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無黒語  作者: 吾桜紫苑&山大&夙多史
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infi-05 バカsと鬼畜と敵の切り札

「さて、落ち着いたところで今後の行動方針を決めるぞ。つーかお前らが勝手に行動しすぎてぐちゃぐちゃだから一度状況を整理したい」

 周囲にゾンビの気配がないことを確認し、羽黒は集まった面々を見回してそう告げた。

「真っ先に作戦行動を翻したのはあんただろ」

「アレはしょうがなかった。お前だって賛成だったろ? 問題は島に上陸してからだ。なんか予定になかった二人も増えてやがるし」

 羽黒は疾の後方にいる少年と青年を見やる。疾が呼んだということはそれなりに使える駒なのだろうが、実力を把握しきれていない者をぶっつけ本番で投入するのはやめてほしい。

「話をするのはいいですが、その前に一つ訊きたいことがあるんですけど」

「俺も『帰ってもいい』っていう言葉の次に訊きたいことが一つあるんだけど」

 ウロボロスと疾が呼んだ少年の方――瑠依がハイハイと威勢よく挙手して主張してきた。どうせくだらないことだから無視する。

「早々に大聖堂の術式を破壊したのはよかったな。砲撃されている中じゃ落ち着いて会議なんてできねえし」

「ウザかったからな。で、クソチビはどうした? くたばったのか?」

「例の赤毛のガキと一緒に別行動中だ」

「スルーして勝手に話を進めてんじゃあねえですよ!」

「そうだそうだ! 帰らせろ!」

 羽黒と疾の周りでギャーギャー喚く二人が非常に鬱陶しかったので、ついそっちを振り向いてしまった。


「なんで起きたらあたしたちボッコボコにされてたんですかねぇ!?」

「この絶妙に骨も折らずダメージだけ与える感じのボコり方、絶対に疾だろ!?」


 そこには顔面をこれでもかと腫らしまくったウロボロスと瑠依がいた。

「なんで? てめえらの胸に訊いてみろ」

「胸よ胸、この世で一番美しいウロボロスさんに悪さをしたのは誰ですか? ――そこの腹黒と龍殺しです。しゃあぶっ殺す!!」

 ウロボロスが大剣振り抜いて襲いかかってきたので、羽黒と疾は思わず同時に蹴り飛ばしてしまった。砲弾のように吹っ飛んだウロボロスは近くのコンクリのビルに激突。倒壊させて生き埋めになった。

「おらぁあッ!!」

 瓦礫を吹き飛ばし、黄金の竜翼を背中に生やして飛び上がったウロボロスは、掌に魔力とありったけの殺意を込めてぶっ放す。が、羽黒と疾はいそいそとその場を離れていたため巻き込まれたのは瑠依だけだった。

「ぎゃああああああああああああああああああッ!?」

「瑠依!?」

「やめとけ」

 疾が呼んだ青年――竜胆が光の爆発に呑まれた瑠依を助けようとするが、疾に肩を掴まれて止められた。

「なにすんの危ないだろ帰りたい!?」

「いやなんで今ので死んでないんですか!? ホントに不死者ですかあんたは!? ゾンビやゴーストの方がまだ死にますよ!?」

 寧ろ驚愕しているのはウロボロスの方だった。

「なるほど、そういうアレか」

「そういうアレだ」

 瑠依という呪術師の特性をハッキリと理解した羽黒はニヤリと笑う。『なぜか死なない』は噂に聞く伊巻一族の中でも最上級の恩恵だという。これは使える。

「なんなのあの人味方じゃねえの帰りたい帰らせろ帰る!! もうヤだ帰る帰る帰る帰る帰るおうち帰るぅううう!!」

「うるさい黙れ」

 ゴッ!

「へぽっ」

 駄々っ子のように地面に背中をついてジタバタし始めた瑠依の鳩尾を疾は容赦なく踏み抜いた。変な声が漏れたかと思えば、ガクリと瑠依は白目を剥いて気を失う。静かになった。

 と、そこでウロボロスが羽黒たちの前に着地してきた。

「つーかなんでウロボロスさんの〝再生〟が働いてないんですか! いや、徐々に治ってますけど、明らかに普段より調子悪いですよ!」

「そりゃ〝再生〟を遅らせるくらいの対策はして殴るだろ」

「鬼!?」

「あーそうそう、てめえが無駄に動いて喋ったせいで失った俺の魔力をてめえから補充しておいた。利子としていくつかの魔石にも魔力をチャージさせてもらったぞ。資源が〝無限〟の鉱脈は便利だなぁ」

