the fierce battle in the croquet court 7
初撃は、まず弾正さんから。
チェシャーネコの舌についた、大きな黒い錠前を狙い撃つ。
が、弾が錠前に届く前に、鎖に阻まれる。
「ちっ…、やっぱりダメか。」
弾正さんは思わず舌打ちする。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
チェシャーネコは、俺たちの方向へ大量の鎖を飛ばしてくる。
「鎧坂!!」
「は、はい!空虚!トランスフォーム、ゴーレム!」
鎧坂は鎧をゴーレムへと再び変化させ、波のように押し寄せてくる鎖に対抗する。
巨体と鎖、質量と質量同士がぶつかり合い、凄まじい轟音とともに衝撃を生み出す。
「ぐうっ!!」
その結果は、拮抗。いや、わずかにゴーレムが押されているか。
無数の黒い鎖はすごい勢いで飛んできて、ゴーレムに当たったそばから砕け散っていくが、一部はゴーレムの脇をすり抜けて後方へと飛んでくる。
「させるかよ!」
「…させない。」
それを、弾正さんと鞘華が撃ち砕き、切り落としていく。
「ギャギャギャ、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
鎖だけでは埒が明かないと見たか、チェシャーネコは今度は鎖を身に纏い、鎖帷子のようにして、こちらに駆けてきた。
弾正さんの弾丸が次々とチェシャーネコに着弾するが、全く効いてる様子はなく、脚が止まることはない。
このままゴーレムと接敵すれば、先ほどのようにゴーレムは吹っ飛ばされ、弾正さんや鞘華、鎧坂、詩織に直接攻撃される。
そうなれば、俺たちの負けだ。
「おりゃあああああああああああああ!」
だから、俺が前に出る。
ゴーレムの影から飛び出して来た俺を見て、チェシャーネコはさらにニタニタ笑いを深め、俺に向かって鋭い爪を振り下ろす。
俺はハンマーを横に振るい、チェシャーネコの爪に思い切りあてる…前に、両足を踏ん張り、肩の力を抜く。
そして、凄まじい速度で振るわれた爪に、ハンマーを軽くあてる。
「俺を舐めるなああああああああああ!」
そうして爪の軌道を逸らしながら、俺は両足を軸にして、爪の勢いを利用してハンマーごと体を回転させる。
そして、チェシャーネコの横っ腹に、カウンターをお見舞いした。
「ギャギャッ?!」
チェシャーネコは横に大きく吹っ飛ぶが、堪えた様子はない。
体表の鎖が大きく壊れたが、すぐに再生する。
単純に驚いているだけの様子だ。
くそ、これも効かないか…。
おそらく、もう二度と同じ手は使えないだろう。
だから、今の一撃に期待していたんだが…。
まあいい。なら、作戦通り時間稼ぎに徹するだけだ。
「さあ来いよ、化け猫。」
「ギャギャギャギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




