第十四話 “希望と言う言葉は存在しない”
異世界転生して”のんびり”しますって書いてある作品、のんびりしてない説!
のんびりしたいならハーレムつくんなや!羨ましいから!ウチの姉と其方のヒロインを変えてください。切実に!もう手を付けててもいいから!俺はヒロインが処女じゃなくても受け入れるタイプの男だから!
“オラァ、前の彼氏のイチモツと俺様のイチモツ、どっちが気持ちいいか行ってみぃやえぇ?”
とか言うシチュエーションめっちゃええやん!
「あら、貴方が望むならそう言うプレイをしても良いのだけれど?」
そもそも近親相姦って作品そのものが頭がおかしい事に気づこう。義理の母、姉、妹なら分かる。けど実姉はないだろう、普通。病気だよ?エロ漫画だけの話なの、其れは!
「あ、私も弟様が望むなら何でもしますよ!」
何だろうなぁ.......ならマコトくんを選べば良いじゃんて話になるだろう。だけど其れだと俺のハーレムライフが終わっちゃう気がするんだよ。なんだかこの子付き合ったら放って置けない感があるし。
「あら、私は認めないわよ。例え貴方達が付き合ったとしても一緒に住むわ。必ずね。」
いやいや、気色悪いわ。この女、生涯を掛けてストーカーしてくるつもりなのか?
「ストーカーではなく愛よ。」
心底その愛を粉々に消してやりたい思うよ、俺は。
「はぁ、ヴァレリ達の所為で友達が全然出来ないな。」
現在共に昼食を取っているのだが、この二人の存在の所為で他の生徒達が全くと言って良いほど近寄って来ない。
「なぁ、お前達って..........嫌われてるのか?」
「ヴゥフッ!!?」
すると何故か吹き出すマコト。
「マコトさん、汚いのだけれど。」
「ご、ごめんなさい。」
ヴァレリが顔を拭きながら文句を言うとマコトは謝罪した。
「......弟様、知らないんですか?」
「知らないって何が?」
近寄らない理由はたしかに存在するのか。
「姉さんは生徒会長ですよ?」
「はい?」
「生徒会長ですよ?」
「いやいや、聞こえてるから。」
「生徒会長ですよ?」
「しつこいわ!て言うかヴァレリ、アンタ生徒会に入ってたのか!其れも生徒会長!!」
生徒会長にも関わらず常に一緒にいる気がするのだが、本当に生徒会勤めなのだろうか。
「あら、当然でしょ?教師でもない他生徒に命令されのなんて御免よ。もちろんジョンくんは別だから気にしないで良いわ。」
「そうか、なら命令する。俺から距離を取ってくれ!学校では一人にさせてくれ!たまには一人で外出させてくれ!」
「全部却下ね。」
でしょうね!
「頭が良いのは知ってるけど、良く他の生徒が承諾したな。」
「えぇ、言葉で分からない生徒は裏で......いえ、なんでもないわ。」
え、えぇ........この女、絶対に逆らった奴らに何かしてる。
「_________と言うわけでヴァレリ姉さんは恐れられているのです。」
「マコトは怖がってないんだな。」
「いいえ、怖いですよ。いつも意味わからないし、無駄にスペックは高いですし、凄いブラコンですし.........死んだ方が世の為なんじゃないかなって何時も思ってます。」
以外に辛棘なんだな。まぁその意見には賛成だけど。
「ふふ、マコトさんありがとう。スペックが高くて弟想いだなんて照れるわね。」
確かにスペックが高いとは言ったが弟想いだなんて一言も言ってない気がするのですが。本当に此奴の思考回路はどうなってんだ。
「はぁ、そろそろ鐘がなる時間だな。教室に戻ろうぜ。」
時計を見ると残り3分ほどで昼食休憩が終わる時間だった。
「.........そうね。憂鬱だわ。」
「そうですね。私も憂鬱です。」
二人はあまり教室に戻りたくないようだ。
「やっぱり友達いないってのは辛いのか?」
二人はギロリと此方を睨む。と言うか此方も友達がいないのですが。
「違うわ。貴方とまた離れてしまうからよ。」
「右に同じです。」
随分と好かれたものだな。もっとも好意が行き過ぎている気はするが。
「まぁ、後でまた会えるし。大丈夫だろ!」
二人の肩へと手を置き笑う。二人も嬉しそうに笑顔で其れを返すと昼食終了の鐘が鳴るのだった。