「悪魔!?」

 疾は悪い笑顔で掌に掴んだ魔石を弄っていた。ウロボロスから奪った魔力の利子はトイチとかそんなレベルじゃないだろう。

「もういいだろ。こいつはこいつで屈辱を味わったんだから、これ以上馬鹿な真似して時間を無駄に浪費するな」

「ホントはあんたにぶん投げる予定だったんですけどね」

「そいつは予定が変わってラッキーだったな」

 ぐぬぬと歯噛みするウロボロスは今度こそスルーして、羽黒は脱線した話を元に戻す。

「ここからはチームを二つに分ける。お前とクソ蛇とワンコは博物館へ向かえ。魔導書の破棄と迷宮化の解除を頼む」

「誰がクソ蛇ですか!? ドラゴンですよドラゴン!?」

「俺もワンコじゃねえ!?」

 クソ蛇はクソ蛇。そうじゃなければアホ蛇。ワンコは竜胆という名前らしいが、わざわざ羽黒がそう呼ぶ必要はない。

「あんたはどうするんだ?」

「ちょっとボス戦の前に細工をしとこうと思ってな。そいつを借りるが、いいだろ?」

 羽黒はそう言って未だ目を覚ます気配のない瑠依を指差す。

「殺すつもりで使い倒せ」

「酷ぇな。まあ、そうなるだろうけど」

 ニィと口の端を吊り上げる羽黒。死なないとわかっている人間は有効活用しないと勿体ない。

「ふん、そっちのワンコはともかく腹黒と仲良くお手手繋いでピクニックなんか死んでもごめんですね! 先に行ってるので勝手に追いついて来てください!」

 ウロボロスは再び竜翼を生やすと、博物館がある方角に向かって飛翔した。

「チッ。おい竜胆、お前も先に行ってあのアホ蛇がまた勝手やらかさないよう見張ってろ」

「いや、でも俺は瑠依の――」

「いいから行け」

「……わかったよ」

 竜胆は不満そうだったが、それでも律儀に頷いて人外の脚力でウロボロスを追いかけていった。疾は二人が見えなくなると、小さく息を吐き出した。

「お前も行けよ。なに立ち止まって腕組んでんだ?」

 動こうとしない疾に羽黒は訝しげに問う。

「ああ、そっちの奴にまだ挨拶してなかったと思ってな」

 疾が視線を羽黒から僅かに逸らす。

 と、そこにさっきまではいなかった――否、ずっといたのだがまったく気配を感じなかった第三者が存在感を露わにした。


「一度軽く殺気を飛ばしただけだが、気づくとはやるじゃないか」


 どこにでもいる青年にしか見えない彼を、疾は警戒を隠さず睨みつける。

「誰だ、てめえ? 竜胆にすら気づかせねえとは、魔術師じゃねえだろ」

「誰何する前にそっちから名乗るのが礼儀だろ?」

「生憎と、気安く名乗れる名は持ち合わせていない」

 突っぱねるようにそう言って、疾は羽黒に視線をやった。説明しろ、と無言で要求してくる。羽黒は小さく溜息をついてサングラスのブリッジを手で押さえた。

「面倒になりそうだから黙ってたんだが……まあ、安心しろ。一応味方だ」

 羽黒だって彼のことはよく知らない。あの狸親父が編成した部隊の一員であり、十年以上前に魔術界で猛威を振るっていた暗殺集団の生き残り、というくらいだ。余計な情報を羽黒の口から告げることは慎むべきだろう。

 一般人の気配を纏う暗殺者は微かに笑う。

「慎重なのはいいことだな。だが、オレは魔術師じゃない。あんたの名前を聞いてどうこうできる術は持ってねえよ」

「確かに魔力を全く感じないが、んな理由で喋るかよ。そもそもここは敵地だ、どこで誰が聞いているかわからん」

「そうか。だったら手遅れだなぁ、()()()()()()

「……」

 名前を言い当てられた疾は表情を険しくして青年に拳銃を向ける。だが既にそこに青年はおらず、羽黒を盾にするような位置まで移動していた。

 目に映らないほど素早く動いたわけではない。他人の視覚や聴覚や嗅覚といった感覚から己の気配を完全に遮断したのだ。それも疾だけを対象にして。現に羽黒は普通に歩いてくる青年を目視している。これを魔術も使わず技術だけでやっているのだから驚嘆に値するだろう。

