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第十五話 “ジョンくんをいじめる理由”

私はモテる。美少女だから。


誰にも変えられない事実。ナルシストだと思うなら勝手に思えばいいわ。


此れは恐らく母親からの遺伝だろう。母も年の割には美女だ。何というか色気というものが凄い。


そして私の弟.........瀬名ジョン。


誰にも知られたくない真実がある。


“私は弟を愛している”


今の髪型は顔が半分が隠れているおかげで周りからはキモがられている。だけどそれで良い。私の弟であり母の子なのだから分かるだろうが........弟もかなりの美形なのだ。


私や母が世間に認知されるのは構わない。けれど愛する弟を何処の馬とも知れぬ雌どもに紹介するなど言語道断だ。


「なぁ、嫌ってるならあっち行けよ、うざいから。」


「何を言ってるのかしら?貴方のそういう態度がウザいのよ。黙って私に従っていなさい。」


「はあ.......18になったら絶対にこの家を出てやる」ぼそ


不貞腐れる顔も好みだ。今すぐにでも愛でてやりたい。けれど其れは倫理的行動に欠ける行為だ。近親相姦などしてみろ、私達は破滅の人生を歩む事になるだろう。


ピンポーン


「はーい!」


一がインターフォンに出る。


「美少女が住むと話題の瀬名様のお宅でしょうか?」


「あ、そうですよ〜ふふ。ヴァレリ〜テレビの人が来てるわよぉ〜!」


よく来るテレビの取材、雑誌の特集。私は急いで弟の部屋へと向かう。絶対に世間に彼の存在を知られない様に。


こんこん ガチャ


「なんだよ.......」


私が話を掛けると何時も嫌そうな表情を浮かべる。だけどその顔も私にとっては癒しだ。


「絶対に出ないで頂戴、貴方がいると私達の品格が落ちるわ。」


「へいへい分かりましたよー」


其れから私と母はテレビのインタビューを受けた。


「本当に美人さんですね〜。モテるでしょー。」


「ふふ、有難うございます。だけれど残念ながらモテないんです。」


謙遜するのは当たり前。美人故の余裕を持った回答。


「お母さんも美人さんですね!ヴァレリさんの他にも娘や息子さんはいらっしゃるのですか?」


「あ、はい、息「いません」


母へと視線を投げる。すると即座に理解したのか母も訂正してくれた。


「其れでは今日は有難う御座いました。」


そこそこのお金を貰い帰って行くテレビ局クルー。


「ヴァレリちゃん優しいのね〜!ジョンきゅんをあっちの業界に関わらせないよにするなんて!」


下手をしたら私達よりも注目を浴びる程にジョンくんは美形だ。そんなリスクを冒す様な行為は絶対にさせはしない。


「ジョン、もしその髪型を変えたらどうなるか........分かるわよね?」


だから私は彼に釘を刺す______


「あ、あぁ.......分かってるよ、」


____________誰にも取られない様に。


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