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歴史的事実に関するハーフラビット新聞社の見解

かつてこの地に異境より「神」が降り立った。

「神」は「創造主」のもとより遣わされ、その権能で「人」に力をもたらした。


「焔」のイグナーツ。

「音」のセルス。

「夢」のセルシオル。

「雷」のミナギ。

「剣」のマセリア。



彼等がこの地を去ってから人は自らの手で歴史を紡ぎ始めた。

わずか30年余りの時の中で、我々の側にいたはずの「神」は伝承の中にのみ住まうようになった。


それを正式に継承するは「アレイルスェン教会」。

宗教団体ではあるが、各地に張られた人脈、物流、情報網は国々の境をゆうに越え、あますところなく信仰の光をもたらした。

それはまるで「神」が降りるよりずっと昔に存在していた「帝国」のように。


肥大した組織。

肥大した欲。

一方的な善意。


そういったものが膨れ上がった先にあるものは、いつの世においても変わらない。


力による支配である。


曲がりなりにも善良な宗教団体として活動していたアレイルスェン教会が、強権を表立って行使した歴史的悲劇。


それが

「マートリーガ大陸の虐殺」

である。

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