プロローグ 神になった少年
注意されたにも関わらず、新しい作品を投稿してしまう僕は一体…ちゃんと他も更新します!許してケロ!
現状ちゃんと更新出来る作品は…これと最強と死神と天下統一、かな?
ちゃんとやりますよ!( *˙ω˙*)و グッ!
「はぁ…疲れた。」
1人の少年が仕事終わりのサラリーマンのように夜の道を歩いている。すると、前方からフードを深く被った人が走ってきた。体格から恐らく男であろう。
「…っ!?」
その男が街灯に照らされた時、男の右手には血のついたナイフが握られていた。それを見てしまった少年はとりあえず、この場はやり過ごそうと思い男を見ないようにしながら通り過ぎようとしたーーのだが、丁度男が横に来た瞬間雷が男と少年にぶつかった。
少年の最後の記憶は横の男の顔で終わった。
◆
『さて、そろそろ起きてもらってもいいかな?』
その声に死んだはずの少年が目を覚ました。しかし、そこは死んだはずの場所ではなく白い部屋だった。
「あ…え?一体どうなって…」
『やっと起きましたか?では今行きますので』
どこからとも無く聞こえてくる声に驚いていると、少年の目の前の真っ白な壁に光の紋様が浮かび上がり、壁が真っ二つに割れ開いていく。どうやらこの壁は扉だったようだ。そしてそこから1人のスーツ姿の男性があらわれた。
『こんにちは、神月 遥さん。この度は私の不手際で死なせてしまい申し訳ございませんでした。』
「は?何で名前…死なせ…?誰?…」
神月遥と呼ばれた少年の頭にはクエッションマークがたくさん浮かんでいる。仕方ない、突然良くわからない部屋にいると思ったら次は壁が開き、スーツの男が出てきた上に名前を知られており、自分を死なせたのは自分だと言い出したのだ。意味不、これに尽きる。
「と、とりあえず貴方はどなたですか?」
迷った結果、遥は目の前のスーツ男自身について聞いてみた。
「あぁ、自己紹介がまだでしたね。私の名はリーフェル、創造神です。」
「…頭の方打たれたのですか?大丈夫ですか?病院はーー」
「打ってません、大丈夫です。」
「………中二病?」
「いいえ、貴方の目の前にいるのは紛れなく全てを創り上げた神、創造神です。」
自分の事を創造神と言う男を懐疑的な目で見る。
「まだ疑っているようですね、では…【創造:人族】」
スーツの男が手を右斜め下に伸ばし、詠唱すると伸ばした先に魔法陣のようなものが浮かび上がり、そこから男が1人の浮き出てきた。
「うわぁ!!」
遥は突然現れた男を見て、飛び上がるように驚いた。当然だ。
「ん?ここは…」
「あっもう大丈夫です、さようなら。【消去】」
そう言うと、再び魔法陣が男がを中心に浮かび上がり、それに沈んでいくように消えていく。
「さて、これで信じて頂けましたか?」
「え、えぇ…」
流石にここまでされたら信じるしかない。人を生み出し、そして消し去る。正しくそれは神の所業だ。
「あ、そういえばさっき僕を死なせたって…」
「えぇ、そうです。貴方の隣で一緒に死んだ男性がいたでしょう?」
「はい…」
遥は雷に一緒に打たれたナイフを持った男を思い出した。
「あの男は残虐な殺人犯でね、滅多にしないんだが天罰…をする事にしてね、近くに人がいる事を確認し忘れてしまい君を…その、巻き込んでしまってね…本当に済まなかった…」
それを聞いた遥が怒りの表情を浮かべるも、すぐにそれは消えた。そしてその場にしゃがみ込む。
「そう…だったんですか…は…はは…やっぱ僕の人生こんなんばっかだなぁ…はぁ、それでこれからどうすれば?」
「え?怒ってないのですか?私は君を殺して…しまったのですよ?」
その言葉に若干顔を顰めながら、答える。
「怒ってない…訳じゃないですけど…もう終わったことですから…いいです、もう気にしてません」
「そ、そうか。ありがとう…と言っていいのかな。それでこれからどうするかなんですがね、君には転生をしてもらう事にしました。」
「て、転生?」
その言葉は遥は困惑してしまう。
「そうですよ、転生です。貴方が死んだのは完全に僕の不手際です。なので生き返らせます。」
「そ、そんな事が?」
「えぇ、創造神、ですからね。基本なんでもありと思っていただければ。」
創造神は苦笑しながら言う。
「は、はぁ」
「あっ、ですが規定により元の世界には戻れませんのでそこはご了承ください。それから転生先の世界は少々デンジャラスな所になってます。」
「デ、デンジャラスとは?」
遥が若干怯えながらも尋ねる。
「魔物とかいるんですよ。それに貴方のいた世界と違って文明もそれ程で、治安もいいとはいえませんし、まぁ、貴方くらい…もう少ししたの年代位が喜びそうな魔法とかがあるのは良い点ですかね。」
「は、はぁ」
魔法があるという事に、遥は特に興味は示さない。遥はあまりアニメとかラノベとかそちらの方には興味が無かったので、魔法があると言われても嬉しい!みたいな感情は湧かない。