 だが――

 疾が引き金を引くと、射出された銃弾は羽黒の脇を掠めて青年を捉えた。

「へえ」

 ナイフで銃弾を弾いた青年は、視線はそのまま銃口だけこちらに向け直していた疾に目を細める。

「オレを追えたわけじゃなさそうだが?」

「ただの勘だ」

「なるほど、殺りにくいタイプだ。いくらオレでも第六感まで誤魔化すことはできねえからな」

「それより下手すると俺が撃ち殺されてた件について双方からの謝罪を求めたいんだが?」

「あんたは撃たれても傷一つつかねえだろうが」

「そもそも当たらないとわかっていたから動かなかったんだろう?」

 確かにその通りなのだが、だからと言って「ごめんなさい」の一言もないのは釈然としない羽黒だった。

 疾が再び銃口を青年に向ける。

「で、なぜ俺の名を知っている……かは聞くまでもねえな。わかってんならホイホイ口にするんじゃねえよ」

「お前がどうなろうと関係ないからな。そっちこそわかってるようだが、オレに言う前に仲間に徹底させた方が良いぜ?」

 青年が指差したのは無論、白目を剥いて意識を手放している瑠依である。

「チッ、このアホが……」

「ほぶあっ!?」

 疾が苛立ちをぶつけるようにその横っ腹を蹴り上げた。それでもまだ起きない。ある意味大物である。

 青年はその様子にクツクツと楽しげに笑うと、ナイフを袖の中に仕舞って敵意のない口調で告げる。

「天明朔夜だ。まあ、よろしく頼む」

「……偽名か?」

「さあな」

「ハッ、そういや魔術師専門の暗殺者にそういう名前を聞いたことあるな」

「クソ魔術師専門だ。そういえば時々オレが潰す予定だったクソ魔術師の研究施設を先に爆破してやがるテロリストがいてよ、どんな奴かと潜んで確認したことがあるんだが……あんたに似てる気がするんだよなぁ」

「はっ、そりゃ面白ぇな」

 再び空気が張り詰める。一言一言が相手の神経を逆撫でる刃物になる両者。こうなることがわかっていたからできればこの二人を会わせたくなかった羽黒は――

「おーい、そろそろ起きろー。飯の時間だぞー」

 瑠依を優しく起こすという無意味をやりつつ現実逃避していた。

「まあ、仲良くしようぜ。オレとお前は近い匂いがするからな」

 歩み寄って爽やかに握手を求める天明朔夜だったが、疾はその手を取らない。

「慣れ合う気はない。てめえが敵じゃないならそれでいい」

 吐き捨てるように告げると、疾は踵を返して博物館へと向かった。

「意外だな。てっきり俺の時みたいに問答無用で斬りかかると思ったんだが?」

「オレは狂犬じゃなくて狼だ。殺す相手の匂いくらい嗅ぎ分けられる。あいつはクソ魔術師の匂いじゃなかったからな」

「俺は?」

「あんたは別の意味でやべー匂いがプンプンしてるよ」

「マジか。ちゃんと毎日風呂入ってんだけどな」

 そういう意味じゃないことはわかっているが、本当に暗殺されても困るので茶化しておくことにした。

「丁度いい。オレはここらで勝手にやらせてもらうぜ」

「ああ、俺も一応あいつらと合流できたからな。それぞれの役目を果たすべきだ」

「なんの細工かは知らねえが、オレが動きやすいようにうまいことやってくれよ?」

 天明朔夜はそう言って音もなく歩き出すと、羽黒の五感から完全に消失した。


        ***


 大聖堂。祭壇の間。

 ペプレドが魔法士の青年を異空間に閉じ込めたことを確認したアスク・ラピウスは、コツンと錫杖の尻で床を小突いた。

「ディノ」

 呼ぶと、闇の中からこの場に残っている最後のグライアイが滲むように姿を現した。肩にかけたセミロングの髪をしたディノは、無言でアスク・ラピウスの指示を待っている。

「砲撃術式は修復できそうか?」

「短期修復。不可能」

「そうか。修復したところでまた壊されては意味がない。そちらは構わん。お前にも別任務を与える」

 アスク・ラピウスは再び錫杖で床を小突き、モニターに外の様子を表示する。そこには博物館に向かって飛ぶウロボロスと、それを追いかける青年、砲撃術式を壊してくれた少年が映っていた。瀧宮の男の方は気絶した少年の介抱でもするのか、あの場に残ったままである。

「魔法士の若造にはペプレドを、ガキ共にはエニュオを向かわせた。看過できない被害を受けたことは計算外だったが、他の連中の戦力もだいたい把握できただろう。もはや出し惜しみはできん」

「出撃。私?」

 自分自身を指差すディノに、アスク・ラピウスは「否」と首を振る。

「奴らを目覚めさせる。例の封印所の鍵は貴様に預けていたな? そこに眠らせていた四体をここに呼べ」

「理解。封印解除」

 ディノの眼前に魔法陣が出現し、禍々しい立方体が浮かび上がってルービックキューブのように組み変わっていく。

「解除完了――転移開始」

 ディノが右手で宙を薙ぐ。するとディノとアスク・ラピウスの中間に四つの転移魔法陣が展開され、四つの棺が床から生えるように現れた。

 強大な力を持ちつつも、それ故にグライアイのように常時活動できる個体ではないため封じていた四体。

 棺が一つずつ開いていく。

「ふわあぁ、ようやく出番? もしかして百年くらい寝てた? アッハハ! マジウケる! 流石に寝すぎたゾ☆」

 まず出てきたのは朽ちかけの黒衣を纏った少女だった。血色の悪い肌に闇色の髪。背中からは骨の翼が生えている。大きな欠伸をした次にはテンション高く笑った少女は、瞳孔のない白い瞳をディノへと向けた。

