表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/187

second visit and depressing garden 1

「なあ、詩織。ヤマネはこっちの方を指さしてたが、このまま真っ直ぐ行けばいいのか?」


「まあ見ていてください。もうすぐ見つかるはずです。」


何が?


「ほら、ありました!あれです!」


詩織の指し示す方には、幹にドアの付いた木があった。


「嬢ちゃん。このドアの先には何があるんだ?」


「それは開いてみれば分かります。特に荒木さんには。」


え、俺?


「なんで俺が分かるんだ?」


「まあまあ。まずは開いてみてください。」


「あ、ああ…?」


言われるがままに俺はドアに近づき、ドアノブをひねると、ドアは鈍い音を立ててゆっくりと開いた。


すると隙間から、黒い霧が漏れ出してきた。


「うおっ!」


俺は思わず顔を腕で庇う。


霧は、あっという間に辺り一面を覆った。視界が黒一色に染まる。


「詩織ちゃん!どうなってるんですか?!何も見えませんよ!」


鎧坂の混乱した声が聞こえる。


「大丈夫ですから、その場を動かないで下さい!」


詩織が大きな声で言う。


「リョウ、この霧大丈夫か!」


『うん、単なる黒い霧だよー。別に吸ってもいいから安心してねー。』


そうか、なら良かった…。


しばらくして、次第に霧が晴れていく。


そして現れたのは、巨大なドアがいくつも並んでいる、薄暗い広間だった。


…あれ…?


「なんか、見覚えがあるような…?」


『龍太ー!ここ、最初に来た広間だよー!』


「あっ!本当だ!」


広間全体は記憶にあるよりはるかに大きくなっているが、そこは確かにあの広間だった。


「アリスはここに、二回も来るんです。だからもし荒木さんがここから動かなければ、アリスに会えたはずなんですよ。」


「えっ。」


じゃあ、俺はアリスに会うのに凄い遠回りをしてたってことか?!


「なんて残念な荒木。」


「ぐおお…。」


鞘華が俺の心を抉り、俺は倒れ伏す。


『鞘華ー、これはしょうがないんだよ。たぶんあのウサギに、ここから無理やりフェードアウトさせられたんだから。』


珍しく、リョウが俺のことを庇う。


『そうじゃないと、僕まで残念みたいじゃない。』


「ん、リョウ君は残念じゃない。」


やっぱり庇う気ゼロかよ!


ところで…。


「なあ詩織、この広間、最初に来た時よりずいぶん大きくなっているように見えるんだが…。」


「それは、この広間が大きくなってるんじゃなくて、私たちが小さくなってるんです。」


「そうなのか?」


「はい。物語では、アリスは何かを食べることで大きくなったり小さくなったりして、いろんなところに行くんです。でも私たちは、どうやら勝手に大きさが変わっているみたいですね。」


「じゃあ、今まで出てきた巨大な動物たちは…。」


「そうです。動物たちが大きかったわけじゃなくて、私たちが動物並に小さくなっただけなんです。」


そうだったのか…。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