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僕は恋をした  作者: Bule Crown
2/2

~雨~

 都内某所、その日は視界を遮る雨が降っていた。僕はいつものように、決まった時間にバイクに乗り家を出た。いつもの変わらない風景、ただ違ったのは雨で視界が悪かった只それだけ。



ギュイという鈍い音を立てて、僕はバイクで転倒した。



降りしきる雨の音を聞きながら、僕は意識を失った。不思議と痛みは感じなかった。









「どこだここ?」


「病院です。」


意識が戻った時、出した声はすぐに返事が来た。その声は淡々と事実を伝えてきた。

病院……そうかバイクで転倒したのか、意識の回復と伴に自分の置かれている現状を理解してきた。


「先生を呼んで来るので少々お待ちください。」


「はい。」


酷く事務的な人だと思った。世間の勝手なイメージで看護師は白衣の天使と称えられるが、看護師も一人の人間だ。気分や体調で対応も変わるんだろう。



カーテンの開く音の後に病院の先生がやって来た。バイクでの単独事故らしい、怪我の具合もかすり傷程度、だが左肘の骨は折れているらしい。倒れた時に左腕をバイクの下敷きにしたらしい。意識がなかったのは、倒れた時のショックで気絶したそうだ。


現状わかっているのはそんな感じらしい、今日はこれから他に異常がないか検査して、何も無ければ帰って後日、折れた骨の手術だそうだ。


まあ曖昧な感じなのは全部先生に言われてまだ実感が湧かないからだろう。


「すいません、僕の荷物は?」


こちらに、と看護婦さんが示す方に行き荷物をあさる。会社に連絡しなきゃな。そんな事をすぐに考えるのは自分の真面目な性格ゆえか、それとも仕事人間である僕の根に張り付いてる思いからなのか?


荷物からスマートフォンを出し、会社に連絡をしても?と尋ねる。


「ええ、ロビーの方でならご自由に連絡をお取りください。それと、バイクの方は警察の方がレッカーでこちらの方に運んでくれたそうですよ。」


医者の先生がそう言いながら名刺を差し出してくれた。お礼を言いつつ、後で連絡してみます。と答え、看護婦さんに案内してもらいながらロビーに向かった。


スマートフォンの着信履歴を見ると会社からの着信が十数件あった。面倒な……僕が悪いのはわかっていても連絡を取るのを渋る気持ちはわかって欲しい。



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