「お? ペプレドちゃんじゃん、おっひさぁ、元気してた? あれ? エニュオちゃんだっけ?」

「私。ディノ。アンデッド。元気無意味」

「ディノちゃんかぁ。三つ子は見分けるの難しいゾ☆ 確かにウチら死んでたわ。アハハ、超ウケる!」

 笑いの沸点が低いのか、アンデッドのくせに腹を抱えて爆笑する少女。アスク・ラピウスは溜息をつきたい気持ちを抑えて少女に命じる。

「やかましいぞ、ドラゴン・ゾンビ。静かにしろ」

「これはこれは、ラピウス様。ご機嫌麗しいゾ☆ ご機嫌……麗しい……アンデッドの機嫌が晴れやかってどういうこと? アハハ、なんかウケる!」

 貴様が一番晴れやかだと思いながら、アスク・ラピウスは諦めて二つ目の棺に視線をやる。

「オハヨウゴザイマス、ラピウス様」

 棺から出てくるや恭しく頭を垂れたのは、人体から骨と皮以外を取り除いたかのようなガリガリの男だった。

「我ラヲオ呼ビニナルホドノ敵ガ現レタノデショウカ?」

「うむ、ただのゾンビやワイトでは相手にならん。ドラウグル、貴様の力を借りたい」

「承知致イタシマシタ。我ガ主ニ仇成ス敵ノ首、必ズヤ取ッテミセマショウ」

 言うと、男――ドラウグルは魔術で禍々しい鎧を纏った。魔剣と呼べる業物を空間から取り出し、腰に挿す。

「片言! なんでお前はそんなに片言なんだドラウグルぷひーっ! お腹痛い! 嘘ごめん。痛覚なんてなかったゾ☆ やばいウケる!」

「黙レ。殺スゾ、ドラゴン・ゾンビ」

「もう死んでるゾ☆」

 伽藍洞の瞳で睨みつけるドラウグルだが、ドラゴン・ゾンビの少女は腹を抱えて蹲り床をバシバシ叩き始めた。

 三つ目の棺が開く。

 その中から現れたのは、一冊の古い本だった。

「ウフフ、どうやら賑わっているようね。此度は本書も戦闘に参加するので?」

 本が怪しい光に包まれ、襤褸で編まれたようなドレスを纏った妙齢の女性に変身した。本が人化したことにドラゴン・ゾンビがまた爆笑しているが、それはもう無視する。

「ギュルヴィ腐書、貴様の禁術を存分に振るってくるがよい」

「了解。ウフフ、本書好みのイイオトコがいると、腐らし甲斐があるものね」

 妖艶に微笑むギュルヴィ腐書は、それ自身が記された術を自在に使うことのできる『生ける魔導書リビング・グリモワール』だ。戦力として大いに役立ってくれるだろう。

「ラピウス様、最後ノ棺ニハ誰ガ入ッテイルノデスカ?」

 いつまでも開かない四つ目の棺を見ながらドラウグルが問う。

「ウチも知らないゾ☆ 新参のやべーアンデッドかな?」

「封じられたままでも相当な魔力を感じるわね」

 ドラゴン・ゾンビもギュルヴィ腐書も怪訝そうな顔をする。アスク・ラピウスは仕方なく錫杖で棺を叩くと、鬱陶しそうな呻き声を上げてゆっくりと蓋が開いていく。

 高位魔法の編みこまれたローブを纏った青年だった。

「ワイトだ」

 アスク・ラピウスは青年の正体を告げる。

「だが、ただのワイトではない。その辺の勇者や英雄など比べ物にならんくらい強大な――魔法士のワイトだ」

 彼は数年前に死骸で転がっていたのを見つけて屍術を施したのだ。おかげで魔法士という存在を知ることができた。戦闘に使ったことは一度もないが、あの若造ほどの魔力はないものの実力で言えば近いものを持っているとアスク・ラピウスは睨んでいる。

「貴様らには我が国に忍び込んだネズミを狩ってもらう。できるだけ綺麗な死体にして我が前に持ってくるがいい」

 錫杖を鳴らして命じると、目覚めたばかりの四体は一気に戦意を高ぶらせた。

「そしてディノ、島の周辺をうろついているハエがいる。貴様が駆除しろ。下僕は好きなだけ連れて行って構わん」

「御意」

 ようやく自分にも活躍の機会が巡ってきたディノは、不気味な笑みを浮かべて闇へと溶けて行った。

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