――遊んでる?この俺が?めちゃくちゃガチなんだけど……』


 遠くから投げまくっていた手榴弾の一つがアグレストに当たり、触手が離れて中の人型が姿を現す。


 それを狙い撃ちするようにコルトガバメントの確実な1発をキラキラと発光した心臓に叩き込む。


 触手が人型に吸い付くように球体へと姿を戻した。攻撃パターンが増える……


 そしてまた逃げようとした時だ……正面に金髪ツインテールのキャラクターが現れて、ハンドガンらしきものをアグレストに撃ち込んだ。


 その横には複数のプレイヤーキャラが並ぶ。


 アグレストに撃ち込まれた弾丸は赤に点滅しており、普通のハンドガンとはどうやら違うらしい。


「何だこの銃……?めちゃくちゃ点滅してる」


 そしてアグレストに付いた点滅する弾は数秒後――、爆発した。


 目を見開き、そのハンドガンがめちゃくちゃ欲しくなった。爆発する弾を撃つことが出来るハンドガン……手榴弾の上位互換ではないか!


 触手が離れて人型のアグレストが姿を現す。


 それと同時に投げ込まれるのは閃光弾――ディスプレイ画面が真っ白になり、徐々に視界を取り戻していく。


 閃光弾の眩しい光に当てられたアグレストの触手が全く動かなくなり、中にいる人型が数秒以上も姿を現し続けている。


 後は他のプレイヤーも含め、ピカピカと輝く心臓に銃弾を浴びせまくる。


「マジかぁ……閃光弾で触手の動き止められるんだ……知らんかった。てか、これチートだろ?」


 爆発する弾を撃てるハンドガンがあればアグレストなど雑魚だろう。それに閃光弾で触手の動きが止められるなら、負けることなんてありえない。


〈 メッセージ(リア):倒し方知らなかったみたいですね 〉


 今までメッセージを送ってくれた【リア】というキャラが目の前にいた。金髪ツインテールの黒いドレスを着た、身長のでかい女性キャラだ。


 他のプレイヤーたちもコメントをたくさん自分に送ってくれて、東京にいるにもかかわらず、緩い空気がそこには出来ていた。


 特別仲が良かったのはスナイパーライフルを持つ【カイト】さん。


 このゲームでは珍しい、刀で戦っている【サッチー】さん。


 俺と同じ種類の武器AK-47Ⅲ型を持っている【ZION】さん。


 そしてこのグループのリーダ【リア】さんだ。

■□■□


 ここからのお話はあまり意味がないかもしれない。


 10名のキャラクターを東京から集めるために1年近くの年月を費やしたそうだ。シンヤにとっては、初めて2~3週間程度のゲームだが、ここにいる古株のメンバーはこの化け物だらけの東京で、ずっと待ち続けていたに違いない。


 自分が2つ以上キャラを作って、東京に行こうとは思わなかったのか?と聞いたら、『負けたらデータ消えるのに、人数合わせの捨てキャラは使えない』と言われてしまった。


 実力で東京に到着できるプレイヤースキルを持った人間が10名集まって、初めて意味があるのだろう。


 俺は4月2日から4月5日までの間、その人達に多くのことを叩き込まれることになる。


 アグレスト以外の化け物の倒し方、敵に襲われない場所、そして新宿に建てられた巨大な塔の事。


 駐車場で襲われた敵のことも聞いた。【ターミナル】という空を飛ぶ化け物、羽に太陽の光を貯蓄してレーザーを放つ、もはやファンタジーな化け物だ。


 何でもありの世界じゃないか……。


 2重3重4重と重ねられたらせん型の巨大な塔も、ゾンビゲームというよりはファンタジーゲームを想像させる。


 そして人口密度の高い新宿は、とにかく化け物やゾンビが多くて大変だということ。


 古株のリアさんとカイトさんはリリース時からずっとプレイをし続け、やっとの思いで10人のメンバーを集めたことに興奮していた。


 このゲームのクリアが目標だったのだろう。


 長年にわたって予想と準備が整えられていた俺以外の9名のキャラは、俺が死なないうちにボスへ挑みたいと言い出しやがったんで、俺は一生懸命聞けることを聞きまくった。


『ボスに殺されて自分だけクリアできないとか、悲しすぎるから……』


【4月5日(月曜日)】


「そろそろ狩りますか……」


 長時間の戦いになる事は予想できていたので、永い眠りについて限界まで体調は整えた。


 教えられた情報は紙にまとめて、頭に叩き込んだ。中間テストや受験以上に勉強したのは確実だ。


 学校には行っていない……風邪をひいたことにしいる。ごめんなさい……。


 コントローラーを片手に笑みが漏れる。


 正直に言ってしまえば、負ける気がしない。


 10名のプレイヤーたちが並び、巨大な塔の中へと入っていく。


 酷い光景だったような、悲しい光景だったような。


 中にどんな化け物がいるのか分からない緊張感と、仲間が守ってくれる安心感がごちゃごちゃになり、俺はラスボスと戦った。


■□■□


 ゲーム攻略者


 ・信条シンヤ


 ・天能リア


 ・道徳カイト


 ・森根サチ


 ・熱意リョウ


 残ったのは、5名の名前が張り出されたディスプレイ画面だけだった。

読んでいただきありがとうございます!!

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