the everlasting tea party 5
目を閉じることも出来ない中、バターナイフの先が眼球に突き刺さる…
…前に、見えない障壁に弾かれる。
「「「!!」」」
「あれ?」
帽子屋たちは驚いて固まり、ついでめちゃくちゃにバターナイフで切り付けてくる。
が、全く俺たちには当たらない。
そう、俺たちのやったことは単純だ。
戦いに入る前に、詩織の文字魔法、守護を全員にかけてもらっていただけだ。
「あ、そうでした!詩織さんに魔法かけてもらってたんでした!」
鎧坂、お前、忘れてたのかよ!
道理で無駄に騒がしいわけだ。
「荒木さん、鞘華さん、鎧坂さん!これ、本当に時間が止まってるみたいです!止まっている間は、文字魔法の効果が切れることはありませんから、安心してください!」
詩織が叫ぶ。
よし、それなら安心だ。
さすがに動けない間に効果が切れるとまずいからな。
帽子屋たちは無駄な攻撃を繰り返した後、背後へと大きく飛び、俺たちから距離をとる。
その瞬間、急に俺たちは体の自由を取り戻す。
どうやら、いつまでも時間を止められるわけじゃないらしいな。
「時間が止まっている間は、普通に文字魔法の有効時間は無くなっていっています。気を付けてください!」
ちっ…、なんでも都合よくってわけにはいかねえか。
「分かった!よし、手筈通りいこう!短時間で勝負付けるぞ!」
俺は叫んで、帽子屋のもとへと向かう。
「了解。」
鞘華はヤマネへと迫り。
「分かりました!いっけー、空虚!」
鎧坂は鎧を三月ウサギのもとへと向かわせた。
「うおりゃあああああああああああ!」
「ヒヒッ!」
俺は帽子屋へ向けて、思い切りハンマーを振るう。
その一撃を、帽子屋は紙一重で躱して、反撃しようとする。
だが、紙一重じゃ意味がない。
『僕たちの力を舐めないでねー。』
帽子屋は、ハンマーの風圧に押し負けて飛ばされ、反撃することはできない。
「おらおらおらああああああああああああ!」
俺は次々とハンマーを振るっていく。
その全ては躱されるが、帽子屋も俺に反撃することはできない。
例え反撃できたとしても、詩織の守護に阻まれるだろう。
「ヒ、ヒヒ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!」
帽子屋は、俺相手では埒が明かないと踏んだのか、踵を返して後方の詩織に向かおうとするが。
「はいはい、お前の相手はこっちじゃないよー。」
「イヒッ!」
弾正さんの弾丸に押し戻される。
「お前の相手は俺だあああああああああああああ!」
俺は再びハンマーを振るい、帽子屋を追撃する。
押してはいるが、素早い相手に俺は決定打をもたない。
このままでは詩織の守護が切れて、こっちがジリ貧になるだろう。
だが、それで構わない。
「みんな、準備できました!」
俺たちは、単なる時間稼ぎなのだから。




