the fierce battle in the croquet court 9
「全く、本当に無茶ばっかり。」
声がした。
目を開くと、俺の前に鞘華が立ちふさがっていた。
手には、白く光り輝く彼女の刀、銀雪を持って。
「鞘華!もう溜めは終わったのか!」
「まだ。」
なっ!!
「おい!今ここで衝撃波を放っちまったら、作戦がパーになるじゃねえか!」
「大丈夫。溜めながらでも刀は振れる。」
「無茶だ!」
鞘華はふっと笑う。
「…荒木には言われたくない。」
「ぐ…。」
『確かにー。』
リョウ、同意すんな。
鞘華は飛来した鎖を、抜き身の刀一本で凄まじい速さで斬り落としていく。
だが、それでもすべての鎖を斬り落とすことはできない。
一部の鎖は、背後から俺たちを襲おうとする。
せめてその鎖への対処は俺がしようと、立ち上がろうとするが。
「ぐっ。」
俺は立ち上がれなかった。
「おいおい兄ちゃん、ちょっと無茶し過ぎじゃねーか。」
代わりに俺たちの背後に立ったのは、弾正さん。
手には、銃身の先端に凄まじい光が集まっているホワイトホークを持っている。
「弾正さん?!あんたもまだ溜めおわってないでしょ!銃撃てないじゃないですか!」
弾正さんはにやりと笑う。
「撃てない?なら。」
そして、持ち手ではなく銃身を握る。
「殴ればいいだろ。」
「無茶だ!!」
「はは、いいじゃねえか。無茶は兄ちゃんの専売特許じゃねえんだぞ。」
弾正さんはホワイトホークを棍棒代わりに次々と鎖を叩き落としていく。
「よし、そろそろ限界まで溜まるな。」
「こっちも。」
弾正さんと鞘華は目配せし合う。
「…なあ、ひょっとして鎧坂たちもなんか無茶してんじゃねーよな?」
「あ?ああ。中坊ならあそこだ。」
弾正さんの目線を辿って行った先は、上空。
そこには、翼を生やしたロボットスーツの上に乗っかっている鎧坂の姿。
空を飛んでいるというより、フラフラと漂っていると言ったほうがいいだろう。
「なにやってんだ、あいつ?!」
「はっはっは、空を飛ばそうとしたら、翼の制御が難しくてな。空を飛ぶには、ああやって密着しないといけないんだと。ちなみに役割は。」
鎧坂はチェシャーネコの真上に達すると、身を乗り出して声を張り上げる。
「や、やーい、チェシャーネコの馬鹿ー、アホー!!」
「おとりだ。」
「ひでえ!!」
なに鎧坂にやらしてんの?!
「ヒイイイイイイイイイイイ!!こえええええええええええ!!もうやだあああああああああああ!!」
鎧坂の絶叫が響き渡った。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
おかげさまで無事に十万字に到達しました。
私生活の方が忙しくなったので、しばらく一日一話、午前一時更新にしようと思います。
これからも、よろしくお願いします。