「まぁそんな所ですからね、今回はこちらのミスですし特別に貴方の願いを三つ程聞きたいと思います。何でも聞き届けますのでどうぞ。」
「なんでもと言われましても…あっ、じゃあ一つ目は実は元の世界に病気の妹がいるんですけど…その妹の病気を治して一生不自由無く暮らせるようにしてください…出来ます?」
その願いに創造神が拍子抜けといった顔をしたが、すぐに戻し答える。
「は、はい。大丈夫です。ですが、まさか自分の事じゃなく妹さんのために願いを使うなんて…それでは他の二つは?」
「あー…もうないですから、大丈夫ですよ。」
「はっ?」
再び創造神が拍子抜けといった感じの顔をした。今度は戻すまでに時間がかかった。
「いや!あるでしょう!強くしてくれ、とか不死身にしてくれ、とか!」
「あぁ、そういうの興味ないです。」
「……で、ですが三つの願いは絶対聞かないといけないのですが…」
「じゃあ貴方が決めてください。」
突然の無茶振りに創造神が困惑する。
「そ、そう言われましても…あっ、では私事で悪いのですが、実は創造神の後継が見つからなかったのです…すみませんが、神になってもらいませんか?」
「…へっ?」
今度は遥が困惑してしまう。それも当然、いきなり神になれなどどうしていいか分からない。
「か、神ですか?神ってそんな簡単になれるんですか?」
「えぇ、なれますよ。私と相手の承諾があれば、ですが。」
「へ、へぇ…けど、いきなり神って…というか転生はどうするのですか?」
当然の疑問だ。神になったら異世界行くとかの問題じゃなくなる。
「そちらは問題ありません。私が創造神を引退するのが1850年後ですので、それまでは転生先でご自由にお過ごしください。後継者として私の力も授けるので…しかし、【創造】の力には制限を付けさせていただきます。具体的には人族やそれに近い種族…転生先ですと代表的なのは森精族や地精族、獣人族に悪魔族といったところですか、その辺は創造出来ませんので。その辺が創りたい場合は1850年後にしてください。」
「は、はぁ…」
遥は創造神の畳み掛けに圧倒されてしまった。
「それからですね、後継者になるとそれだけで願い2つ分使う事になるのですが…」
「まぁ、それはいいんですけど…僕が神になるの決定事項みたいですね…」
「あっ…すいません。悪い癖で…どうします?なりますか?後継者に」
「まぁ、いいですよ。特に断る理由もないですから。そうだ、神の力って他に何が?まだ【創造】と【消去】くらいしか知らないんですが…」
それを聞き、創造神があぁ、それを言うの忘れてましたと言いながら教えてくれた。
「えっと、実は私の能力ってその2つくらいしかないんですよね。あー、病気とか怪我とかを完全に治せる【救済】がありましたね。後は身体能力が馬鹿みたいに高いとか…あ、それから神の能力には神力というガソリンみたいな役割を果たす者が必要なんですが、それを転生先では魔力に変換出来るってとこですね。ちなみにこちらも馬鹿みたいに高いので枯渇の心配はほぼ無いですね。」
「そうですか…魔力…魔法ってどうやって使うんですか?」
「え?あ、魔法ですか?基本は想像ですね。火を起こすのを想像とか、水を出すのを想像したりとか、そうすると出来ます。普通はそう簡単には出来ないんですけど、多分神月さんは神になるので簡単に出来ると思います。」
「へぇ、それは良かったです…ん?」
遥は、これなら異世界でも簡単に死ぬ事は無いだろう…とそこまで考えある事に気づく。
「あの、今更なんですが1850年後に引退って事は僕は…死なないんですか?」
「そうですが、何か不自由でも?」
さも当然かの様に創造神が言う。いや彼からしたら当然なのだろう。確かに神なんだから、死ぬ事がないのは当然といえば当然かもしれない。無論物理的攻撃による死はありそうだが、神がそんな攻撃を受けるなどほぼ無いだろう。
「まぁ、不自由は…ないですね。」
「ならそろそろ行ってもらいましょうか、行き方は後ろにある扉から…って重要な説明忘れてましたぁ!!すみません、生まれ変わったら赤ちゃんになってます…説明遅くなってホントにすいません…」
「あ…赤ちゃん、ですか…まぁいいですよ。気にしないでください。てか立ってもらって良いですか?」
何故か土下座で謝る創造神を無理矢理立たせる。
「いや、ホントに色々ご迷惑をおかけしました。では今度こそ、行ってらっしゃい。」
旦那を見送る奥さんみたいだ、なんて思いながら遥はいつの間にか後ろにあった扉を開け、中に入る。
「行ってきます。」
何となくノリで旦那みたいに返しながら…
中に入ると光で目が開けられなくなり、10秒程してやっと収まったので恐る恐る目を開けると、そこには巨人がいた。
誤字・脱字等あれば、教えていただけると幸いです。
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