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6「俺の嫁がニュータイプのドッペルゲンガーなのだが。」

6話目「俺の嫁がニュータイプのドッペルゲンガーなのだが。」


 もし私がドッペルゲンガーに会ったら一緒にイタズラをしたいです。



ではどうぞ。


 人間誰しも一度は自分の身体がもう一つか二つあれば……と思ったことがあるだろう。


 少なくとも少し前の俺、長田 瑞樹ならそう思っていた。


 例えば仮に二人になったら一緒に課題をしたり、どこかに出掛けたりしたいなぁ、と中学生男子らしく妄想していた。


 もちろん現実にそんな事が起こる事はなく、俺は近所の高校の中でもそれなりに学力の高い所に進学した。


 志望理由は特にない。ただ家から近かったからというだけだ。


 実際、早く家に帰れたところで家には妹二人以外誰もおらず、何もすることもないのでただひたすらゴロゴロしている。


 ちなみに両親はというと、ある日急に俺達を呼び出したかと思えば、


「お前たち三人ももう中学生と高校生だ。そろそろ家を巣立つべき頃だな。」


 と超時期尚早な発言をして、俺達三人を実家から徒歩10分ほどの所に転居させた張本人である。


 全くもって迷惑な話である。


 そして俺の人生最大の事件はそこから三ヶ月ほど経ったある日から始まる。


 分かりやすくまとめよう。


 朝起きて

 両目開けたら

 美少女だ


 それが現実になってしまった。


−−−−−−−−−−−−−−−


 朝、誰かが俺の額を触っている。その手のひんやりとした感触で俺は目を覚ました。


 俺はてっきり妹が起こしに来たのかと思い、


「おい瑞葉……勝手に部屋に入るなといっただろ……」


 と寝ぼけ眼で言って起き上がると


 目の前に美少女がいた。


 え?この人誰?何かのドッキリ?


「とりあえず、誰?」


 とりあえずはファーストコンタクトだ。いくら不法侵入とはいえ、いきなり美少女を通報するのは何か間違っている気がする。


 すると美少女は微笑んで


「あ、初めまして!私はあなたのドッペルゲンガーをやらせてもらってる人です!よろしくお願いします!」


 え、ということは俺の生き写し?知らなかった。俺、いつの間にか美少女になっていたんだ。


 そう思い、近くの鏡に身体を映すも映るのはいつもの寝ぼけたような顔の冴えない高校生だった。


「……ダウト。俺はそんなに美少女じゃない。つまりお前は俺のドッペルゲンガーではない。」


 そう言うと美少女は苦笑いをして


「あぁ……ドッペルゲンガーってその認識ですもんねぇ……実際は結構色々な姿に化けることのできる凄い存在なんですよ?」


 今さらっと自分の事凄いって言ったよね?あとドッペルゲンガーが目の前にいるのに冷静に喋れている自分が怖い。


「つまり俺そっくりに化ける事もできるの?」


「できますよ。それっ!変身っ!」


 そうドッペルさんが唱えるとポンっという音と煙が出て俺が二人になる。というか室内でやらせなかったら良かったなと思う。かなり煙たい。


「どうです!?そっくりですよね!」


「あぁ、分かったから早急に元に戻ってくれ……」


 まさか自分の顔を見て吐きそうになるとは思わなかった。


「じゃあ次の質問だ。ドッペルゲンガーって会うと死ぬと言われていなかったか?」


 俺はまだ死にたくない。俺はまだ卒業すべきものを卒業していないんだ。


「あぁ、それも結構ある偏見ですね。確かに驚いて死んでしまった人もいないこともないですが、まず死ぬ事はないですよ!」

 何だか安心した。DTのまま死ぬなんてまっぴら御免だ。


「じゃあ最後の質問をするぞ、ドッペルさん、いったい何をしにここに来たんだ?」


「もう名前が略されてますね…で、目的、それはもちろんあなたと結婚するためです!」


「……はぁ?」


 それは唐突な告白であり、これから起こる事件の始まりなのであった。


ドッペルゲンガー:自己像幻視とも言われる。ちなみにドイツ語である。

しかしどうしてドイツ語は長い言葉が多いのか。

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